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頬に灯る、都会の夜の煌めき。

シティポップといえば70年代〜80年代に流行った都会的な調べをもつ音楽。アーティストとしては、尾崎亜美、大橋純子、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣、大貫妙子、大瀧詠一、松原みき、松任谷由実などが挙げられる。都会的なポップスでありながら、ソウルやディスコ、ロックにジャズと、様々な要素を取り入れている、日本版AORと認識している。

そんな日本シティポップの女王といえば、吉田美奈子さんが浮かぶ。たくさんの名曲を提供しているが、私が最近よく通勤途中に聴くのは、「頬に夜の灯」。住友不動産のCMソング。ふと耳にしてビビッときた。
アーバンな街と開発され続けるオサレビルヂング。そこにこの曲はあまりにハマりすぎだ。

東京とニューヨークでレコーディングされ、ブレッカー・ブラザーズやデヴィッド・サンボーンなどジャズ界のビッグネームが参加したアルバム『LIGHT'N UP』に収録されたこの曲は、「メロウソウルの傑作」と讃えられている。


冒頭は抑えめなクールなリズムから始まる。中盤からデヴィッド・サンボーンのアルトサックスが渋く響いて、その後のソロで完全に花開く。そうして曲の後半が壮大に盛り上がってゆく。ゴージャスな調べに美奈子さんの高音がよく絡み、後半にはコーラスが重なって一層世界が広がる。ちなみにこの部分がCMに使われている。

歌詞も良い。

灯ともし頃ならば街もはなやいで
急ぐ足を止める夜に飾られて
擦れ違う人色とりどり
輝く灯に頬を染めたら
一番好きなあなたのため 
僅かだけど愛をおくろう

灯ともし頃って表現が良い。

舞台は金曜の会社からの帰り道か、それとも輝く街の灯はクリスマスの灯りだろうか?
街の輝きと、輝く灯を頬に受けた人たち誰もが煌めいて、幸せなこの夜の景色。思わず足を止めてしまうほどの幸せな空気感。

「私も、あなたにこの温かな幸せをおくりたくなったわ。ほんの少しの愛を込めて」

そこにいる誰もが幸せそうな、その風景が良い。そんな温かさと、シャープな街のコントラストに心くすぐられた。

さて、こんな大人な都会的音楽は、現代にも受け継がれた。海外から人気が再燃した、松原みきの「真夜中のドア〜STAY WITH ME〜」しかり。

若者の手によっても、新しいシティポップが生まれた。
藤井風、Suchmos、Nulbarich、never young beach、Yogee New Wavesなどなどが挙げられる。藤井風やSuchmosはHONDAのCMソングとして記憶に新しい。軽やかなポップス、それでいてどこかソウルフルだったり、R&B、アシッド・ジャズ‥いろんな要素を取り入れながらクールな音楽は厚みを増しているようだ。

世界的にもブームが来ている奥深いシティポップ。今回は吉田美奈子さんの一曲(逸曲)を取り上げたが、まだまだ名曲があるので、また紹介したいなあ(*˘︶˘*).。.:*♡

お付き合いいただき、ありがとうございます。
ほんの僅かだけど、愛をおくります(笑)


 

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