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「年収90万で東京ハッピーライフ」の読書レビュー、感想

タイトルからして面白そうな本で、流石に90万は厳しいだろうと思って読み始めた本です。
著者の大原扁理さんは20代にして隠居生活を始めたそうで、お金を一般的な人よりも使わないことで週休5日生活をしているそうです。
ここまで極端にやらなくても自分の生活に取り入れられそうな部分や、考え方の部分で共感できる部分があったので書いておきます。

家は西東京で2万8千円

家賃を限界まで下げるというのは年収90万円で暮らす上で最も重要な要素となりそうです。
八王子の方まで行くと都心に比べて家賃を大きく下げられますから、リモート勤務が多くほとんど出社しない人はここまで低い家賃でなくとも再現性が高いと思いました。

人の誘いは基本断るかスルーする

交際費というのも人によりますが、結構大きな出費となるでしょう。
もちろん行くと楽しいのですが、全ての誘いに行っていると財布の中身も寂しくなってしまいます。
自分がよっぽど行きたい遊びだけ行くようにするというのは一つの手でしょう。

世間の普通ではなく自分の実感を大事にする

週休5日というのは世間の感覚からすると大きくずれていると思います。
ただ少なくとも筆者にとっては週に5日働くというのは自身の感覚から大きくズレていて、生きていける範囲ですり合わせをした結果週に2日だけ働くという形に落ち着いたのだと思います。
普段私たちは社会に合わせすぎているのかもしれないと思いました。

仕事に求めるのはできないことをしないというくらい、大事なのは嫌いなことで死なないこと

やりたいことを仕事にするというのはなかなか大変なことです。
そこで筆者はできないことをしないということを挙げています。
全くストレスのない仕事はないと思いますが、嫌いなことを続けていると精神的に辛いですし、人生が楽しくはないでしょう。
気持ちが軽くなる考え方だと思います。

自分自身が一番の友達と思うと、そんな人間を面白がってくれる人しかよってこないので楽

筆者は友達はいらないと思えば必要ないものだと述べています。
私はそこまでは思いませんが、他の人を優先しすぎて自分を蔑ろにするのも良くないと思います。
そこで自分自身を1番の友達だと思い大切にするという考え方はとても良いと思いました。

人と比べられる場所にいかなければ人と違うことは自然で健康的なことだと感じられる

社交の場に行くと少なからず人と比べられたり、自分と他人を比較して落ち込んだりすることはあることでしょう。
それを原動力に向上心を持って生きていけるのなら良いのですが、そうはいかないことも多いです。
SNSの影響もあり人と比べてしまうことが多い現代だからこそ、意識的に人と比べられる場所に行く頻度を減らしてみるのも良いかもしれません。

隠居はベストな生き方かというとそんなわけはない

筆者自身は隠居生活をしていますが、隠居がベストかというとそんなことはないと言っています。
自分にとって何が快適か知っていることが重要であり、それを自分と向き合って掘り下げていき、源流みたいなものを見つけたら迷わなくなるという考えです。
とはいえそもそも自分の選択した生き方を正しいとか間違ってるとか言ったり証明する必要はないとも言っており、確かにその通りだと思いました。

自分とのズレを解消するにはとにかくぼーっとするのが良い

普段生きているだけでもだんだんと自分の本心とは違う方向に向かって行ったり、人に影響されて本心とは違うことをしてしまったりすることはあります。
そんな時にはとにかくぼーっとすると良いと言っています。
おそらくそれによって自分の内面と向き合うことができ、何をするのが自分にとって心地いいのかが見えてくるということでしょう。

自分のところに来てくれたお金を大事に使う

以前家賃が高いところに住んで、そのために働き詰めだったときはお金を使う時も殺伐とした気持ちだったと言っています。
しかし今では年収は下がっても自分のところに来てくれた物好きなお金を大事に使うことができていると言っています。
重要なのは年収の多寡ではなくて、自分の心地よいライフスタイルを見つけてそのために大事にお金を使うということなのでしょう。

ほしいものはそもそも本当にほしいのか疑う

自分が欲しいと思った時は時間をおくと筆者は述べています。
現代では広告が溢れ、他者に何かが欲しいという気持ちにさせられていることも多いです。
そんな時は一旦落ち着いて考えてそれが本当に欲しいのかというのを考えると良さそうです。

3つを基準にどのくらいのペースで働くのが良いか決める

どのペースで働くのが良いか決めるには下記を基準にすると良いと言っています。

  • ひま耐性

  • 楽観的か

  • 世間体を気にするか

確かに時間が有り余っていても、お金がかからず時間を潰せる趣味がないと退屈ですし、外交的な人であればそもそも一人で過ごすのが辛いかもしれません。
また悲観的ですと貯金が少なかったり、自分がそれほど働いていないという状況を重く見すぎてしまうかもしれません。
そして何より世間体を気にする人は、人と違ったライフスタイルを選ぶということを受け入れることができないでしょう。
最後の項目は人によってはあまり働かないという選択をする時に最も大きな壁になるのではないかと思います。

セーフティネットがお金以外にもあると良い、時間、仕事、友人、家族、畑、才能

貯金は一つにセーフティネットですが、それが役にたたないシチュエーションというのも全くないわけではありません。
災害、戦争、ハイパーインフレといった状況では平時は大きな力を持つ現金よりも食料、衣料、健康な肉体といった方がよっぽど役に立つでしょう。
すぐには難しいかもしれませんがお金以外にもセーフティネットを作ることは大切だと思いました。
まずは健康な肉体を維持するのを頑張ろうと思います。

まとめ

色物の本だと思って見始めましたが、下記のことをテンポの良い文章で伝えてくれる良書だと思いました。

  • 自分の内面を鑑みてライフスタイルを決める

  • 普通と違っても生きていける

  • 欲望との向き合い方

  • 自分を大切にする

なかなか浮世離れしているとも思いますが、全く世間との関わりを絶った生活をしているわけでもなく、筆者にとってちょうど良い塩梅で生きているのだと思います。

自分の生活に取り入れられるところは取り入れていきたいです。



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