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おかづ家の人びと 序章「梅の花」


 梅の花が咲く頃、平穏な暮らしを営む家族に突如として災厄が押し寄せた。

 強健なる一家の主と息子、そして妻…彼らは幸せな日々を過ごしていた。しかし、運命は時に冷酷であり、病という無慈悲なる敵が主を襲ったのだ。

 主の虚弱なる身体は、ますます衰えを見せ、喜びも笑い声もしだいに家を去り、代わりに不安や悲嘆といった暗い影が一家の心を覆い尽くす。主は床に伏し、家族は見守るばかりでなす術もなく、その絶望の底に沈んでしまった。

 ある日、病床で彷徨う主のもとに、静かに足音を響かせる存在が近づいていた。それは、小さな体躯を持つ純白のシーズーであった。保護されたばかりの雌の犬だったが、その忠実さと優しい瞳には、特別なる使命が宿っているかのような光が見えた。

 犬は「歌月」と名を付けられ、主のまわりでひとつひとつ家族の心を優しく包み込むように存在した。病床の主の傍らに警戒心を抱かず身を寄せ、やわらかな毛並みが主の慰めとなった。息子は歌月と遊び、妻には歌月が守るかのように安心感を寄り添えた。

 不思議なることに、歌月の姿と心が一家を癒し、絆を結び直す契機となった。悲しみの連鎖は徐々に解き放たれ、家族は再び笑顔を取り戻していく。主も、歌月の目に見えない心の支えを手にしながら、闘い続ける勇気を得る。

 ある日、主の目覚めが近づく頃、大きな転機を迎えることとなる。主が辛くも奇跡的に回復した瞬間、家族の再生が始まるのだ。そして、心温まる旅が始まる。

 これは一匹の保護犬の存在が、一家を再び結びつけ、新たなる道を切り開く物語なのだ。


さいとう家とおかづの話を小説の序章風にしてみました。休職したのはたしかに梅の花の頃です、、、。が、だいぶ嘘。😬


けー!

もし、第一章にするならこれやな。

あかんか。🤪



#シロクマ文芸部
#お遊び企画
#梅の花
#おかづ家の人びと
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#序章



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