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安心させる伝え方 〜機長と科学者〜

いい本を読んだ。
"心配学"という本だ。

なぜ人が、実際の確率以上に何かを心配してしまうのかというテーマだ。
テーマももちろん面白かったのだが、ある場面を想定した説明が、個人的には気に入った。

科学者が、どのようにして一般人にリスクを説明するかという話だ。
科学者が考えるのが、いかに誤解を生まないような表現で、物事を正確に伝えるかということだ。科学者である筆者が、その心境や意図を説明してる。
これはその通りだと思った。
面白かったのが、次である。

飛行機の機長のリスクへの説明は、次のようである、というのである。

"当機は気流が悪いところを通りまして、多少揺れることがありますが、安全には全く支障がありませんので、ご安心ください。"

なるほど。確かにそうだろう。
なんとなく聞いたことがある。

ここで筆者はこう説明する。
科学者であれば、次のような言い方をするだろう、と。

"当機は気流が悪いところを通りまして、多少揺れることがあります。飛行に影響はありますが、その影響は極めて限定的で無視してよいくらい小さいものです。"

だという。
少し笑ってしまう。確かに全く支障がないなんてことはなく、気流の悪いところの方が危険は高まるわけで、こういう表現のほうが正確なのだろう。

しかし面白いのは、ここで筆者が"機長が非科学的だ"と批判したいわけではない、ということである。
時には、思い切った発言により、人々を安心させられる例があるという主張だ。

何が正解なのか分からないが、考えさせられるテーマだと思った。
もちろん事実を伝えるのは前提だが、どう伝えるかで安心感が変わってくる。

アナウンスもパイロットの大切な仕事だと聞く。
気は早いが、自分からどうやって安心感を与えられるのか考えてみたい。

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11月18日(水)
○熱海でゆったりできた(3日目)
○営業の仕事のタスク進められた!
○ランニングできた
●かなり食べ過ぎました。。明日はダイエット
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では、また。

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