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大将からの贈り物:老舗ラーメン店での意外な出会い

(この記事タイトルは、ChatGPT-3.5 との共作です。)

 私は、もうここ2年ぐらい、趣味の一つとしてラーメンの食べ歩きをしている。仕事は、外勤がほとんどないので、なかなか外食の機会もないのだが、本社に行くついでとかで外に出る機会があれば、必ずと言っていいくらいお昼はラーメン屋に行くようにしているし、イベント業務などで、ほぼ毎日外に出られる時期があれば、それは、軒数を稼ぐポイントになっている。

 ということで、我が社付近、実家付近、自宅付近で、のべ80軒ぐらい行ったのだが、どの店もそれぞれに全部味が違って面白い。

 そんな中、今回は、とあるラーメン屋での出来事のお話……。

 

 私が、ラーメンを食べ終わったあと、周りを見渡しながら少しゆっくりしたあとに会計したからだろうか、大将から話しかけられる。
「何か気になることがありましたか?」

 いろいろキョロキョロしていたので、怪しい人物と思われたのだろうか。ここは古いお店で、そんな雰囲気も好きだったのだが、実は、この店は、いつ行ってもお休みで、3回目にしてやっと開いていて入れた話をしたり、最近の食べ歩き事情などを話したりして、私のラーメン愛が伝わったのかもしれない。その後、今度は、大将自らがラーメンに対する熱い想いを語り始めてくれたのだ。

 

 ――コロナ禍において、一時的にお店を閉めている間に、豚の餌の種類が変わってしまった。従来のいわゆる残飯のような自然のものから、化成的な飼料になり、豚の成長のスピードが早くなった。その結果、以前は成長しきった大人の豚だったのが、今は、同じ大きさの子豚で出荷されてしまう。子豚は、大人と違って、骨からのダシや油分がだいぶ少ない。骨がスカスカ。若い豚なので、旨味は増えたのかもしれないが……骨の処理の方法も変わって、ラードを別に追加しないと、全然油分が足りない。

 最近は、味が濃いラーメン屋も増えたけど、子どもたち世代が、ああいう臭くて濃いラーメンを食べて、こういうのが「ラーメンだ」と思ってほしくない。スープをすすった時に、鼻に抜けるシンプルな豚の味と香りが感じられるのが理想だ。

 以前、ロイヤルの社長が食べに来たとき、「大将、この味をどれくらいの人が分かるか?」と聞かれたことがある。外食産業は、結局、味を濃くしないと売れない。ケチャップ、マヨネーズ、ソースを大量に入れるのがよく売れる、と。

 うちにレンゲを置いていないのは、どんぶりを直接手に持ってスープをすすることで旨味が増すから。これは、学会でもそのような報告がなされている。レンゲの厚さよりもどんぶりの厚さの方が口に旨味が残る、と。なので、うちがレンゲを出すのは、どんぶりを持つのが困難な場合で、女性とか、あとは、大盛りを頼んだときの大きめのどんぶりの場合のみ。

 最近は、豚骨ラーメンと言いながらも、実は醤油豚骨というのが増えた。醤油を入れれば、うまくなるのは当たり前。うちのも少しは入っているが、味付け程度。そのままの豚骨の旨みを分かってほしい――。

 

 そう言ったかと思うと、寸胴からスープをすくっては、空のどんぶりに味見程度に注いで、
「これが、うちの自慢のスープ。」
と言うと、私に飲んでみてと言わんばかりにどんぶりを突き出してくる。

 見ると……透き通ったスープ。味見するが、塩コショウや醤油などで味付けする前のスープで、脂分も加えられていない、素の豚骨ダシで、まるで水炊きのスープを彷彿とさせるような、臭みのない豚のスープだった。

 大将は続ける。
「次、また来るなら、次は塩豚骨を勧める。あとは牛骨塩豚骨もおいしい。」
とのことだった。

 私は、別にラーメン屋さんを始めたいと相談した訳でもなく、単なる食べ歩きをしていると話した程度なのだが、それでも、ここまで話をしてくれたことに驚いた。

 

 ラーメンにかける想いというのは、やはり、作る側、食べる側を含めて人それぞれだと思うし、どのお店も、それぞれそれなりのポリシーがあってやっていると思う。それに、商売をやっていくためには、利益を出さないといけないし、そのためには、どうしても客が求める味にならざるを得ないところもあるだろう。また、一見さんばかりで成り立つようなお店もあれば、常連さんがきてくれないと成り立たないお店もあるだろう。

 ここの大将は、毎日食べても飽きないラーメンを目指しているということで、「旨味濃いめラーメンが邪道だ」とか、「一発目だけがガツンとうまくても、コンビニ弁当や外食と同じですぐに飽きる」というところは、まあそのとおりだとは思う。旨味調味料に頼れば、うまいのは当たり前だろうし(笑)。

 ただ、食べる側の身としては、その日の気分で、いろんな選択肢があるとうれしいのも事実。気分によっては、あっさりとしたのが食べたい日もあれば、ガツンと濃いものが食べたい日もある。

 私は、別に、この大将と議論するつもりもなかったので、特段意見は言わなかったのだが、昔ながらの味を守って、強いポリシーを持っていることは非常に好感が持てた。大将は、足が悪いとも言っていたし、あと数年で食べられなくなる味かもしれない。早めに再度訪れたい。

 ちなみに、このお店で食べたラーメンの感想だが……非常にあっさりとしたスープにもかかわらず、塩分のバランスがよく、物足りなさは感じられなかった。また、コショウもよく効いていて、昔ながらのシンプルな味付けと言えるだろう。要は、素材の味で勝負という感じで、昔ながらのラーメンの味を守っている印象を受けた。

 最後に、おまけとして、最近読んで面白かったラーメン屋に関する読み物を紹介する。

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