黒い羽

黒い羽の鳥
舞い降りた
風のない日に

黒い羽の鳥
木の上に
ちょこんと座り
首を回して
警戒

黒い羽の鳥
木の上で
羽をゆすって
歌い出す

彼は
不吉な鳥だという

彼は
利口な鳥だから
時折
人を欺く

だから
人は彼を嫌う

彼は
生きるために

彼は
ただただ
黒い羽で
大きな体というだけなのに

彼が
舞い降りる姿は
雄々しくて
かっこいい

彼は
不吉な鳥ではない

彼に自分を
いつしか重ねていた

寒空の下
彼は
風をうけても
凛と立っていた

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