古河、生活、瞬きをする間に
茨城県と言ったら、一体何を思い浮かべますか。
たぶんだいたいが水戸黄門とか納豆とかなんだと思う。ひたち海浜公園な人もいると思う。
ちなみにいつだかサービスエリアでみつけたご当地特産品キ◯ィちゃんキーホルダーでは、山梨がぶどうだったり栃木がいちごだったりする中、茨城はヤンキーだったけど大丈夫そ?
それはさておいて、茨城県と聞いて"古河"が出てくる人はなかなかいないと思う。
こと言う僕もある一件を目の当たりにするまでは古河の古の字も知らなかった。初めて目にした時はぜんぜんめちゃくちゃ「ふるかわ?」って読んでた。
地名って初見殺しだよね。
古河を知ったある一件というのが、LOSTAGEというバンドが開催していた『生活』というイベント。
どのくらい歴史があるのかはわからないけど、初めて遊びに行ったのが2017年の生活。古河スペースUという公民館みたいなところでやってた。
台風が迫る中、何かの選挙の期日前投票の会場でもあり、色々な様々がごった返していてなんだかとっても"生活"感があったのを覚えている。
ほんとうに生活の中に音楽があるような人たちの集まりだったな。
今LOSTAGEは文字通り全国を回るツアーをおこなっていて、茨城県の会場が古河市ということだった。
約一年前にツアーの内容が発表されたときに"古河"という文字を見て小躍りしたのが記憶に新しい。その前日が甲府ということも嬉しかった。
そしてその古河公演の対バンがTYTWということで、こりゃ行くっきゃないと速やかにチケットを手配し、圏央道を安全運転で3時間ブッ飛ばしたわけです。
TYTWのマツヌマ氏が前にやっていたバンドが、2017年の生活に出演していて(僕は友人の結婚式で観れていない)、今回その縁もあって対バンとのことらしい。
前日の甲府ももちろん行ったので、はからず2日連チャンでLOSTAGEを観られることに。最高。
前回古河に行った時はスペースUに直行し、翌日友人の結婚式に出席するために爆速で会場を後にしたので、スペースU=古河という猫の額どころじゃない狭すぎる認識。
今回は古河のお休み処坂長という場所で、どうやら比較的まちなかの会場みたいなのでちょっとだけ徘徊してみた。
都会から離れたまちに来ると、ここで生活したらどんな感じかを想像しながら散歩をするのが好き。ちょっとだけ生活できる制度とか欲しい。まじで。
会場は名前から想像していたけど、まったくやはりライブハウスの様相を呈していないわけで。
文化財なんじゃないかというくらい素敵な建物で、その敷地内の石蔵がライブ会場。
リハーサルの音が漏れるどころか「え?壁ある?」レベルで笑っちゃった。
この場所をライブで使うにあたっては結構苦労したんじゃないかな〜なんて考えていたら、ライブのMCで地元の音響会社が近隣の方々に挨拶回りをして理解を求めていたと聞いてジーンときた。生活っぽい。
そんな施設ということもあってライブの終演時間がかなりシビアだったからTYTWは4曲だけ。
でもすごくかっこよかった。やっぱり音のベクトルが陽に傾いている、そんな感じ。
新体制での新譜がめちゃくちゃよい。新録のBoys in Blueも好き。古い方は古い方でめっちゃ良い。
the band apartも対バンで、前に見た時はベースの原さんのMCが面白かったから期待していたけど結局ひと言も発しなかった。
LOSTAGEは言わずもがな。あの雰囲気なんなんだろう。たまらなくかっこいいのだ。なにを今更でしかないのだけど。
実を言うとLOSTAGEはめちゃくちゃかっこいいと思っていたけど、好きと言っていいのかちょっと躊躇するくらいの微妙に絶妙な距離感をずっと漂っていた。
その認識もこの2日間で一気に覆った。シビれるくらいライブかっこいいし、でも熱を押し付けてこない。適切な距離感といったらいいのか?
あのライブで好きにならんやつおるんか?って感じ。
特に瞬きをする間にという曲。イントロのドラムもギターのリフも歌も展開も、自然と涙が溢れそうになる。なぜかずっと懐かしい曲。
2日連続で堪能できたのはマジで贅沢でしかない。
冗談抜きで、あの2日以降僕の音楽に向き合う意識が変わった。ずっと音楽できたらいいね。
また生活にも行きたいし、なんなら古河で開催して欲しい。
LOSTAGEもTYTWもそう遠くない未来に甲府でライブが観れたらいいな。
僕もまた会いにいきます。
それでは、また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?