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アメリカ ルート66を巡る旅 15 アリゾナ州 中部

アリゾナ州中部を走ります。この辺りからは観光地が次々と登場します。観光客の数も一気に増えてきます。夏などは観光客で大渋滞が起こったりするので、事前の交通情報を入手しておいた方が良いでしょう。

前回紹介した町・ウィンズローから高速道路40号線を1時間弱ほど走るとフラッグスタッフという街に着きます。ウィンズローとフラッグスタッフの間にあった旧道のルート66は高速道路40号線になったので昔の道は存在しません。この区間は高速に乗りましょう。フラッグスタッフまでの高速道路は、360度の地平線が見える広大は高原となっています。目の前には地平線とまっすぐ伸びる道があるだけとなります。木や森もあまり見当たりません。そしてしばらく走ると急に森となります。周りの景色が一変するのです。この辺りは標高が高く、森林地帯になります。そしてうっそうとした森が果てしなく続きます。

今回はウィンズローからフラッグスタッフまでの120km、時間にして1時間)とその周辺の観光地を紹介します。

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フラッグスタッフの街並み

<Flagstaff >
森の中にフラッグスタッフという街があります。周囲では一番大きい街です。今まで辿ってきた都市というとアルバカーキ以来の街です。大きいといっても車で20分もあれば一周できてしまうくらいの規模です。アルバカーキよりは小さいです。ここは、昔は旧ルート66、現在は高速道路40号線の宿場町として、そして大学の街として栄えています。旧道ルート66を旅する人や高速道路40号線を走る運送者のほとんどは、この街で一泊します。
この町で面白いのは、陸の孤島なのにやたら鉄道が活発なことです。Santa Fe 鉄道が山手線並に走っているのです。といっても旅客ではなく貨物です。大きな先頭車両が2台ついた長い貨物列車が頻繁に走っているのです。列車が街に入るときは汽笛を鳴らすという法律があるそうで、フラッグスタッフの街の際にあるモーテルに泊まると、一晩中警笛の音がなっていることになります。もし警笛音が気になる場合は、鉄道近くのモーテルは避けるべきです。
フラッグスタッフは、まあまあ大きい街ですが、一流のホテルやレストランはありません。ホテルはほとんどがモーテルのチェーンなのでご注意を。あと食事はかなりひどいですが、駅前に日本食があります。このあたりでは貴重です。味は悪くないのでお勧めです。

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フラッグスタッフのダウンタウン

フラッグスタッフは、グランドキャニオンや、セドナなどへのゲートウェイとなっている街でもあります。
今回はルート66を外れて、フラッグスタッフから足を伸ばせる観光地を紹介します。

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グランドキャニオンの朝

<Grand Canyon>
世界的に有名な渓谷・グランドキャニオン。フラッグスタッフからは180号線を北に向かい、グランドキャニオン・ジャンクションで64号線に入ると到着します。時間にして2時間です。
グランドキャニオンにはフラッグスタッフから日帰りも可能です。
ただせっかくグランドキャニオンに行くのであればぜひキャニオン内での宿泊をお勧めします。理由はキャニオンが最も美しいのは夕日が西から差し込む夕方と朝日が東から差し込む早朝だからです。渓谷はかなり深く幅もありますが、コロラド川が何億年もかけ削り取った無数の崖が浮き上がって見えるのは、横から光がさした時だけです。昼間では雄大な景色が平べったく見えてしまいます。なので、できるだけ夕方の日没直前と早朝の朝日が登るタイミングでグランドキャニオンを見ることをお勧めします。
グランドキャニオンには国立公園が運営している宿泊施設がいくつかありますが、人気が高いので早めの予約が必要です。公営なので価格はそれほど高くないです。宿泊施設にチェックインして、グランド・キャニオンを観光し、夕方は事前に決めておいたポイントで夕陽を見ます。ホテルに戻り夕食をとり、夜、星空を見るのも良いでしょう。降り注ぐようなたくさんの星を見ることができます。そして朝は早く起きて朝日を見て、朝食という流れです。これが1泊でグランド・キャニオンを一番堪能できると思います。朝夕は冷えるので、コートなどを持って行った方が良いです。
何泊もできるのであれば、キャニオンの下まで降りるトレッキングや、コロラド川を下るボートツアーも楽しいです。

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セドナのスカイライン

<Sedona>
ヒーリングスポットとして、そしてトレッキングの聖地として人気のセドナ。フラッグスタッフから簡単にアクセスできます。89A号を1時間程南に進めば到着です。もちろんフラッグスタッフからの日帰りも可能です。
セドナの町はとても小さく、主要道も1本しかないため、いつも混んでいます。駐車場がない時もあるほどです。セドナで宿泊する場合は事前にホテルなどを予約して専用駐車場に車を止めるのがいいでしょう。有名なトレッキングのスタートポイントも混むので、朝早めの到着をお勧めします。
フラッグスタッフからそれほど離れていないのにセドナ近辺では景色は一変します。赤茶色の奇岩がそそり立ち、まるでディズニーランドのビッグサンダーマウンテンのような雰囲気です。というか、ディズニーランドがこの辺りを模してウェスタンランドを作ったというのが正しいです。
ここではインディアンの作った小物を買ったり、トレッキングを楽しむのですが、ヒーリングスポットと呼ばれているように、何か感じるものがあるのです。できればゆっくりとトレッキングをして、岩の上で心を休めてみてください。疲れが取れるのが分かります。

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プレスコットのウィスキーロウ

<プレスコット・バレー>
日本人観光客には馴染みがないと思いますが、プレスコット周辺も素晴らしい場所です。フラッグスタッフからは89Aを進みセドナをこえて進むとプレスコットに到着します。まるで西部劇の時代のような町です。ここは西部開拓時代に金がとれたそうで、今でも金を取ることができます。歴史あるウィスキー・ロウには数件の酒場があり、まるで西部劇の時代に迷い込んだような体験ができます。ホテルもいくつかあり西部開拓時代から営業しているホテルはリノベーションされていますが、なかなか趣があります。
プレスコットから89号線を走るとヤーネルという小さな集落に到着します。ここはアメリカで最大の被害を出したヤーネル火災の現場です。映画「オンリー・ザ・ブレーブ」で描かれた山林火災の場所なのです。現在は、勇敢な消防士たちが力尽きた場所までトレイルが整備されています。映画もここで撮影されているので、映画を見てから訪れるのがいいと思います。

フラッグスタッフから、さらに足を伸ばすとモニュメント・バレーやレイク・パウエルなどの観光地もありますが、日帰りはできないので今回は紹介しません。別の機会に詳しく紹介したいと思います。

次回はフラッグスタッフに戻り、そこからアリゾナ州の西の端・ニードル図までを旅します。ここが道中最もルート66を感じる場所です。



 

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