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『チェーンメール対策BOOK』のレビュー

(漫画というよりはレビューなので、ブログに投稿しようとも考えたが、画像の多い記事なのでnoteにて投稿する。)


或る日、こんな小冊子を手に取った。

チェーンメール対策BOOK 撃退!チェーンメール&メッセージ』というタイトルの本だった。

読んだ感想を本記事では述べていく。

全体としては、チェーンメールそのものより、SNSやLINE等におけるチェーン・メッセージに関するページの方が印象に残った。筆者の体感としてもチェーンメールよりかはSNSでのデマ拡散の方が多いように思われる。


微笑ましい箇所もあった。


個人的に気になったのはp26のクイズである。

Q1について。「(3)の腐敗というのは腐食のことかな」と思った。

Q2について。問題を見た時に筆者は「4番目の項が8や10や7となる規則」を考えた。「(1)は(nの一般項)=2nで、(2)はフィボナッチ数列のように(nの一般項)=(n-2の一般項)+(n-1の一般項)だな。それにしても(3)は難しいな。y=a・x^3 + b・x^2 +cx+dと置いてa+b+c+d=2かつ8a+4b+2c+d=4かつ27a+9b+3c+d=6かつ64a+16b+4c+d=7の連立方程式を解いたのち、(nの一般項)=a・n^3 + b・n^2 +cn+dという規則を考えれば良いのかな」と思った(※)。その後、p29を開いた。

解説を読み、筆者は「おや」と思った。


筆者は数学者ではないので確かなことは言えないが、数の並びが数列と呼ばれるためには数列の各項を順番に並べられること(「各々の数が何番目の項に配置されているのかを一意に示せる番号」をつけられること)が必須な筈なので、「前の数より大きい」という規則では一意性が成立していないように感じられた。

※a+b+c+d=2かつ8a+4b+2c+d=4かつ27a+9b+3c+d=6かつ64a+16b+4c+d=7の連立方程式を解くと、a=-1/6かつb=1かつc=1/6かつd=1が求まるが、これを暗算するのは工夫や計算力などが要るだろう。


Q3は良問。筆者は2つの解答例を考えた。一つはp30に載っているような解答例で、仮に或る答案がp30の答案と異なっていたとしても中心の点に関して点対称な解答であれば正解である。

もう一つは、p8とp9とp26とp27が印刷されている一枚の紙が直方体のような立体であることに着目した解答例である。

(下記の画像で直線がp25の領域にまたがっている箇所は正確にはp9の領域で描線されていることに注意。)

中心の点(点A)から開始して、「p8とp9とp26とp27が印刷されている一枚の紙」の表面(p9とp26が載っている面)と「紙の厚さ」と裏面(p8とp27が載っている面)に、合計4本の直線を引いていくと、一筆で9つの点を結ぶことができる。


それにしても、令和の現在、チェーンメールって大きな社会問題になっているのだろうか?電子メール自体、ビジネスや、メルアド以外の連絡先が分からない場合などを除けば、あまり用いられていない印象を受けるし、果たしてチェーンメールが現在の日本で多発しているような社会問題と言えるのかは気になるところではある。


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