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「ブルターニュの光と風」展で、自分の目が節穴だと気付かされた。館内では爽やかな風が吹いていて屋外に出ると強風が吹いていた。

2023年、4月某日。フランスのブルターニュ地方にあるカンペール美術館所蔵作品を多数集めた展覧会ということで、新宿のSOMPO美術館へ行ってきました!
国立西洋美術館で開催されている「情景の地ブルターニュ」展もあって、両方行ってみたいと気になっていたのですよね。

でも、ブルターニュってフランスのどこ?

図録より

ブルターニュって地中海寄りの地域なのですねぇ。
多くの画家たちが自然と伝統文化残る場所として魅力的を感じていた場所だったそうですね。作品リストと供に関連地図も頂いてきました。

地図の裏側はフロアマップ


アルフレッド・ギユ 《さらば!》

この作品、メインビジュアルにもなっていますが、大きいサイズの作品でした。私はこのドラマチックな絵がどういうシチュエーションか?ということに見事に騙されていまして。チラシで見て、男女の口づけだと思っていたのですよねぇ。恋人2人は船での旅行中に遭難し、男だけが助かりそうで、女との最期の別れの一瞬・・・みたいなね。違ってたー、父と息子の絵だったー。色んな意味で切ない。
でも、良いのですよ。多分。鑑賞の仕方はきっと自由だから。勘違いも良しとしてくださいませ。にしても、波、海の描き方すごい。


ポール・セリュジエ《さようなら、ゴーギャン》

直前にゴーガンの本を読んでいたのですよ。彼の作品と人生について書かれた、アートビギナーズ向けの本を。この「さようなら、ゴーギャン」という作品はタヒチに向かうゴーギャンと見送る作者を描いているというではありませんか!しかも、ゴーガンが亡くなってから描かれたと。オマージュ作品って知ると画風が好きかどうかとか関係なしで心に刺さるー。
師匠であるゴーガンとは違う道を行くという決意を、絵を描くことでセリュジエが表現したということですが。この師弟関係というか人間関係ステキ♡画家っていいなぁ。

フェルディナン・ロワイアン・ピュイゴドー 《藁ぶき屋根の家のある風景》

日本では有名ではないようですが、温かい作品だなと思って。光の温かさ。おうちもカワイイのですが、煙突からの煙もなんかカワイイ。そしたらやったー!この絵は図録の表紙になっていました♡

ジャン=ジュリアン・ルモルダン《逆風》 図録より

この作品もサイズが大きくて迫力あり。風を感じる作品です。《逆風》というタイトルで、風に逆らって海岸を歩く人々は皆険しい表情に見えました。濡れた砂浜が反射している描写が好きです。ブルターニュの伝統的な衣装の白い頭の飾りやピンクの服の色が映えています。

ピエール・ド・ブレ《コンカルノーの港》

ピエール・ド・ブレ もちろん!今回初めて知った画家ですが、働く人を描いてるところ好きです。厚塗りです。連作でもう一作品ありますが、好きな方を載せてみました。

展示の最後の部屋には、お待ちかね、ゴッホのひまわりが鑑賞できましたよ。作品は特別ケースのようなところに入っていて、厳重でした。ゴーガンの《アリスカンの並木路、アルル》も同じ展示室でみれました。
ゴッホとゴーガンの関係は有名ですが、私は最近ゴーガンの本を読んでようやく頭に入りました。ゴッホもゴーガンもつくづくづく・・・波瀾万丈ですよねぇ。大きな枠で考えると人間誰でも激動の人生を送っているのでしょうけれど。それを表立って表現したり、エピソードとして語られる人は限られていますものね。

展覧会全体を通して、館内の白い壁が作品を後押ししているかのように、爽やかな風が吹いているように感じました。
しかし、私の目は節穴。作品を読み取るチカラがないことが露呈。作品をみるチカラが足りないなと。そして、そんな私を笑うかのように、館外に出ると強風が吹いていて。未熟な私を笑い飛ばすかのように、それとも私の落ち度を風と共に吹き飛ばしてくれるかのように、ただ風がゴーゴーと吹いていて。


展示室を移動する階段にありました


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