140文字の世界から足を伸ばして フッ軽になりたい

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夕方5時にまた思い出した

淀川沿いにどこまでも続く御堂筋 春の色が密やかに芽吹いて 明日への希望などなくても前に進んでいる メトロの背中にまだ沈まない太陽 あなたがいなくなったこの街にも 平等に夜はやってくるみたいだ 平穏な日々などいらなかった 生きているという実感が あなたの隣にいられた時間 ただそれだけの事だった 断片的な偏愛の記憶 水に映すと鏡のように セピア色の刹那が表れる あなたといたあの部屋で 私は死んでしまったみたい 心を亡くしたことも無理やり 思い出にし

    • 記憶

      「惚れた私の負けでいいから、試合終了の笛だけは鳴らして」って全くその通りで、私はまたひとりあの人のことを考えて、夜の波に溺れては泣いて、またひとり、まぁひとりでいっかなんて強がっては、寂しさを嘘の好きで埋めてみたり等している。寄りかかった髪の様子や、零れる匂いや、隣に寝ている時の身長差を思い出してみても、私は結局いつも独りだ。本当に好きな人のための、踏み台でしかなかった。変わった味の飴でしかなかった。定番にはなれなかった。最後にはなれなかった。いつもの、には、なれなかった。好

      • 暴風警報 雨のち晴れ ?

        風が強い日は、遠回りして帰ろう。お気に入りのドラマで彼女が言った言葉だ。大学の帰り道、太陽の光を水面に受けてぱちぱち弾ける瀬田川が真珠みたいで、ふとその言葉を思い出す。天気が良い日はさらさらと、いろんなものがこぼれていくようで、なぜだか少し寂しくなる。空が青くて、温かな幸せが浮かんで、心の奥にのこる悲しみが、ずっとずっと吸い込まれることなく、ここに留まっているからかもしれない。風が強い日は、空気が澄んでいる気がする。それはきっと、昨日の夜の苦しさも、あの日の雨の匂いも、全部空

        • 手紙

          もう貴方を想ってはいません、と こう書き出せば貴方は迎えに来てくれるでしょうか その美しい羽を輝かせて 飛んできてくれるでしょうか 今、私の町では雨が降っています この雨が雪に変わる前に 私はこの手紙を書き終えるつもりです 滴る雫で最期の想ひが消えてしまわぬうちに 貴方はきっとあの春を 覚えてはいないでしょう 初めてその瞳を見た時から 私は思いを決めておりました 後悔しておりません 一瞬の煌めきでも私には眩しかった 大勢の中から一輪の花として私を見初め 咲くことを肯定してく

        夕方5時にまた思い出した

          はじめまして

          みなさん、はじめまして。湖国の大学に通う3回生の鮎鍋と申します。こんにちは。文章を書くのも読むのも好きなので、noteを始めてみることにしました。私は中学生の時からツイートばかりする所謂「ツイ廃」で、今も変わらず一日一ツイート生活を送っています。しかし最近コンプライアンスの面からなのか、私が何かツイートする度に「やれこれこれはああだ」「これこれは違うだろう」と各方面から様々なご指摘を頂くことが増え、いつも見てくれてありがとう!という気持ちが募って、募って、とうとうnoteを始

          はじめまして