寒風

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赤字にするの、そこまでなんだ。ふーん。

鳴り響く強風の音に慄きながらも、重い腰をあげて昨日も図書館へ。自転車がどうしても億劫だからとバスに乗りそこから15分歩くという、自分に甘いんだか厳しいんだかよくわからない手段で向かった。

バスといえば、中高生のころまでは体育会精神のようなものから降りるときにはハキハキとありがとうございますと言っていたのに、いつからかその習慣はなくなっていたなぁとふと思う。その古の習慣が最近になって、復活している。というよりも、させた。好きな人がそうしているからという単純な理由で。好きになる前と後での一番わかりやすい変化は、意外にもこれかもしれない。おかげで徳積みがはかどってきっと来世も人間に生まれてこれるだろう。南グァテマラのオオアリクイではなく。(cf.ブラッシュアップライフ)人間に生まれることは果たして幸か不幸か、気になるところだけれど、いまはおいておく。

図書館に隣接する公園を突っ切ると、枯れ葉が風に煽られ空高く、はやいスピードで回転しながら美しく舞っていた。春の桜とも、秋口の赤や黄の葉とも違う舞い方。季節の風が、たしかに目で確認できるかたちでそこにあった。
まもなく、目に何かが飛び込んでそれどころではなくなってしまったのだけれど。

「寒さ ピーク いつ」
バスに甘んじずにいられる日は、心にまで吹く寒風がやむ日はまだかと、指折り数える。あと二、三週間かそこら。長いようで過ぎてしまえばあっという間だ。
なんだってきっと、つらさの底はそう長くは続かない。

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