住むように暮らす旅 - メルボルン編
その土地に住んでいるように日々暮らす、そんな旅が好きだ。
コロナ前は、2週間から1か月仕事の休みを取り、海外のキッチン付きのサービスアパートメントもしくはエアビーで見つけた物件に住むのが、わたしの旅のスタイルだった。
外に出るのも億劫になる、凍えるような日本の真冬の2月
わたしは水着やビーチサンダルを意気揚々と大きめのトランクにつめる。
行きの荷物はトランクの半面にできるだけ少なく、帰りはワインや食材をトランクの両面いっぱいに持ち帰ってくる。
テニスの全豪オープンが2月上旬で終わり、街からお祭りムードが去ったころ、わたしは極寒の日本から豪州はメルボルンに旅立つ。
ひたすら町を歩き、よさそうなカフェを見つけ、市場でその土地の野菜や肉、魚を購入し、キッチンで調理して食べる。
わたしがその土地で必ず訪れるのは、市場。
そこで仕事をする人達、収穫した野菜や果物を持ってくる農家さん、買いに来る地元の人、そこに並ぶ作物、市場の空気感それ自体が、その土地の魅力であり、活力の源であると思うから。市場に行ってみることが、その土地を知る一番の近道だと思っている。
メルボルンには大きなマーケットが市内に3-4つある。どれも設備は新しく、衛生的で、生魚や生肉の臭いがプンプンするアジアの市場とは全く異なる。そして、誰もプラスチックバッグは使わない。エコバッグは必須。
お米もお野菜もお肉もお魚もチーズもほとんど量り売りなので、食べる分だけ購入して使い切って帰国できる。
よく冷えたピノグリとバゲット、チーズ、オリーブなどのつまみを買って、近くの公園でピクニックするのも大好き。余談だけれど、美術館で知り会った知らない人と後日ピクニックしたことも。笑
ビーツを丸ごとオーブンに放り込み(焼き芋の要領で)、それにたっぷりのサワークリームをつけて食べるのも大好き!
オーストラリアの太陽をたっぷり浴びて育った野菜は味の濃さが全然違う。無農薬で栽培されたオーガニックの農作物も多くて、軽くグリルして、塩胡椒、オリーブオイルだけでもう美味しい。
あとは、現地に住む友人を捕まえ、街中に点在するテニスコートでテニスをする。日本と違って、外国人であろうがその街に住んでいないビジターであろうがネットで簡単にコートの予約が取れ、クレジットカードで支払い可能なのがうれしい。
誰も捕まらないときは、一人でお気に入りのビーチにトラムに乗って出かけたり、美術館に行ったり、カフェ巡りをしたり、アプリで習い事(個人が主催する料理教室)に参加したり、現地のワイナリーツアーなどに申し込む。
真冬の日本にこんがり焼けて帰りたいので、隙あらばビーチに繰り出す。
トラムで都心から15-20分で白浜の美しいビーチに行くことができるのもメルボルンの魅力。しかも、都心の一定区間のトラムは無料で、観光客にとても優しい。ビーチでたくさん水を飲んで、日焼け止めクリームをこまめに塗り、たくさん読書をして一日が過ぎていく。
そうこうしているうちに、あっという間に帰国を迎えてしまう。
そんな住むように暮らす旅のスタイルで、知り合いや第二の故郷を世界中に増やしている。
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