真実

近所のバスロータリーの植木、いつもブロッコリー(切ったあと)みたいだなと思うので、おととい写真を撮りました。なんとなく。

行儀よく等間隔に突き刺さるブロッコリー

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午前の用事を終えて、スマホを見たりなんだりしながら遅めの昼食をとって、また部屋でだらんとしていた。
すぐ図書館へ行くつもりが、寒さが高い壁になって行手を阻む。暖房の効いた部屋にいるときが一番、寒さに怯えていると思う。

行きしに手袋を買って渋々、図書館まで15分自転車をこぎ雑誌「Locket」を読んだ。コーラ特集の号と、クマの彫像特集の号を。近々、編集者の内田洋介さんの話を聞ける機会があるので、手がけたものを見ておきたくて。

コーラ特集号巻末の、寺尾紗穂さんへのインタビューに目が留まった。
「主観的な真実のようなものを綴じる」を標榜する雑誌Locketの内田洋介さんが、「真実とはなにか」と問いかける。

真実と事実を分けるとするならば、真実は主観的なもので、人それぞれに真実がある。事実は客観的な事象。客観的な事実がそれぞれの真実に勝るものとする姿勢には違和感があります。

ひとを理解するには、その人なりの細かい真実を含めたうえで捉えるのがいいかなと思います。事実の検証も重要ではありますが、出来事がどんな意味を持ったのか、言葉がどのように響いたのかというような、そのひとの感情の物語。

そのひとが経験を通して感じたことに興味があった。言うなれば、その人の真実がわかればそれでよかった。人の数だけ真実はある。

寺尾紗穂

人の数だけ真実があるということに気づけたのは、21か22の頃。遅かったような気もするし、まだ間に合うとも。

誰かにとっての真実と、またある誰かにとっての真実が対立してしまったとき、どうしたらいいのだろうか。最近のできごとを頭の端に見え隠れさせながら考えていた。

答えは出ないままに、帰路に着く。寺尾紗穂「びゅうびゅう」を聴きながら。イヤホン越しにも、風が強く鳴っていた。

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