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おじいちゃんのカメラ

約10年前に天国へと旅立ったおじいちゃん

わたしが中学生のとき、少し記憶は曖昧になってしまったのだけど、急に体調が悪くなってしまって、空へと居場所を引っ越してしまったおじいちゃん

生まれて数か月くらいのときから一緒に暮らして、いつもいつも可愛がってくれて、一緒にいるときは、
「がんばりやさんやなあ~」
「べっぴんさんやなあ~」
と、声をかけてくれたおじいちゃん

幼稚園の年長さんから小学校にかけて、学校に通園・通学するとき、学校までの長い長い坂道の通学路を一緒に歩いてくれて、安全を守ってくれたおじいちゃん

学校が早く終わった日には、下校の道の途中まで迎えに来てくれて、一緒にお家に帰ったおじいちゃん

地区の夏祭りや秋祭りの日には、お祭りが開催される公民館までの行道と帰り道を一緒にお話ししながら歩いたおじいちゃん

ずっとずっと、生まれてからずっと、おじいちゃんが作った野菜を食べて育って、たまに近くの畑に歩いて行ったり、弟とお家から少し離れたところにある畑に自転車で行くと、
「よ~きたなあ~」
と言ってくれて、トマトの収穫の仕方を教えてくれたり、野菜を虫から守るネットを協力して畳んだりしたおじいちゃん

運動会や音楽会、体育祭やピアノ・エレクトーンの発表会には必ず来てくれて、帰ったらいっぱい褒めてくれたおじいちゃん


そんな優しくてだいすきだったおじいちゃんは、亡くなる数年前からカメラの勉強をしていました

お父さんと一緒に選んだcannonのカメラを持って、お友達やおばあちゃんと一緒に観光地や自然の景色が広がる場所に行っては、カメラでその目の前に広がる世界をファインダーに映し、撮影していたおじいちゃん

その、おじいちゃんが大事に大事に使っていたcannonの一眼レフカメラは、あまりにおじいちゃんが大切に大切に使っていたからこそ、約10年間もの間みんな触らなかったんだ

「ねえおじいちゃん、おじいちゃんが覗いていたファインダーを、今度は、これからは、わたしが覗いてもいい?」

おじいちゃんが映したかった、記録におさめたかった世界を・・・
これからは、わたしが映したい世界を、まわりの人に伝えたいやさしい世界を、記憶に残していくね

おじいちゃんの大事な大事なたからもの
そのバトンを受け取って、
永く、大切に映していくね


↓おじいちゃんのカメラで撮影した写真たち

三鷹の森ジブリ美術館



丸の内から空を見上げてみると



だいすきでたいせつなともだち


おまけ


おじいちゃんのカメラ


きょうもあしたもちょっといい日になりますように

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