かわいい女の子がだいすきで、大嫌い

お顔の整った女の子ばかりこの世に存在している気がする。


わたしは毎日必死に自分に足りていない線を描いて、
すきな色、ではなく自分の顔面が少しでもふつうになる気がする色のアイシャドウをのせる。

貯金をしてはスキンケアを見直しているのに、shu uemura のクレンジングオイルも買ったのに、美容外科で買ったニキビに効く(って説明された)錠剤も毎日飲んでるのに、一生肌荒れが治らない。
治らないけど、隠さないといけないから、いろんな肌色のコスメたちを肌にのせていく。

わたしは甘いものがだいすきだけれど、肌荒れを治すために砂糖の摂取を辞めてみたら、食事量が極端に減って(食べたいものが特になかったから)、体重が不健康に落ちた。
結果、肌はさらに荒れたので、嫌になってお菓子をいっぱい食べた。
「そうやってお菓子を食べるから肌が荒れるのに」とお菓子を食べても肌が綺麗な家族に小言を言われた。


垢抜けるかなと思ってまつげパーマをしてみたら、まつげがu字に綺麗にあがってかわいかったけれど、面長が加速した。

太くて硬い髪質は、美容院でトリートメントをしてもらったり、美容院でしか買えないようなオイルやジェルを使ったりしても改善されなかったから、諦めてブリーチをいっぱいした。
ハイトーンにしたら韓国アイドルみたいにかわいくなれるかなと思ったけれど、金髪の明るそうな一般人が爆誕しただけだった。


それでも、わたしは「かわいい女の子」になりたい。

かわいいあの子とわたしに対する周りの対応の差に傷ついたり、不意に鏡に映った自分をみてため息をついたり、そんな毎日から抜け出してみたい。


他の誰でもないわたしの顔面を、
わたしに、かわいいと思ってほしい。

かわいいあの子を羨むんじゃなくて、
かわいいあの子とわたしの違いを探すんじゃなくて、
わたしがあの子をかわいいと思うように、わたしがわたしをかわいいと思いたい。

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