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【メモれメモリーズ】 シンガポールでフィッシュ・ヘッド・カレー

以前シンガポールにいた頃の話は紹介したことがありましたが、かさむ加齢の中、華麗なカレーのお話があったのでメモリーズをメモります。

シンガポールは多民族国家で、多い方から、中華系、マレー系、インド系、欧米系、その他、と様々な国籍の人々が集まっています。
道路標示や、地下鉄の案内板、街中の表示なども、英語、中国語、マレー語、タミール語が並列し、自分は何語を喋るのかによって属するコミュニティが自然と見えてくるものでした。

長期の入国滞在には、ビザが必要となりますので申請をしに行きましたが、フランスではイヤと言う程待たされる一日仕事の役所関係。そのつもりの心構えでキャンプにでも行くような支度でシンガポールのイミグレーション・オフィスに入って行きますと、もうこれ質問もナシに
「こっちですラー。」
「ココで待ってくださいラー。」
「ネバマイネバマイ、オッケーラー。」
(Never mind, Never mind, OK Lah.
イーです。イーです。大丈夫よ。)
と畳み掛けるようなシングリッシュ(=シンガポーリアン・イングリッシュ)で勝手にことを運んでくれる訳です。
そしてまた一家族の手続きにわーっと十人位が寄ってたかって、私達が頭を左右に何度か振っている間に全て終了。フランスから高い料金払って持って行った証明写真なども、
「こんなん、あかんラー。」
とポイされ、その場ですぐに再撮影。
見事な人員稼働フル回転。「人手不足」などという言葉は存在しない程のシンガポール就職事情。(2010年頃)

その申請の中でも面白かった質問とは?

-人種は?
a) ヨーロピアン
b) 中国 
c) インド
d) マレーシア 
e) その他

いいんです。わかります。
シンガポールという国を構成している人種がまずくるわけですな。あとは、「その他」でございます。なので日本人の私なぞは「その他」な訳なんです。

-宗教は?
a) カトリック
b) 仏教
c) ヒンズー教
d) イスラム教
e) 自由思想

😶コレも目が点。
どっちかって言うとe)の自由思想かもしれないけど、なんか面倒な事になるのは困るので、一応無難にb)の仏教徒で。だって神道とかないし。100%正確ではないけど。
だけど、まだほぼ赤ん坊の娘ちゃん達の答えも書かなくてはならなくて、コレはまだ本人の意思がないので、e)の自由思想で。

選択の余地がないとはこのことで、とりあえずどれかに当てはめなければならないお国柄なことがよくわかった到着直後の姐さん。

そしてあっという間に手続きは済んで、
「ウッソー😲」とか言っている間にもう扉の外にほっぽり出されているような始末。

うちの場合、フランスからの駐在で、母である姐さんは日本人。ここは日仏の上の娘ちゃんにはまたとない機会なので、日本人幼稚園へ行ってもらい、下の娘ちゃんは安上がりに現地の保育園で英語と中国語ケア。




ここでしかできないことをやろうと思ったらキリが無い。姐さんはフランスじゃ絶対できない中国画を習い、暇をみつけてボリウッド映画三昧。上の娘ちゃんは、日本語の幼稚園とインド舞踊のレッスンへ。おかげで首振りは現地仕込み。下の娘ちゃんは、胸に手を当てマジメにシンガポール国歌を毎朝歌い、イヤイヤ期は中国語で「メイヨー(中国語でNo)」。日本語より先に出てきた中国語にびっくりした姐さん。

そんな頃、姐さんが足繁く通ったインド人街のカレー屋がここ、『バナナ・リーフ・アポロ』。



一応地図も載せておきます。

有名なホテル、マリーナ・ベイ・サンズ、チャイナタウン、そしてシンガポールのシャンゼリゼ、オーチャード通りからやや北上すると辿り着くリトルインディア。


リトルインディアにてスケッチ


リトルインディアと言えばジャスミンの香りです



かつて競馬場があった通りの反対側にあるそのレストラン。


お店の名前の通り、ちゃんとお皿にはバナナリーフがセッティングされていて、これをお皿として使用。
お手々で食べる方も多いのでウエットティッシュは必須アイテム。

フォーク&スプーンが
シンガポール流カトラリーセッティング

ここの名物は、「フィッシュ・ヘッド・カレー」。

大きさは、S、M、Lとあり値段は30S$〜。
(今日のレートで、1S$=¥98)
お手頃価格。

シンガポールのインド人は、南インドからの移民が多く、言葉もヒンディー語ではなくタミール語。
フィッシュ・ヘッド・カレーも南インドの名物料理。
新鮮な魚の頭をコクのあるカレーシチューに漬け込み、オクラ、トマト、ナスと本格的スパイスをじっくり煮込んでいく秘伝の味。
北インドのカレーは、ぽってりガッツリもろ脂肪になりそうな、濃度を誇る歌って踊れるボリウッド式ですが、南インドのカレーはスープの如きサラサラ更紗なシーフードも含むアクの強いコリウッド式。

映画や音楽だって北インドとはまた違った一面がありますが、それはまたの機会に譲るとして。

シンガポールの特産品、錫の器に入れられた魚の頭のカレー。いい具合に出汁が出ていてウマいのです。

どっちみちアジア系はシェアすることに意義があるので、フィッシュ・ヘッド・カレーの他に頼むのがこちら。
黄色のレンズ豆のカレー、イエローダル。スパイスとまろやかな豆の乱舞。尚、ブラックダルバージョンもございます。

野菜食べてるぜっ、感いっぱいのパラク・パニールはカッテージチーズ入りの滑らかなほうれん草が魅力的なカレー。

姐さんの好きな野菜ベスト3! 入り確実のおナスがたっぷりのまったりカレー、バイガン・バーサ
ちなみにフランスではおナスは男性器を表します。いやん♥

そしてそれらのカレーを華麗に彼に食べさせるには、やはり白米。インドの漬物、チャツネが付いてこのお値段。

白米だけじゃあ、つまらないという方にはお馴染みチーズ入りナン。びろ〜んと伸びるコレがおフランス人のお気に入り。

カロリー多めのチーズナンがイヤな方にはさっぱりフライパンでできるピタパリなチャパティがおすすめ。
なんと! ナンと違って発酵させていないのでふんわりしてない分ヘルシーです。

まだまだ太り足りない方にはこちらのデザート。
粉ミルクの揚げ玉、グラブ・ジャムンですん。シュガーシロップで頭ガンガンですん。バラの香りでクラクラですん。
いつでも2ピースでお召し上がりいただけますん。

ドリンクのおすすめは、銀座のフルーツパーラーもビックリなマンゴー・ラッシーでマンゴー満喫ですん。あはん♥

だけどマンゴー・ラッシーは重くていやん♥な方にはさっぱりライムジュースがおすすめですん。
100%ライムのスッパー体験は、バナナ・リーフ・アポロならではですん。


あ~、ライムジュースでスッキリしたら近くの。ヒンズー教寺院、スリ・ヴィーラマカリアマン寺院に寄ってリトル・インディア気分を盛り上げましょう。




インド気分が盛り上がっちゃってきたら、ナマのシングリッシュでブラッシュアップ。

英国正統派イングリッシュとはちゃいまっせ!





オッケーラー👍





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