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私の軌跡

私は大切なものを失いすぎた

抱えきれない、受け止めきれないほど辛い現実が、立て続けに突きつけられるものだから、立ち直れそうもないくらい心が疲弊しきってしまった

私はこの事をいろんな人に相談して、話して、その度に今度飲み行こうだとかカラオケに行こうだとか今度ライブ配信するから来てねとか
色んな約束をした

私も、ある女の子と約束をしていた
「また一緒に飲みに行こうね。女子会しようね。」って
でも、その約束は永遠に叶わないものになってしまって、果たされぬ約束を胸に私は毎日泣いた。

またいつか会えると思った約束も、果たされないまま未完に終わることだってある
その約束が果たされる時まで、生きてる保証なんてどこにも無いんだ
だから私は約束事をするのが嫌いだ
それでも、優しいみんなは私に約束をしてくれた

私はある人に言った



「生きることに執着なんかしてない
楽に死ねる方法があるなら、今すぐにでも死にたい」


その人はこう言った


「あなたが今、居なくなってしまった人達のことを思って、泣いて、苦しんでいるのと同じように、あなたが居なくなったら残された人達はあなたと同じ苦しみや悲しみを味わうことになることを忘れないで」


その通りだと思った
こんな私でさえ気遣い、思いやって優しい言葉を掛けてくれる人達が居ることを、忘れてはいけないと






分かってる



分かってるけど

私はそれを耐えられるほど強くない
たくさんの人に手を差し伸べてもらっても、引っ張りあげてもらえるまで保っていられる自信が無い
立ち直るビジョンが見えない

きっと彼女も、そんな気持ちだったのかもしれない



彼女と私が違うことは百も承知だ
それでも、今こうして傷付き、立ち直れそうもない私はどこか彼女と似ている部分があるのかもしれない


そんな私と似た彼女が先月、ある場所に訪れている
私はそこで、彼女の軌跡に触れて彼女が何を思い、何を感じたのか少しでも知りたい
その思いで、私は車を走らせた








そして私は、今その場に立っている

気のせいか、なんとなく彼女の気配がした気がする



「ありがとう」


私はそう呟いて、その場を後にした

さて、そろそろ帰ろう
彼女から、また大切なものをもらった気がした
私から彼女に、何か与えられた試しが無いのに、私は彼女からたくさんのものをもらった




いつかちゃんと返しに行くから、待っててね
約束嫌いな私の、最後の約束

今まで、本当にありがとう
さようなら





2019年7月7日

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