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ep.21 ほろ酔いの道 片手にコンビニコーヒー

お皿を洗うとき、ラジオを聴いている。ここ数日のブームは『銀シャリのおトぎばなし』。アフリカで、地元の休日みたいな過ごし方をしてしまった鰻の話と、それに茶々いれ続ける橋本が、わたしの家事をちゃきちゃき捗らせてくれています。

鰻が話しながら「そんでな橋本」って、相方の名前を挟むのがいい。その一瞬、小学校の教室で聞こえる会話みたいでかわいく思う。

こんばんは。たまです。平日の真ん中にあった祝日、ゆっくりできましたか。わたしは、この棚ぼた感のおかげで、ごきげんに過ごせて満足です。


ここは、小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。水曜日は「生活の日記」と「今夜の1曲」をお送りします。


生活の日記

飲み会のあった夜は、なかなか寝付けない。そして早く寝ることをもはや諦めている。

なんなら一滴もお酒を飲んでいなくとも、「飲み会」という場にいただけで脳が覚醒してしまうのだ。そして帰り道、どうしてもホットコーヒーを飲みたくなるのもおおいに貢献している。無性においしいんだよねえ、飲んだあとのコンビニコーヒー。

120円で買ったコーヒー片手に、気だるい身体と冴えてしまった頭。きょう変なこと言わなかったかな大丈夫かな、とか、あのときああ返すのが正解だったかも、とか。ぐるぐる反省会をしてしまう自分の癖にひととおり付き合いながら、その日の会話を反芻している。

一年半いっしょに働いた上司が昇進とともに異動。今夜は課の送別会だった。おめでたいことなのにさみしい。ずっと気にかけてくれる、姉のような母のような方だった。

ビールを飲みながら、さみしいさみしいとばかりわたしが口にしていたら、「異動はさみしいけど、昇進していくのはイヤな顔せず受け取っていきたいよ」と言う。
「たのしみたい、っていう意味ですか」と尋ねると「こんな道もありかもな、ってみんなみたいな後輩たちに思わせれる人になれればいいなって、思うからさ」とぽつりと返ってくる。

ああ、そうだった、こうして救われてきた。こんなふうに他人に向けてくれる明るさに。

仕事中は、影を落とさないパァーッと光る天井灯のよう。悩みを話した日は、ぽっと照らしてくれるキャンドルみたいなあたたかさで。

別れがさみしいと思えるひとに、大人になったのに出会えるなんて、しみじみありがたいと思う。

ぐるぐるひと通り、居酒屋でのできごとを思い出し終わっても、まだあくびすら出てこない。こないだ買った文庫本の続きでもすこし読んで、ちょっとぼんやりしよう。きっとそうしてるうちに、疲れてねむくなってくるはずだ。そうしてるうちに、このふわふわしたさみしさが、ちゃんと自分のものに取り込まれてくれるはず。


今夜の1曲

TENDRESELFを。

この歌を聴くと、やさぐれる気持ちや擦れてしまった心持ちさえも、だいじょうぶだぞって、まるっとハグしてもらえた気がする。それはメロウな歌声からなのか、許されるような詩からなのか。それとも、おだやか、という言葉がいちばん似合う人が教えてくれた歌だからなのか。

素直なまんまで日々を歩んでいきたい、そう思います。


年度末のピークの週をどうにかこうにかサバイブしています。踏ん張れ、わたし。乗り切ろう、みんな。

今日も今日とておつかれさまでした。あなたも、わたしも。


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