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眠れない夜にはみんなが知らないものが潜んでいる

例えば、学校に行きたくなくて8月31日の夜を過ごす君に向けて、この文章を書いています。10代の君に向けて書いている僕は、22才。君に比べたら少しだけ長生きしているね。けれど、そんな僕も世間から見たらまだまだ子どもです。きっと「#8月31日の夜に」なんてタグをわざわざ検索している人なんて、だいたい大人なんだろうと思いながらも、憂うつな8月31日を過ごす子どもが一人でも読んでくれたらいいなと思っています。

いじめだったり、親子の関係のことだったり、きらいな先生がいるとか、いろいろな理由で8月31日が嫌になっているから、こんな文章にたどり着いたんだと思います。まずは、少しだけこの文章を書いている僕の話をさせてください。

僕はなんだか、いろいろな所でなじめずに生きてきました。

例えば、小学四年生の時に友だちから無視されていた時は、お昼休みには図書室に通っていました。「なんとなく」学校に行きたくなかった中学三年生の時には、通学電車に乗って、岡山県から香川県に向かってうどんを食べたりしました。高校三年生の時にも、学校に行く意味なんてないなと思って学校をサボって映画館にいくこともありました。

親のこともあまり好きではなかった。最近仲良くなれた気がするんだけどね。友だちもそんなに多い方ではなかった。一つの学校に何人かいればいい方です。

学校は好きじゃなかったけれど、通ったりサボったりしていました。みんなが学校に行っている間に学校にいけなかったり、みんなが起きている昼間に行動できなくて夜中にこそこそと活動することもたくさんありました。(なんなら大学生になった今でもそんなことがあります)

きっと、この文章を読んでくれている君も、そんな感じだと思います。君がひとりで思い悩んでいる内容は僕にはわからない。けれど、真剣に悩んで、眠れない夜を過ごしたり、ご飯があまりおいしくなかったり、自分を傷つけるようなことをしたり、あるいは家出をしてみたり、いろいろな毎日を送っているんじゃないかと思います。

僕は学校をサボったり通ったり、友だちとケンカをしたり、ちょっとだけいじめられたり、親と険悪になったり、クラスに友だちがいないような状況を過ごしてきて、22才の今になって気がついたことがあります。

それは、君を(そして過去の僕を)、傷つけるような人や場所なんてたいしたものではないってことです。こういう風に言いかえることもできるかもしれません。君を傷つけるものなんかより、君の方がかけがいのないものです。まずは、その点を君に伝えたいです。

そして、憂うつな8月31日や眠れない夜を過ごしている君は、みんなが知らないものを闇夜の中から発見することができます。僕の場合は、すばらしい本や映画、音楽に出会うことができました。

そして、これを読んでいる君は、僕とは違ったものを発見できると思います。君が思い悩んで、みんなが寝静まったあとに、誰の目も気にしないでついつい手に取ってしまうもの。こんなタグを眺めるほど、ズタボロにどこかで傷ついて(あるいは傷つけてしまった)君の、目の前が真っ暗になる経験をした君が、それでも手をとってしまったもの。そういうものを大切にしてほしいです。

自分には何もなくて、なにもしたくないと思ってしまう君もいるでしょう。まずは、逃げてください。誰も君を傷つける権利なんてもっていません。逃げたら、ゆっくりと休むといいです。大切にしたいものなんて無理に探すものじゃないと思います。なによりも大切な君をまずは守るんために、そのために逃げてください。

嫌がっている君に、「それでも戦え」と言う大人もいるでしょう。そんな大人のことは無視してしまえばいいです。戦わなくたって、学校に行かなくたって、君は君だから。

眠れない夜を知っている君は、まわりの友だちよりも多くのことを知っています。それを具体的に「これ!」って言えなくたって、そんなものは君の後からついてきます。

夜に眠れないのなら、まずは夜に起きていればいいのです。そして、色々なことに興味を持つことができたら、自然と昼間に外に出て行くことになります(なぜって、お店だったり施設だったり、行ってみたいところができたとしても、それらはお昼にしか開いてなかったりするからです。残念ですが)。

いやなものからなんて逃げてしまいましょう。君を傷つけるものよりも、逃げることや逃げた先、あるいは8月31日に思い悩んだことが、君をより強く、そして何よりもやさしい人間にしてくれるはずです。9月1日が、学校の先生やお父さんお母さん、同級生なんかのためでなく、君のためのものでありますように。