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「言ってくれたらわかる」の罠にだまされない〜垣谷美雨『定年オヤジ改造計画』3

すべての女性の感情を逆撫でするセリフが満載の小説『定年オヤジ改造計画』を読んで考えたこと・第3弾です。


昨日の記事に、三木智有|家事シェア研究家さんがコメントをくださいました。

「言ってくれればいいのに」って言う人ほど、「言ってもわからない」よなぁって思いました

本当に「言ってくれないとわからない」?〜垣谷美雨『定年オヤジ改造計画』2へのコメント


そうなんです!

この「言ってくれればいいのに」というセリフ、相手を気遣っているようでいて、その実、「言わないあなたが悪い」と非難しているんです。

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あなたが言ってくれたら、私はフォローしていたよ。
フォローできなかったのは、あなたが言わなかったから。
つまり、悪いのはあなた。

ってわけです。

定年オヤジ改造計画』の主人公も、他責思考であることを娘から指摘されていました。

「母さんもそれならそうと言ってくれればいいじゃないか」
「言わなかった母さんが悪いってこと?いつも母さんが悪者だね」

定年オヤジ改造計画


「言ったところでもわからない」証拠を次々に見せつけてくる父親に嫌気がさしてきた娘は、「父さん」ではなく、「アンタ」と呼び始めます。

主人公は、〈妻を思いやる〉という人としての基本が完全に抜け落ちていることに、無自覚すぎるように思います。

自分のことは〈妻から最優先で大切にされてしかるべき存在〉と信じて疑わないのに、ね。

誰もが尊い存在であることを受け入れず、無意識レベルで自分以外の人を下に見ている人は、
「言ってくれたらいいのに」
といった、一見相手に寄り添っているようでいて、実のところは相手を非難する言葉をサラリと言ってのけるので、要注意です。

モヤッとする言葉を投げてくる人がいたら、心の中でさっと線を引いて、物理的にも心理的にも距離をとることをオススメします。

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「どうしたの?私でよかったら、なんでも話してみて」
落ちこんでいるときに声をかけられて、気をゆるして話をしていると、
「それはあなたが悪いんじゃない」
なんて責められること、友人関係でもあったりしませんか?

あるいは、親身に聴いてくれた翌日に、
「あれはあなたがおかしいわよ」
と人前で言われてしまう。

私もかつて、そうしたママ友の言動に、心休まらない日々を過ごしたことがありました。

ただ、そうした悪役を演じる人の隣りには、ちゃーんと私を陰から応援してくれるママ友もいてくれたのです。
(渦中にいるときには、なかなか気づけないものですが)

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「あなたが悪い」
と言外に伝えてくるような人とは、いったん距離を置く。

自分を非難するような言葉は、絶対に受け入れない。

「あなたは、そう考えるんですね。私にはそうは思えません」
口に出さなくてもいいので、心の中で線を引いておきましょう。

もしも
「そっか、あの人の言う通り、私が悪かったのか」
なんてセルフ・トークが浮かんだら、速攻で消去します。

「嘘!今のなし!
 相手がそう思っているだけ、でした」

「どうしてそんなことを言われなきゃいけないの?」
「あの人は何もわかっていない」
などと感情的に反応してしまうと本来のあなたからズレてしまうので、日ごろからトレーニングをしておくのが有効です。

誰かの言動にモヤッとしたら、その理由を考える。
ただし、その原因が自分あるといった因果関係は検討不要。

「あなたは正邪の判断をしているんだねー。私はそうは思わないけれど」
客観的にとらえられたら、ずいぶんと楽になります。

「私が悪かったんだ」
なんて、自分のことを絶対に責めない。

「そんなことを言うほうが悪い」
と相手を責めることもしない。

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正邪の判断を手放すと、結局は自分がとても楽になれます。
ぜひ、お試しあれ〜。


「私が私である」ことの確信へ導く魔法使い
御影石 千夏

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