金髪と私の心。
髪の毛を金髪にした。
個人的には、金髪という響きがあまり好きではない。なんかヤンキーっぽいから。あまり黄色っぽくしたくないので白に近いブロンドヘアと呼ばれる色にしてもらった。(でもブロンドヘアは長いので、結局金髪と呼ぶ。)
ブリーチをして、黄色にならないよう、白かベージュかよくわからないけれど、美容師さん的にはピンクを混ぜたという色を入れる。え?ピンク…?と思いつつ見ていると、塗っている最中はこれ大丈夫?写真見せた感じの可愛くてきれいなブロンドヘアになるの?と思うのに、出来上がった色は完璧なまでにそれで感動する。
やっぱり信頼している美容師さんの腕はたしかだと、さらに信頼を増し、よくわからない色をいれていてもこの人なら大丈夫、と安心する。
私は仕事柄、髪の毛を染める頻度が高い。
初めて髪の毛を染めたのは高校1年生の頃。
校則が何もない学校だったので、なんの疑問も持たずに原宿の美容室を予約して、当たり前のように髪の毛を染めたのが始まりだ。
それ以来かれこれ12年間、完全に髪の毛が地毛の色に戻った試しはない。
「髪の毛を染める」という行為は、私にとってごく自然なことであると同時に、特別なことである。不思議な感覚だ。その中でも、金髪、つまりブリーチは格段に特別な気分になる。
今までに何度かやったことがあるのに、ブリーチをする度に新しい自分に生まれ変わるような気分になるのだ。殻を破るような感覚といえば伝わるだろうか。
今回ブリーチをしたのは夏ぶりで、たった半年ぶりくらいなのだけれど、今回も例に漏れず特別な気分になっている。
金髪を纏うと、
なんだか強くなった気がするのだ。
「世間の目なんてどうでもいいわ♬
私は私の道を行く。」
とか言ってそうな映画のヒロインになった気分になる。(実際は、髪色関係なく私は私の道を行くのだけど)
会社で1番仲の良い人には、「仲が良いから何も思わないけれど、初対面だったら私みたいなタイプからは近寄りがたい人に見える」と言われた。しばらくリモートをして久々に出社した時、リモートで会議もしてなかった人たちは突然の金髪に目をまんまるくしていた。
「でも、そんなの気にしない♬」
心の中のヒロインが言う。
世の中には、「その歳で〜」とか、
「歳のわりに〜」とかいう人が沢山いる。
派手な髪色やファッションは、
いつだってそう言われる対象だ。
40歳にもなってミニスカート?
30歳後半で金髪?
でも、本当に心の底から、それらのどこに年齢が関係あるのだろう、と思う。
40歳にもなって自分の管理ができない人、なら言われるのもわかる。30歳後半で、まだ幼稚園児みたいな精神年齢の人がいることも稀にある。年齢と中身が伴っていない場合に、〜歳にもなって、と言われるのは仕方がないことだと思う。
ただ、見た目やファッションは個人の価値観であり文化であり、表現だ。似合う似合わないがあるのは事実で、そのあたりの研究ができていないと違和感を覚えられてしまうのかもしれないけれど。
だいすきな樹木希林さんの言葉がある。
この言葉を耳にした時、金髪と私の心境の繋がりがスッキリとわかるような気がした。
見たことのない自分に心躍らせる
他の誰でもない「私」を楽しむ。
そうだ。ブリーチをすることで、私はこれまで出会ってこなかった自分にワクワクして、金髪の「私」を楽しんでいるのだ。
そう思うと、髪色を変える以外にも私を強くさせて、心を躍らせてくれるような自分に出会いたくなる。
2023年もあと3日。
2024年は、どんな私を見つけられるか。
どんな私に、私自身が心躍るだろうか。
自分で自分の心を踊らせる瞬間を、
能動的につくれる年にできたら良い。
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