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「こころの家」を建て直している

自分のこころを家に例えると、私の「こころの家」は築45年ということになります。

私の「こころの家」
…どんな感じだろう、こんな感じかなあ

幼少期の頃、身を守るために作った小部屋がもう使われていなかったり、思春期の頃に増築したリビングはその幼さゆえに設計がヘンだったり…などなど、その時々の自分の必要に迫られて形を変え機能を変え、増改築を行き当たりばったりに45年も重ねてきた結果の「こころの家」が、今となっては複雑怪奇でいびつな間取りとなってあんまり居心地良くないかも…みたいなことって珍しくないと思うのですが、私の場合は今年とつぜん「あ、このままじゃもう無理だわ!一回ちゃんと建て直そ!」と限界を感じる機会がやってきました。

酒乱・DV・モラハラ・借金癖とどうしようもなかった父と11年前に絶縁したのですが、幼少期よりその父から受けた傷や、絶縁した後に背負った罪悪感によって私の「こころの家」には「現実逃避部屋」や「避難シェルター」、「緊急脱出出口」やそんなにいらないよというほど張り巡らされた「防犯セキュリティシステム」が出来たようでした。とっくにケリがつき風化しつつある話だと思っていたのに、それが私の今の家族関係や対人関係、ものの見方、思考のくせなどに偏った影響を与え続けていることに明確に気づかされたのが今年でした。

平和に暮らせている現在となっては不必要となったそれらの謎間取りのせいで、なんだかごちゃごちゃと風通しは悪いわ身動きが取りにくいわ陰鬱な気分になってくるわ…ということで、「ちょっと一回ゼロベースで考えよ!これからもっと幸せに暮らしていくために、リフォームっていうかいっそ建て直そ!」と決意したわけです。
「こころの家」をもっとシンプルで開放的で南向きの、今の自分にとってちゃんと居心地のいいおうちにしたい。

そういうわけで夏以降、七転八倒しながらこころに関する取り組みをたくさんしてきました。
カウンセリングを継続して受けたり、本を数十冊読んでみたり(愛着障害やパーソナリティ障害、共依存、トラウマケア、家族療法やアダルトチルドレンについて、認知行動療法、インナーチャイルドケア、依存症ケア、マインドフルネス…気になるテーマを片っ端から読みました)。毎日ジャーナリングをして、過去と現在の棚卸しをしたり。心と身体を整えるためにヨガをしたり。仕事しながら子育てしながら夜は泣きながら、なんだか怒涛の日々でした。

謎間取りはなぜ謎間取りになってしまったのか。
それらを紐解いていくとやっぱり自分にとって辛い歴史が出てくる。自分や母を守るためにできた謎間取り。今は必要なくても、その時は命がけで必要だったからがんばって築き上げた謎間取り。「この部屋はもう必要ないよね」と自分に言い聞かせたって、「本当にそうなのかなあ…念のためまだ残しておこうよ」という気持ちにもなってくる。

三森みささんのトラウマ療法・心理療法の漫画に出会って興味が湧いたということもあり、今はトラウマケアの得意な臨床心理士さんのところに通ってセラピーを受け始めたところです。戦争帰還兵や虐待サバイバーのトラウマ治療として有名なEMDRも近々受ける予定になっています。心理士さん曰く、やはり三森みささんの影響は大きく、問い合わせはかなり増えているとのこと。

植本一子さんの著書にもEMDRが登場しますね。


「病は市に出せ」
という言葉があります。
日本で最も自殺率の低い地域、徳島県の旧海部町(現海陽町)で古くから浸透してきた格言だそうです。悩みや心配事やうまくいっていないことは、一人で抱え込まないで気軽に口に出そう。口に出せば周りの人が助けてくれるよ。という意味合いであり風土なのだそうで、私はとても好きな言葉です。

人が抱える悩みや問題ごとって案外そんなにバリエーションなくて、自分がごちゃごちゃ悩んでるようなことはたいてい他の人も悩んでたりする。
だから気軽にシェアしてヒントをあげたりもらったりするのが風通しいいよねってことなんだろうな。

この日々を少し書き留めておきたいと感じたので、書いてみました。
私の「こころの家」の建て直しはまだ始まったばかりで、いまは現状の謎間取りの確認段階というところでしょうか。新しい家の設計図はまだまだこれからですが楽しみです。

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