見出し画像

カミュ『シーシュポスの神話』を読んだ


以下引用

存在することに付随する習慣(数多の面倒事)への疑問が浮かび、倦怠が沸き起こり、頭を占める不快な持続。そのはじまりが迎える最期は自殺にも自己再建にもなり得る。どちらにせよ、精神に潜む悪い虫が、内部に少しずつ穴を穿っていき、一度は大部分失わねばならない。

世界も自己も、起こった一つ一つの事象を描き出すことはできる。しかしその相貌の総和を掴むことは叶わない。理性で割り切れない世界と、人が渇望する明晰性が相対する状態が不条理と言える。人間関係において、憎悪が人を密着させるのと近い。

この息がつまるような空の下で生きることは、そこから出てゆくか、そこにとどまるか、そのどちらかを要求する

重要なことは病から癒えることではなく病みつつ生きることだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?