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クローバーの草原*過ぎていく時間の合間に見る夢

大変になってたことに気づいた。

これは私にとっては一大事。

ひとは見たいものしか見ないというのは、本当なんだなぁと愕然とする。

愕然としても、もはやしょうがないので切り替えていくしかない。。。

(そんなことは数え切れないほどあったのだから、今さら)

ひとの思いというのは、
掛けた時間に比例して、良くも悪くも、その思いというものが強くなる。

ひとはお金よりも、時間に価値を置くのだと思う。

被災して数々を失ったけれど、
500円玉貯金箱への未練は、しばらくグチグチ言い続けた。

「10万以上は軽くあったと思う」

「私もたぶん20万位よ。この位の大きさの貯金箱でふたつ貯めたから」

同じ仮設住宅住まいの知人と話した時に、
「あれがあったら、〇〇も買うのに」と二人でタラレバを言いあった。

「もう、500円玉貯金なんかするのやめよう」

「そうだよ。何年もかかったんだから」と、慰め合う。

それから、500玉貯金箱を発明した人の悪口を、思いっきり言いあう。

知人とは、その、かけた年月をねぎらいあうけれど、
娘はお金にせこい母親と思ったのか、さかんに情報を入れて慰める。

「旅行用のお金を封筒に入れて、神棚にあげてたんだって」

「銀行を信じなくて、タンス貯金してたんだって」

「蔵に入れてたのに、蔵ごと流されたんだって」

ゼロの桁が一桁か二桁ちがう話を聞かせて、
「諦めるしかないよ」って、500円玉貯金箱を笑い話にする。

私の花畑は雑草予防に、クローバーで敷き詰める計画だった。

瓦礫を選別してさまざまなゴミを取り除き、
危険なガラス片のようなものはキリがなくて、
2歳の指でつかめるようなサイズのものは諦めて、
5歳位の幼児が気にするサイズに絞って、危険なカケラたちを拾い続けた。

イネ科の雑草などは深く深く根を張るので、取りきるのに苦労し、
一回り終わったと思ったら、すでにまた別の雑草に覆われて、の繰り返し。

いちいち取るよりも楽、と思って、
ロール状に雑草を巻き取るやり方に変えた。

ツルハシやバールを使う程の根強い雑草は無くなっても、
雑草の、感心するほどの繁殖力といたちごっこだったのだ。

ロール作戦に変えてからは、大夫楽になって、しかも面白く、
土をなだらかに慣らし、クローバーの大容量の種を撒き、
水をかけ、足りないところにはまた撒いて、
シロツメクサのクローバーだけでなく、アカツメクサも足した。

固い土のせいで上手く根付かないところは、
微生物が柔らかくしてくれるよう土を足し、
四方八方の空き地から飛んでくる種のせいで増える雑草と戦い、
クローバーの草原を裸足で歩く夢を「いつかきっと」と、思い描いた。

その翌年もそんなことに費やしたのに、すぐそばの小さな川の、
大雨のあとの鉄砲水が、花畑を泥の湖にしたこともあった。

上流沿いの山で大量の伐採があったためと思われた。

地区の人総出で、道路は綺麗にした。

花畑が一面真っ黒になって、近所の花好きのおばちゃんに
「アレを見ると何もする気が起きなくなったでしょうね。可哀そうに」と、
家族で私のことを心配してたと教えてくれた。

泥は泥であって、黒土とは違うので、掃除をして泥を剥がし、
土を掘り起こし、酸素を入れ、花たちを助けてる間に、
また雑草だらけになっていった。

めげずに、その翌年も雑草をロール状に剥がして巻き取って、
クローバーの種を撒き続けた。

それなのに。

考えれば想像できたはずなのに。

面倒な雑草は無くなったものの、クローバーより芝が優勢になっていた。

近くにあった我が家の元屋敷の芝が、
こちら側に生きる場所を探して来ていて、
「クローバーの草原を裸足で歩く夢」を見る私は、
見つけたらこまめに処理していたのだけれど。

だけど私が心身弱くなっていた間に、
芝が旺盛にテリトリーを広げ続けていたのだ。

これではもう手を打てない。

確かに二度ある事は三度ある。

クローバーの草原を裸足で歩く夢は諦めた。

「もう一生芝生刈りをしなくていいと思うとせいせいする」と
母が言った言葉が耳にこだまするようだ。

芝生の綺麗をキープするのは大変なのだ。

クローバーも諦めたけど、芝生の上を歩くのもごめんだ。

雑草の草原を裸足で歩く夢に変更した。

なんでもありの雑草の草原だ。

どうせあちこちにクロッカスも植えようと思っていた。

風の吹く場所が好きだから、翁草も植えてみよう。

なんならあちこちにルピナスの種も撒いてみよう。

ドクダミだって白い花は可愛いじゃないか。

そこに根付きたいというものを止めるのはやめにしよう。

いっそのこと可愛い花が咲くイワダレソウに変えてみるかな。

芝生と戦ったらどっちが強いのかな。

予定はいつも未定で人生が進んでいく。

でも増えて広がった芝だって、私や娘が歩いた芝の子孫じゃないか。

足元なんか気にしないで、空ばかり見て過ごそう。

足元なんてクローバーでも芝でもなんでも良くなった ( 泣 )

さて、そんなことより頼まれたモッコウバラの挿し木でもしようっと。

きっと神様が計画してくださったことだと信じよう。

今年はまだ咲いていませんよ~♪






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