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令和6年度から第3期となる「データヘルス計画」の検討会がはじまりました!

9月12日「第1回 データヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する検討会」を傍聴しました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27788.html

データヘルス計画とは、医療保険者(健保組合、国保、後期高齢者広域連合等)が持つレセプト・健診情報等のデータの分析に基づいて、効率的・効果的な保健事業をPDCAサイクルで実施するための事業計画。この計画をもとに、保険者は加入者に対して保健事業の実施・評価・改善等を行うこととなリます。

この検討会は、令和6年度からスタートする第3期データヘルス計画の見直し係る検討を行うためのもので「国保・後期高齢者広域連合」を対象としており、最終的には、「データヘルス計画策定の手引き」の改訂版の検討・まとめとなるようです。第1回ということで、データヘルス計画の現状と課題から、事務局からピックアップされた4点の論点について委員の先生方から意見をいただくという内容でした。

4点をざっくりいうと

  1. データヘルス計画の策定・実施・評価する人材不足を、関係機関との連携により、どのように解消していけるか。

  2.  都道府県による市町村支援をどのように考えるか。「データヘルス計画の標準化」を含め、手引きでは具体的にどのような内容を示すことがよいか。

  3. 同時期に改正される特定健診特定保健指導制度における、保健指導のアウトカム評価の重視や「見える化」の推進などをどのように取り込むか。

  4.  現行の手引きに、追加すべき事項や更に記載を充実させるべき事項として、どのようなことが考えられるか。

「データヘルス計画の標準化」って何?

「保険者のデータヘルス計画の標準化等の取組を推進する」は、もともとは「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)【閣議決定】から。
研究調査事業はこちらのようです。

データヘルス計画に基づく保健事業の実態調査等事業
https://www.mhlw.go.jp/content/000929338.pdf

この調査事業では「データヘルス計画の標準化」の定義として、
都道府県において、当該都道府県内の市町村で
①データヘルス計画の様式・記載事項を揃えること
②共通の評価指標を用いることで実績を比較可能にすること
③効果的な保健事業(方法・体制)を抽出しパターン化すること
としています。

標準化によるメリットして、
都道府県は、市町村の現状を俯瞰することができることで
○支援すべきポイントを把握することができる。
○効果的な保健事業の知見の抽出や横展開を行うことが容易になる。
○共通の目標値を設定したことで、各市町の進捗等の差が明らかになる。
○市町村を比較することができ、各市町村の特徴を把握できる。
などが都道府県の現場から報告されています。

現場を持つ委員からも、
「中間報告では、ひな型があったことが助かった。共通指標がないと他の市町村と比較できない」
「自分(市町村)の立ち位置がわかる」
「単なる様式の統一化ではなく、共通指標に至る思考過程を統一していける」
などの発言がありました。

他にも
「県でもう標準化を進めているので、国からは統一基準として最低限のルールづくりとして、多様性を認めることが必要」
「都道府県の計画の元となる国全体のデータヘルス計画はあるのか」
「共通指標に対して事業戦略は市町村が深掘りしていく」
「標準化は枠組みで、地域資源など地域の特性を活かすことを考慮すべき」
「標準化すること自体が目的ではなく、標準化する目的を明確にする必要がある」
といった標準化における注意点を挙げられていました。

標準化することのメリットと注意点など、現場の声を取り入れた「手引き」の記載となりそうです。共通する評価指標はどのようになるのかは、気になるところ。具体的な部分として「共通指標はKDBシステムでとれるもの」をという発言もありました。

他の論点でも、さまざまな意見が出ていました(今回は長くなるので略)。まずは意見出しの段階となりましたが、委員の先生方は現場を持っている方も多く、現場の声が反映できるのではないかと感じました。

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