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アーティストの視点が少し分かる記事5選

マガジン「みんなのアートコラムまとめ」から、月ごとに投稿された記事をテーマに沿ってピックアップし、短い感想文を掲載しています。紹介ではなく感想なので、私の意見としてお読みください。
アーカイブ:2020.9 2020.10

11月のテーマは「アーティストが見ている世界」。

アーティストは作品を作る人ではなく、新しい見方ができる人だ、と言われることがあります。そんなアーティストが見ている景色とは?

「三人称単数点」を開催したクリエイター集団"HAT."。ゆるい連帯感でつながる、その関係性とは。|デジタルハリウッド大学

わたしたちは作品を作っている最中はそれと向き合い、二人称のように関わります。ですが、展示した瞬間からは「展示物」として、作り手にとって三人称の視点で関わる存在になっていくんですね。

デジタルハリウッド大学の学生を中心としたクリエイター集団「HAT.」による、展覧会「三人称単数点」にあたってのインタビュー記事。

私は旅行中にも音楽を聴いたりするんですが、場所によって印象が変わったり、新しい一面に気がつくことがあります。作家さんは制作中、作品ととても密接に関わっているので、よりこの違いに敏感になるのかもしれません。

なかなか展覧会ができなかった今年も、工夫して継続的に活動されていたというのが、本当に尊敬します。私は5月あたり本当にやる気が出なくてゴロゴロしていただけなので…笑

音楽を絵にする|kaoriさん

楽器を奏でることは夢だけど、不器用すぎてなかなかうまくいかない私は絵を描くことにした。

「音を映像化する」という表現が分かりづらい場合は、POPミュージックにおけるミュージックビデオを想像するといいかもしれません。あれは歌詞をイメージした物語調の動画なので、厳密には違うかもしれませんが、ジャズや古典音楽にも、物語や人間の気持ちが表現されています。

私の場合、音楽を聴くと曲ごとに異なる「色」を感じます。色、数字、モチーフなど、なにかしら耳から感じたもので曲を聴き分ける人も、じつはたくさんいるんじゃないでしょうか。

これをひとつの絵画に落とし込む、というのが、彼女にとっての音の感じ方なのでしょう。この作品を描いた時に聴いていた音楽がいったいどんな音色を奏でていたのか、興味が湧きました。

いつもと同じだから見えてくること|かねきのぶひろさん

夕焼けの中でアレコレしていると日が沈みどんどん暗くなって行くのだけれど、いつもそこに居るとその中にある微かな色合いの変化にも気づくようになります。

この記事では、活動を続けていく中での心の変化が、ロックバランシング作品の美しい写真と共につづられています。石を積むことだけで終わらず、写真を撮るところまでを制作として捉えなおす。逆光の視点が、ひとつひとつの石たちが流れ着いた物語をも表しているかのようです。

ずっと同じ作風のものしか作らないアーティストとはそういないもので、何かしらのきっかけがあると、がらりと印象を変えることもあります。同じ作業をし続けることも、心の変化のトリガーになるのでしょう。

アート作品はコミュニケーションの道具であり、アーティストの繊細な心を映す鏡。ひょっとしたら、言葉よりも素直な表現なのかも。

海を描きたい気持ち、デザフェスvol52と友人|MATSUKOさん

デザフェスが終わると、絵は取り壊される。
泡となって消えた人魚の心と共に
この絵もあらがわずに消えていく。

私はデザフェスでよくボランティアをしているので、イベントが終わったあとも少し会場内に残っています。

それでも、ライブペイントが施された壁たちが壊される様子は見たことがありません。出展者さんがこれを見ることはあるのでしょうか。

知らないからこそ、より儚さを感じるというか。MATSUKOさんたちの作品テーマと、アーティスト本人も感じるであろう儚い気持ちがリンクしていて、とても素敵だなと思うのです。

スケッチブック整理、作品のファイリング。|イズミタ・マサヒコさん

大学の頃、外でスケッチしていた頃の作品が多く、膨大にある。
こうしたものが、積み重なり、今のペン画につながっているのだなと、感じた。

作品が捨てられない気持ち、少し分かる気がします。ほとんど見返さないんだけど、イズミタさんのように片付けの時などに懐かしくなって、またしまい込むという…。

そうして溜め込んだ過去の産物は、ただの過去のものではなく、今に繋がる過去、なんですね。そう思うと、ますます愛着が湧いてしまうかも。

有名人の個展などに行くと、そうした学生時代の作品などが展示されていることもあります。それらもきっと一度は捨てるか迷ったものかもしれないと思うと、ますますありがたみが増したりして。

アーティストが見ている世界」の記事に興味を持った方は、10月以前にも素敵な記事を追加していますので、併せてご覧ください。

高校生からDMが来た。
油絵「ブルーベルと小鳥」ができるまで|芸術 絵画
存在と身体。

他にも美術鑑賞やアーティストの記事など、アートにまつわるさまざまな記事を、下のマガジンに集めています。

11月もたくさんのアート記事を読ませていただきありがとうございました。

読者のみなさんへ

さてマガジンを始めて3ヶ月になり、日々さまざまな立場の方のアート記事を読むようになりました。感想記事3ヶ月分だけでも、鑑賞者、アートに関わる仕事をする人、アーティストと、アートを取り巻く3つの視点から考えを深めることができています。

そうした中で、アートファン、アーティスト、キュレーターなどアートとの付き合い方が違う人たちが集まってアートについて考えたら、ひとりでは気づくことのない新たな視点を見つけられるのでは?と思うようになりました。

先日投稿した下のつぶやきは、そういう気持ちから書いたものです。

オンラインで、前半30分くらいはそれぞれの美術遍歴などを話す交流会、後半1時間くらいはアートについてのディスカッション、といった感じを想定しています。

個人的に卒論があるので、やるとしたら1月以降になるのですが。興味を持っていただけましたら、ぜひ心に留めておいてください。

まだ詳しいことは確定していないんですが「イベント内でこういうことをしてみたい」といったご意見、早めに知っておきたい点のご質問などは、コメントやDMでお答えします。

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