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2019年8月の記事一覧
【アカシック・カフェ 3.5】ゆるり香れり、赤羽の鶴。
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午後三時。お客のいなくなった店内には、常連女子高生三人組だけだ。
バックヤードで洗い物を片付け終わったところで、ハヅホがいかにも「やらかした」雰囲気で呻いた。大人びた彼女のこういう「失敗」は珍しいな。
「永愛ちゃん、ヘアゴムとかシュシュある?」
「あ、ごめんごめん。ちょっと持ってくるね」
「私の使いなよ、ハヅ」
なるほど、厨房に入るには髪を纏めるべき、と