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ルフトハンザ航空 国際線 ビジネスクラス

Lufthansa Business Class (August 2013)

ドイツのフラッグシップ・キャリア、というか現在ではヨーロッパのフラッグシップとして巨大化しているルフトハンザ ドイツ航空。
今回は、日本にも以下の毎日4便の定期運行を行っているルフトハンザ航空の紹介です。

LH717/LH716 羽田⇄フランクフルト
LH715/LH714 羽田⇄ミュンヘン
LH743/742 関空⇄ミュンヘン
LH737/736 中部⇄フランクフルト
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日本人にとってのルフトハンザ航空について、いくつか特徴を記しておきます。
1)スターアライアンス・グループに加盟しているので、ANAなどスターアライアンスの各航空会社と連携して効率の良い乗り換えを実現しています。日本からフランクフルトやミュンヘンに入る殆どの日本人乗客は、フランクフルトやミュンヘンが目的地ではなく、経由でヨーロッパの各都市に向かいます。
2)ドイツらしい整備は有名で、各航空雑誌の「安全な航空会社ランキング」では常にトップを独走しています。さらに定時運行が日系航空会社並みに行われています。この安心さでフルトハンザを選択する日本人がいます。

今回は、特にA380を使った成田国際空港とフランクフルト国際空港を結んでいた懐かしの路線を紹介します。

<成田空港>
チェックインは第1ターミナル(スターアライアンス各社が集結)のルフトハンザ航空カウンターで行います。ANAのスターアライアンス・カウンターではチェックインできません。受付はANAの職員が担当していますが、ANAと違い様々な制約があります。ビジネスクラスの預けられる荷物は1個32kgまでを2個です。荷物をビニール袋に入れてくれるサービスはありませんので、イタリアやスペインなどでスーツケースを開けられる不安がある方は事前に有料のラップサービスを利用する必要があります。
チェックインは簡単です。eチケットとパスポートを提示してチケットを貰います。ヨーロッパ便の場合、預けた荷物は最終地点で受け取りますので、タグの確認をします。チケットも最終目的地までの全てのチケットを受け取ります。
例えば、フランクフルト経由でバルセロナに行く場合、成田ーフランクフルトとフランクフルトーバルセロナの2枚のチケットを受け取り、荷物のタグに行き先がバルセロナであることを確認します。
チェックイン後、手荷物だけ持ってセキュリティを通ります。もしスターアライアンスのゴールドメンバーであれば、ANAが用意しているプライオリティ・レーンを使えます。長いセキュリティラインを通ることなく出国手続きカウンターに行くことができます。

ラウンジは、ANAのビジネスクラスラウンジが利用できます。チェックインの際、係員がラウンジの説明をしないことがおおいので、その時は自力でラウンジまで向かってください。第1ターミナルには2つのANAラウンジがありますが、出発ゲート側のラウンジが便利です。ANAラウンジは人気がありいつも混雑しています。ここでは、うどんや蕎麦、カレーなど人気メニューを楽しめますし、生ビールはじめ各種酒類も充実しています。
できれば空港に早めに到着し、ANAラウンジで美味しい食事をしておくことをお勧めします。なぜならルフトハンザの機内食は驚くほど美味しくないのです。

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<機内サービス>
A380。エアバス社が作った世界最大の旅客機です。ルフトハンザは2010年6月より成田ーフランクフルト線に投入しました。
機内の座席構成は1階エコノミー席420席、2回ファーストクラス8席、ビジネスクラス98席となっています。これはかなり大きく他社のようなシャワー室やラウンジを廃しているので、見渡す限り座席です。運行時はパーティーションで区切るので、その大きさは実感できませんが、1階のエコノミー席の後ろから前を見渡すと420席が並んでいるのですから驚きです。2階のビジネスクラスはA380以外の航空機のエコノミーのように見えます。それだけ席数が多いのです。
ビジネスクラスのシートは長年ルフトハンザが採用しているものと同じですが、操作性などは良くなっています。しかし180度フルフラットはならず、多少傾斜があります。2012年から新しいビジネスクラスのシートを採用し順次入れ替えていますが、A380はしばらく今のシートが使われるそうです。
せっかくのA380ですが、ルフトハンザでは巨大機材だからといって特別に何か装備があるわけではなく、とても質素です。トイレも狭く、軽食を置くエリアすらありません。このあたり、いかにも簡素なドイツ人のセンスが覗えます。
乗った印象は、巨大であるために動きがゆっくりであることを実感しました。エンジン音は他の機材よりちょっとだけ静かです。そして翼が巨大なので、窓側に座ったとしても地上の景色を見られる席は前方と後方の一部に限られます。殆どの窓側の席からは、巨大な羽と空しか見えません。シートTVでは、地上の映像を綺麗に映し出したりCGで合成したりするデモンストレーションが行われているので、それを見て現在どのあたりを飛んでいるのか把握できます。どうしても窓外から地上の景色を見たい場合は予約時に席を指定した方が良いでしょう。
ビジネスクラスのある2階席はB747の2階席のようになっていて窓の外はさらに見にくいです。この巨大な航空機では窓外を見て楽しむことには向いていません。

2013年7月時点で機内ネットサービスはありませんでした。ルフトハンザは機内でもネットが使えるサービスの導入を積極的に進めているので、しばらくすれば使えるようになるはずです。

機内エンターテイメントは、映画30本を含む70本程度の番組、ゲームなどがありますが、日本語対応している作品が極端に少ないです。シートTVの操作も日本語がありますが訳が変で使いにくいです。

10時間以上の搭乗時間ですから、機内で時間を潰すため本を買って持って行ったり自分のiPadに映像や本をダウンロードして持ち込んだ方がいいでしょう。機内エンターテイメントサービスに期待すると、搭乗時間がとんでもなく長く感じることになります。

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<機内食>
・往路
ルフトハンザ航空のウィークポイントは機内食です。ウェブサイトでは2012年11月よりグレードアップした機内食の提供を開始したとあります。お客様への嬉しいサプライズを繰り返しお届けすると謳っていますが、実際はあまりの不味さにサプライズします。
日本発便なのに日本食の質が良くないのです。おそらく日本人スタッフがきちんと味をチェックしていないのだと思います。成田・名古屋発便はペニンシュラ東京の料理長が手がけていると宣伝していますが、ペニンシュラのシェフがホテルの店でこの味を客に提供したら、客は激怒するでしょう。味噌汁やお茶の入れ方はドイツ人CAが把握しておらず、日本人に濃さを確認して欲しいと何回も聞いていました。きっと日本人乗客は、味が濃かったり薄かったりする度にCAにお願いして濃さを調整して貰っているので、CAは自分の舌ではわからないことも相まって客に濃さを聞いているのです。こういうところはマニュアル化して味を均一にすれば良いと思うのですが、日本路線のためにそこまでの対応はしていないようでした。
洋食のステーキもかなりのサプライズです。脂身のない肉はそれで良いと思いますが、ソースと肉の上に乗っている不思議なパン粉みたいなものが日本人の口に合いません。
お勧めは洋食の魚です。これが一番無難な味です。

有名なソムリエ、マルクス・デル・モネーゴ氏セレクトのワインセレクションですが、他社と同等のクオリティです。ANAやJALのほうが遙かに優れたセレクションとなっています。悪くはないのですが、ちょっと残念でした。

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<フランクフルト空港>フルトハンザドイツ航空のハブとなるフランクフルト空港。ここは、ドイツ人らしいシンプルで効率的な空港です。かなり巨大ですが迷うことなく移動でき快適です。
空港内には、様々な施設とレストランがあり何時間でも楽しめるよう工夫されています。トランジットで数時間ステイになっても飽きることはないでしょう。
ラウンジも素晴らしく、ドイツらしいサービスが提供されています。まずラウンジは大きく開放的です。木のぬくもりで包まれ快適です。ネットは無料で使えます。食事ですがドイツなので数種類のビールが生とボトルで用意されています。食事はとても美味しいソーセージにパンがあり、ザワークラフトと一緒にホットドックも作れます。スープも大変美味しいものが常に用意されています。そのほかソフトドリンクやコーヒーなども充実しています。是非試したいのがドイツのプリッツェル。アメリカのものとは違いほどよく柔らかく塩分が効いています。ついつい飲み過ぎ食べ過ぎてしまいます。

機内食(復路)
不思議なのですが、行きよりも帰りのフランクフルト発便ほうが和食は少しだけ美味しかったです。ただご飯がべちゃべちゃに炊けています。あくまでも相対的に復路のほうが往路より良いと言った感じです。洋食も復路のほうがちょっとだけ美味しかったです。
復路も同様ですが、フランクフルト空港のラウンジにはソーセージをはじめおいしい食べ物が沢山ありますので、ラウンジや空港のレストランで食事をした方がいいでしょう。そして機内では最低限の食事(軽食のおにぎりは美味しいです)をしたほうが嫌な思いをしないで済みます。

到着
ルフトハンザドイツ航空の成田ーフランクフルト線の目玉はA380機材であることですが、同時にデメリットがあることが到着後に判明します。ルフトハンザの営業は日本でも頑張っているようで、あれだけの席数を毎便うまく裁いています。いつ乗ってもそこそこ客が乗っているのです、繁忙期になると毎便ほぼ満席です。

フランクフルト到着時:
500人程の乗客が一気に降りることになります。日系航空会社のようにまずはファーストクラス、そしてビジネス、最後にエコノミー客を降ろすことはなく、開いた扉から乗客が我先にと、飛び出していくのです。そして入国審査に長い長い行列を作ります。フランクフルト空港にはA380が多数就航しており、A380が2機同時に到着するとたちまち入国審査のゲートには1000人規模の長い列ができてしまうのです。
乗り換え時にはファースト、ビジネスクラス用にプライオリティ(優先)・レーンが用意されていますが、エコノミー客も割り込み、まるでカオス状態です。ルフトハンザの係員も何も言わず、とにかくこの入国審査が大きなストレスとなります。
A380という巨大な機材を扱うのですから、ルフトハンザには、この乗客マネージメントをしっかり行わないと客離れが起きてしまうのではないかと思いました。

成田到着時:
成田でも同じ現象が起きます。しかし成田はANAのグランドスタッフが支援しているのでフランクフルトほど混乱しません。但し、荷物がなかなか出てこないのです。ファースト、ビジネスクラスの利用者にはプライオリティ・タグが付いていますが、スーツケースを回収するのにかなり時間を要します。A380の場合、荷物を受け取るレーンが2つ(1つはファースト、ビジネス用。もう1つがエコノミー用。)とわかれていますし、荷物の個数も相当数です。成田のグランドハンドリングスタッフもA380が到着すると大変でしょう。

このようにA380は、一度に沢山の乗客を運べるという航空会社的なメリットはありますが、我々利用者にとってあまりメリットはないように思いました。エミレーツ航空やヴァージン・アトランティック航空のようにA380機材を使いつつ、乗客が搭乗時間を有効に使えるような仕組みを考えたり、シートピッチを広げビジネスクラスをファースト並みに贅沢にするみたいなアイデアがあれば別ですが、ルフトハンザのようにただ座席を詰め込んだだけのA380は意味がないのだと感じました。

ルフトハンザドイツ航空のフランクフルト線。この路線はドル箱で搭乗率も高く、サービスはドイツ流のさっぱりした、そしてしっかりしたものでした。安全運行を第一に掲げ、素晴らしい乗り心地を提供してくれます。残念なのは、日系航空会社のような手厚いサービスや機内食がないことでした。これは乗るひとの嗜好に関わることです。私の友人は丁寧すぎる日系航空会社よりもルフトハンザのほうが好きだという意見でした。

安全運行を第一に考え必要なサービスのみを提供する。むしろ真のジェットセッターにはルフトハンザは素晴らしい航空会社なのかもしれません。

注)2021年現在は、ルフトハンザ航空は日本とドイツを747-800やエアバスA340で結んでいます。A380の機材投入は終了しており、この記事は成田路線で使われていたA380機材についてを記録しています。既に存在しない路線、機材ですが、こんな時代もあったという思い出を含め、お楽しみいただければと思います。

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