小さき人が眩しすぎて

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午前中、やるべきことを後回しにしつつ人の日記を読んでいたら、28歳にしてそれまで避けてきたピンク色を好きになったという人がいてこれは、と思った。同い年、私も苦手なピンク色。この歳になってそんな変化が起こることもあるのだな。その人は、ピンク色を選ぶ自分の行動に「抑え切れない乙女心がある」と表現していた。

色以外の部分でもいかにも女の子らしいものが好きな母と姉への反発心みたいなものと、元々の性格が相まってずっと、自分の中の女性性に嫌悪感を感じていた。
でもよくよく考えてみれば私にも変化の時期があったと思い出す。
幼稚園にも入ってないくらいの時期に、スカート姿を父や親戚に「かわいいね〜」と大げさにほめられたことにヘソを曲げて以降、履けと言われても泣き喚いて抵抗するほどにスカートは大嫌いだった。それがいつからか、私服でスカートを履くことに抵抗がなくなったあれは、「抑え切れない乙女心」の芽生えだったのかもしれない。なんだかんだ言ってもやっぱり、かわいいと言われたらにやけてしまうし、男か女かと言われれば大いに女寄りの生き物なのだと再確認した。

午後から病院と図書館へ歩きで向かう。
歩きのスピードだとふだん見えないものが見えるもので、線路沿いのフェンス越しに陽がチカチカとしてるのを感じて、ああ、今日は太陽が出ているんだと、それより前から気づいていたはずだけどそこで初めて気づいたような気分になる。

それと、いつもとは違ってやけに小学生が目についた。すれ違いざまの女の子の目があまりにも透き通ってキラキラしていて、目を背けたくなった。私がどんなに目元にキラキラのメイクをしてみたって、あの輝きには勝てない。学童保育で働いていたとき、「ああ、この子達はこれから何にだってなれるんだな、可能性の塊だな」と思ってちょっと複雑な気持ちになったあの感じを思い出していた。

図書館に入り、いつも通りカウンター前に「中高生用」「一般用」で分けて並べてある入館証を受け取る。係の人は、今日も曖昧に両方を手のひらで指しながら「こちらどうぞ」と言う。
迷わず一般用を案内してもらえる日はいつ来るだろうか。


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