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以という字の由来

「以」という字はどこが偏でどこが旁なのか、構成要素が分かりにくい字です。どのような成り立ちで現代の形となっているのでしょうか。 時系列で見る字形演変甲骨文字:以 以という字は、生まれた時から現在と同じ形をしていたわけではありません。甲骨文では手に物を持っている人を象っており、本義として何かを持ち上げる、持ち運ぶなどの意味を持っています。しかし、その本義の用法で使われることは減り、後代では機能語として用いられることが多くなります。機能語とは、文字通り意味を持たず、文法上の機

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      • 漢字資料の調べ方

        そもそも漢字資料って何?古代の碑文や能書家の遺した書跡を、人々が見やすいように本やデータベースとしてまとめたもの。作品単位でまとめているものや文字で検索できるものなどがある。 資料サイトの二類型漢字一文字単位で検索 33書法:楷書、行書、草書の三つに特化したサイト。読み込みは遅いが、非常に資料数が多い。たくさんの資料を一覧で見ることができる。中国語のみ対応。 書法字典:甲骨文字、金文、竹簡、隷書、魏碑などの資料が豊富。こちらも読み込みが遅いが比較的安定している。有料プ

        • 古典資料の調べ方

          日本の古典籍 国書データベース:日本の古典籍を読みたいならここが有用。資料はCC BY-SAの条件のクリエイティブコモンズであるため、クレジットを表記すれば、商用利用可能。改変可能だが、改変した場合はその旨を作品内に表記する必要あり。その他の条件を確認するための画像利用条件のURLを以下に示します。 国書データベース (nijl.ac.jp) 国立国会図書館デジタルコレクションもまた有用。利用者登録と本人証明を済ませれば広い範囲の資料を閲覧可能。著作権が切れているものは登

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