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先人の知恵と経験を纏めたのが手順書です

沖縄で墜落した自衛隊ヘリコプター の事故調査報告書の内容がリークされたようですが、其処に何故日本人が危機管理が下手なのか示唆する所見が有ります。報告書によると、最初に右側エンジンに「ロールバック」と呼ばれる故障が起きて停止した。此方は、稀だそうですが既知で既に対応されてる様です。

危機管理は右側エンジンの停止後です。右側のエンジンが故障した後50秒で左側のエンジンの出力が低下し始め、90秒後に墜落した。ところが、左側のエンジンには機械の異常は見つから無かった。ボイスレコーダーの記録が公表されて無いのが残念ですが、左側のエンジンが出力低下を始めるまでの50秒は、マニュアルを読んでる時間は無いでしょうが結構長い。自動車を運転する人なら運転中の50秒が何の位か感覚的に掴めるでしょう。

で有り勝ちなのが、現場の技術者に事務所の上司 (上官)が茶々を入れる、って習慣です。自衛隊でヘリコプターを操縦してる操縦士なら、2基のエンジンの内一基が故障すれば如何対応するか訓練で覚えてる。今回の報告書からは左側エンジンに痕跡を残さ無い様な故障が起きた可能性は排除出来ませんが、若し、機械トラブルで無ければ、パニクッタ上官が操縦士に意味不明な命令をした可能性が有る。此処で意味不明な命令を拒否せずに海中にダイブするのが日本人です。

東日本大震災による福島第一原子力発電所の原子炉融解でも同じ事が言われてました。冷却系統の故障で原子炉が過熱状態になった時、海水を注入して冷そうという現場の動きを事務方が止めたって話です。本当か否か知りませんが、有りそうな話です。

此危機に対する反応は、日本文化で全ての日本人に共通した習慣です。避難訓練中に試して見れば判る。例えば、避難訓練中に何かアクションをお願いすると上司の許可を確認しないと受付け無い。逆に、規定に沿って仕事を進め様とすると「マニュアル人間」と呼ばれて嫌われる。

若し、危機管理をもう少し上手くやりたいと思うのなら、此習慣に付いて少し考えても良いかと。


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