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フリーランスを始める人へ「地域おこし協力隊」をおすすめする理由

今回は、「地域おこし協力隊」について思うことを書きます。私が知り得たの情報をもとに記事を書いていきますので、内容に間違いがある場合はコメントでご指摘いただけたら幸いです。

【結論】
「フリーランスを始める人と地域おこし協力隊は相性が良い」と考えます。

以下に詳しく解説しますので、興味ある方はお付き合いください。


1 「地域おこし協力隊」とは

総務省HPを確認したところ、「地域おこし協力隊」とは以下のような内容です。(要約するとこんな感じです⬇)

  • 対象となる地域に住民票を移す(←必須)

  • 任期はおおむね1〜3年

  • 地域ブランドや地場産品の開発をする。

  • 活動を通して地域への定住、定着を図る。

  • 具体的な活動内容や条件、待遇等は各自治体による。

  • 隊員は令和4年度時点で6,447人

「地域おこし協力隊」の導入により以下のような「三方よし」の仕組みが期待される制度です。

【地域】
「地域おこし協力隊」の斬新な視点や熱意と行動が地域に加わることで刺激を補うことができる。

【地方公共団体】
「地域おこし協力隊」が地域と行政の間に入って柔軟に動くことで、「かゆいところに手が届く」的な存在として重宝される。

【地域おこし協力隊】
働き方に自由度があり、地域や地方公共団体が求めるものをクリアすれば、それ以外の時間は自分で自由に使える。

総務省HPより抜粋

2 地域、地方公共団体(行政)の心情

「地域おこし協力隊」について、もう少し踏み込んでみます。
現在の日本は、いろんな問題が山積みです。
(例えば以下のような問題など)

  • 人口減少

  • 少子高齢化

  • 核家族化

  • 1人暮らしの高齢者数の増加

  • 空き家の増加

  • 物価高騰    などなど

集落が消滅していまう地域が出てきていますし、これからそうなる地域が多くあります。特に過疎地域などはこれらの問題による生活への影響が顕著になっていて、切実な問題です。

一方で、例えば群馬県川場村のように年間180万人が訪れる地域もあります。

このような事例を見ると、

  • これは良い成功事例だ!

  • うちの町も何かできるんじゃないか?

  • 何もないけど、自然ならたくさんある!

という感じで、成功事例から勇気をもらえる地域や行政がたくさんいると思います。

勇気をもらって行動に移し、「現地視察」に行くことも考えるかもしれません。でも、結果的に自分の地域に当てはめることが出来ない…。現地視察は「観光旅行」になって…思い出になって…保留…。
それが現実です。
これにより、成功事例は成功したい他の地域と差別化され、「成功事例」という地位に君臨することができます。

では、なぜ、現地視察の結果を自分の地域に当てはめられないのか?
それには「自分たちの地域」について以下のような状況だからではないか?と推測します。

  • そもそも深く知らない。

  • 客観視できない。

  • 他の地域と比較する指標がない。

成功事例と言われる地域は、自分の地域を深く分析しています。
「地域」とは、自然や地形だけでなく、そこに住む人や事業に関わる人にも着目しています。
さらには、時代に合わせて「変化」を受け入れています。
その結果、何もない地域であっても人が集まり、稼ぐことが出来ると考えます。

でも、地域や行政は成功事例になりたいわけですが…

  • 深く知りたいけど、時間がない。

  • 客観視したいけど、時間も指標もない。

  • 他の地域をもっと調査したいけど、時間や術もない。

とにかく「時間がない=優先順位が低い」という状態になっています。
そんな時、「そうだ‼地域おこし協力隊に求めよう💡」
となるわけです。

よって、「地域おこし協力隊」には以下のようなものが求められています。
(地域によって差はあると思います。)

  • 地域の魅力を客観視して掘り起こす。

  • 成功事例を自分たちの地域にカスタマイズする。

  • 出来れば、地域住民と行政の橋渡しもお願いしたい。

3 「フリーランスを始める人」の心情

続いては「フリーランス」についての話です。
最近は副業の浸透もあり、フリーランス人口は2020年以降増加傾向にあります。以前に比べ、フリーランスを始める人が増えているようです。

フリーランスを始める人は、副業から始める人が多いように感じます。
そもそも、なぜ副業を始めるのか?
本業で稼げていれば、副業に脇目を振らずに本業に集中すればいいのでは?

でも、時代の変化とともに現状も変化しているようです。
例えば、以下のようなことが考えられます。

  • 本業の勤務形態や内容が自分に合わない。

  • 日々の通勤がストレスになっている。

  • 人間関係が上手くいかない。

  • 本業の勤務先が倒産したり、リストラにあった時に備えたい。

  • 自由に生きたい。自分を試したい。

これまで、仕事は「終身雇用」というのが当たり前でしたが、今の時代、これまでの当たり前が当たり前じゃないのが当たり前になってきています。
「明日も会社がある」というのは保証されない時代を迎えています。

副業を始めてから将来的にフリーランスを始めるのは、副業でそれなりに稼げるようになってからだと思います。
もしくは、本業が自分に合わなくて退職したり、リストラされて次の職を探していたりする場合もあります。

いずれにしても、フリーランスとして独立した場合、1番不安なのは「収入」です。

収入が安定しないと、「負のスパイラル」に陥りがちです。
・心が不安になる。
 →「とにかく稼がなきゃ」という思考になる。
・とにかく仕事に就かなきゃ
 →自分を安売りしてしまう
・収入安定のためにひたすら働く
 →気がつけば社畜になっている。

自分らしく自由に生きていく。自分の強みで生きていく。
それがフリーランスの醍醐味だと私は思います。
その目的を見失わないためにも、心の安定、つまり「収入の安定」がカギになります。

4 地域おこし協力隊×フリーランスのメリット

これまでの話をギュッと凝縮すると、
「地域や行政」、「フリーランスを始める人」が求めるものは以下のような感じです。


【地域や行政】
全国の成功事例のようになりたい。でも、時間や経験がない。

【フリーランスを始める人】
フリーランスとして独立したい。
時間はある。行動力もある。でも収入が不安だ。


地域や行政が求める「時間や経験」は、フリーランスを始める人にとって十分あります。
また、成功事例を調べたり、地域を分析したりすることに時間を使い、
地域おこし協力隊に求めるものに対して成果を上げれば、それ以外は自分の時間です。
自分の時間でブログを書いたり、将来カフェをオープンしたいのであれば開業の勉強をしたり、フリーランスとして独立する時間に使えます。
そして、なにより「安定した収入」が約束されます。(最長3年間ですが)

収入に関して、前職よりは下がると思いますが、
①収入ゼロでフリーランスに挑戦する。
②収入は下がれど、3年間安定した収入がある。

この2つの条件下では、②の方がリスクが軽減されます。
フリーランスになる以上、始める時の収入リスクは避けられないですが、リスクを軽減し「適切なリスクをとる」ことで自分を高め、成長させることが出来ます。

フリーランスを始める人が、「収入の安定」をもとに心も安定し、地域おこし協力隊として全力でチカラを発揮してくれれば、地域や行政にとってもメリットになります。

5 地域おこし協力隊×フリーランスのデメリット

お互いの求めるものが「すれ違っていた場合」
お互いにとってメリットが得られません。

地域おこし協力隊は、地域にとって「救世主」になるかもしれないし、そうならないかもしれない。

【地域や行政】
・もっと地域のために動いてくれると思っていたのに…
・すぐに地域が良くなると思っていたのに…

【地域おこし協力隊】
・もっと収入があると思っていたのに…
・もっと地域や行政がお膳立てしてくれると思っていたのに…

地域おこし協力隊を導入した行政からは、このようなミスマッチが起きていると聞きいています。

これについては、地域おこし協力隊の募集要領を読むとなんとなく原因が見えてきます。
募集要領の多くは、

  • 「効果的な情報発信ができる人」

  • 「商品開発及び販路拡大ができる人」

  • 「地域おこしができる人」

などなど、「漠然」としたスキルを求めています。

例えば、自分は「商品開発ができる!」と思っていたけど、商品の加工場がなく、保健所の許可申請からのスタートとなるとそれなりに時間と費用がかかります。

そうであれば、「どんな商品を開発したいか?」を明確にし、条件を整理して「商品開発のアイディア」を地域おこし協力隊に求めるなど、
ある程度地域や行政が求めるものを明確にすることがミスマッチ防止に繋がります。

一方、地域おこし協力隊は
「3年後(任期満了後)の収入安定が約束されないと応募しない」という人もいると思います。

しかし、地域や行政にそこまで責任を持たせてしまうと…
ただでさえ困っている地域に、「3年後に確実に雇用を作れ」という難題が降りかかってきます。

地域おこし協力隊が自分で起業したり就職してくれれば良いですが、みんながみんなそうとも限りません。

だからと言って、収入安定を約束しないと地域おこし協力隊が集まらない…ならば、
『今いる地域おこし協力隊は3年後に地元で正規雇用されました』という事実を作り、これからも募集する地域おこし協力隊候補者を継続的に集めなきゃ…

そんな思考になってしまう地域や行政があるかもしれません。
でもそれって、目的を見失っていませんかね?

  1. 3年後間、地域のために頑張ります。3年間頑張るから、その後の収入安定も約束してね。

  2. フリーランスを始めるので、3年間だけ収入安定を約束してください。もちろん3年間は地域おこし協力隊優先で動くから。でも、3年後自立したいのでその分の時間も認めてね。

これらの2人を採用するとしたら、どちらを求めますか?
地域おこし協力隊になるにはリスクもあります。
一方で、採用する地域や行政にもリスクはあります。

お互い「適切なリスク」を取り合ってこそ、「適切なリターン」が得られると考えます。
個人的には、「2」の人材の方がさっぱりしていてお互い本気になれるんじゃないかな?と思います。

6 最後に

長文にもかかわらず、
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

地域おこし協力隊は魅力的な制度だと感じます。この制度で日本の問題が少しでも解決に向かうことを願っています。

そのためにも、地域、行政、地域おこし協力隊の三者がこの制度を上手に活用し、それぞれの「目的達成」に向けて効率よく、賢く動けたらこれからの日本はもっと面白くなるんじゃないかと思います。

日本が面白くなれば、エネルギー溢れる若い世代のチカラも相まって、
さらに知恵や経験やアイディアが集まって日本が活性化されていくと思います( *´꒳`*)

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