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「やりがい搾取」についてアイドルとアウトデラックスで考えてみた~民族ハッピー組 vs AKB48~大石一尋は天才かペテン師か?


多めに脱線しますが
そういう芸風です。

フジテレビ『アウトデラックス』に出ていた地下アイドルグループ「民族ハッピー組」。そろそろ消えたかと思ったらフジテレビ深夜の音楽番組「TUNE」に出ていた。
フジテレビにコネでもあるのか?
フジといえば社長から真麻まで「縁故~ディングエンコーディングカンパニー」といわれているとかないとか。別に実力がないとはいってない。大島監督の息子さんなんてついには小川淳也氏を当選させたからね。
 
さて民族ハッピー組の実力やいかに?

アウトデラックスに出演したときは番組終了後に立て続けにメンバー(のアカウント)からTwitterに9連続フォローがきてビビった。
 こちとら、もともとフォロワーが11人しかいなかったのでそこに9人も同じ属性がおしかけてきた日にゃ「のっとられ感」ハンパない(汗)。
 「 #アウトデラックス 」のハッシュタグめがけて無差別にフォローをしかけてたようだ。多分bot等の自動プログラムなんだろうが批判をつぶやいてた方々なんぞは「こわっ」と思ったかもしれない。「人より金を信用する」などと主張してたので、確実に批判かツッコミのほうが多めだった。(フォロバしないでいるとサッサと去るところも自動化プログラムの特徴だw見張り役なのかなぜか二人だけ残っている…)
 ま、視聴者のつっこみなんてのはむしろ彼らの思うつぼだろう。そもそも自ら「アウト」を掲げてこの番組に出たのだから。伸び悩むタレントを抱えた事務所さんはこの番組か「有吉反省会」(こっちは残念ながら終了してしまったが)のどちらかに、なんとかねじこみたいから、時には俗にいう「プロレス」もする。(吉田豪につっこまれるとこまででワンセットと思ってる人もいるとかいないとか。)
 胡散臭いと言われていたプロデューサー(大石一尋)氏がこの番組出演で何をめざしたのかは知らないが果たして目的を達成することができただろうか?
 不運にもこの日は稀に見るハズレ回だった。一人目のアウト、荒らぶる成人式でイキっていたという「ギャップくん」はただの純朴な田舎のあんちゃんだったし、彼の自慢の可愛い彼女とやらもハードルをあげてしまったばっかりに残念な展開に…。おまけにひな壇にいるはずのレギュラーアウト軍団もコロナ後初の収録ということもあり全員欠席。ここでチャンネルを変えられてもやむなしな展開。

当の「民族ハッピー組」もアマゾンで大量購入した700円の壺に字を書いて3300円で売っていると紹介してアコギさを演出していたつもりだろうが過去に出演した「ゴミを売るアイドル」と比べるといかにも地味。ゴミはある種の身体性も帯び、フェティシズムさえ感じさせるので変態感も出てたが、壺は無機質で面白味もない。
 マツコ氏のつっこみでなんとか「壺=新興宗教」という構図は引き出されたが、若い世代に昭和・平成のその文法は通じまい。

 まあ逆にいえば、そのフェチのカケラもないものをファンに買ってもらえてるという意味では大したものではあるが、実は3300円の壺はぜんぜんあこぎぢゃない。たとえばアーチストグッズの優等生といわれる「ラバーバンド」を例にあげるなら、あれは1000個も作れば1つあたり50~60円。坂道やジャニーズの規模なら20~30円かそれ以下の世界ぢゃなかろーか?。で売価は500~600円くらい?粗利率の凶悪さは壺の比ではないよね。しかも地下アイドルちゃんの壺には直筆のサインってめっちゃ良心的やん。ラバーバンドがグッズの優等生といわれるのは原価率の低さだけじゃない。楽器や機材もろとも移動するようなインディーズアーチストでも同じクルマに積んで運べるという機動性。通販なら封筒で事足りるセカイ。壺はといえば封筒がムリどころかワレモノだ。梱包もたいへん。むしろファンを「数字」として見ているのはメジャーどころのほうだ。もっといえばあの程度のシンプル壺なら100円ショップの200~300円商品でありそうだ。いや100円であるかも。なのに700円もかけるなんて!
 地下アイドルちゃんはいっそ個人宛名サインつきの呪いの壺を6666円で売り出したらどうだろう。半年後に発売されるお祓いの御札は必ず購入しなければならないとかなんとか。お札とセットならむしろパワースピリチュアルアイテムになるという設定も吉。

と、冗談はさておき、この自信満々なプロデューサー氏が気になった。なぜこの娘らが信用しきってるのか?彼女たちの月収70万円の待遇はサスティナブルなものなのか?と
 「うさんくさい」という表現は単なる"プロレス"の一部にすぎないのかと思いきや、ホントに胡散臭い。
 音大卒でイタリアで10年間勉強したと言っていたが、wikiだと大阪音楽大学中退後、ペスカーラ音楽院へ留学とある。他のインタビューではローマで10年間音楽を学んだといっていた。
 ペスカーラはアドリア海を臨む港町でローマとは「反対岸」の位置関係。NYとLAほどは離れてはいないにしても、太平洋と日本海くらいは離れている。そんな地方軽視の「詐称」は地元愛あふれるデルフィノ・ペスカーラの熱狂的なサポーターたちも黙っちゃいないぜ。
 かつてはあのドゥンガ在籍し2012年には20年ぶりにセリエAに昇格したが来期は3部だってよ。どーしてくれる?
 ちなみにこのチームは昨シーズンは「コロナなんて蹴っ飛ばしちゃえキャンペーン」で募集して採用された6歳の男の子がデザインしたユニフォームを着たんだ。夢あるね~。

なんかレインボープライドのパレードでも使えそうだね。

さて、プロデューサー氏にハナシを戻すとさらに他のプロフィールでは
大阪音楽大学中後退1996年にイタリア・ローマに留学。その後2003年に帰国。
って10年でもない。四捨五入にもほどがあるw

とりあえず「音大出」「京都人」という「めんどくさいフラグ」が2本も立っちゃってるから、きっとめんどくさい人物にはちがいない。
 それにしても京都人の生地差別はキホン的に部落差別と変わらないメンタリティだ。安藤ニコちゃんを見習って「銃・病原菌・鉄」を読んだらいい。いや京都府の中高生の永遠の課題図書にしてくれ。(盆地なんでこんなパーソナリティになったと開き直るかもしらんが)
 でも洛外というか田舎京都はむしろ面白い人材の宝庫かもしれない。ギャル曽根とか。
いやなんといっても我らが野村克也監督だろう。やっぱりめんどくさいはめんどくさいw ほぼ同郷にはWWEスーパースターの中邑真輔!
あと岡崎体育?大石氏は亀岡出身のようだけど、亀岡といったらあれやないか、こないだの日本シリーズ初登板初勝利初完封、我らがヤクルト・スワローズの高橋圭二やないかーい。(板野友美もうまいことやったな。)反骨というワードは好きではないけど何か反作用的な力が働いているのかもしれない。

えー、そんなこんなでググっていたらプロデューサー氏についての興味深い記事をハッケン。

「やりがい搾取のマネタイズはもう難しい」民族ハッピー組&運営が語る“ホワイトなアイドル”の裏側

という記事。(なんで「プロデューサー」ではなく「運営」なんだろう?)
アウトなアイドルだったのにホワイトって…w

やりがい搾取はいまや日本の大問題でもある。これはこの国の至る所に長いこと居座ってきたが芸能界は際立っているかもしれない。某広告代理店のパワハラ死問題とも地続きだ。

思えばあの清水富美加さんの騒動芸能界の労働問題でもあったはずだが、いつのまにか「世間知らずな小娘が新興宗教にひっかかてしまったスキャンダル」で片付けられてしまった。

奇しくもアウトデラックスには度々、やりがい搾取に抗する人々が出演していた。たとえばお金より愛を選んだという、映画ライターの森田真帆さんの現在のパートナー氏はかつて外資系保険会社でバリバリ働いていたが精神がボロボロに病んでしまい森田さんのところに転がり込んだというエピソード。やがて保険会社の同僚が連れ戻しにきたという図式はアウトデラックス側からの視点で見ているから保険会社の異常性、カルト性に気付くことができるが、一般世間の側から見たら挫折した根性なしな仲間をたすけに行ったエリートたちと映るかもしれない。なにしろ名前は伏せられていたが外資系の保険会社といったら有名な大企業に違いないのだから。

五輪代表を拒否して賞金稼ぎに勤しんでいる女子競輪・児玉碧衣選手などはハナっからやりがいの搾取に騙されることなくスルスルっと生きる慧眼の持ち主といえる。
 コロナ禍の強行開催で、これまで不当にもちあげられてきた五輪のインチキな権威に皆が気付くと思ったが、いつのまにか人々は熱狂していた。

首に蜘蛛タトゥーをいれた元NMB48・木下百花さんは見た目のインパクトでただの変人に映ったかもしれないが、ゲストに高橋みなみも来てふたり並んだ時に真の構図が見えた。つまり高橋みなみこそが「やりがい搾取」側の天使だったということだ。そうするといまどきの醒めた若者の戯言のごとく処理されてしまっていた元AKB48島崎遥香「踊る!さんま御殿!!」での発言、「前しか向かねぇ」とか高橋みなみの「努力は必ず報われる」といった“名言”がぜんぜん響かなかった~も違ってみえはしないだろうか。

同じく元AKBの指原莉乃
『努力が報われないことなどあるだろうか。 報われない努力があるとすれば、それはまだ努力とは呼べない。』
という王貞治氏の迷言、いや名言を「ズルい」とばっさり切り捨てたので、やりがい搾取を否定する立場かと思いきや、あの小倉優香さんのラジオ騒動の時には
「彼女はもう芸能界は辞めるつもりでそういう発言をしたんでしょうね」とこれまたバッサリ切り捨てた。(実際にはその後、彼女はちゃんと復帰している)

成功者は自分の成功体験を否定するような立場はなかなかとれないし、そもそも今の日本ではそれは業界批判にも直結してしまうのでムリもないともいえなくもないが、だからいつまでたっても状況は変わらないのだ。
 これが厄介なところで前出の木下百花さんもアイドルのシステム自体は否定していない。

先述の清水富美加さんの一件を扱ったワイドショーでは大御所俳優コメンテーターが
「芸能界は普通の会社とはちがうんだよ」
とたしなめるように言っていた。
よくハリウッドは分業がキッチリしすぎてるとか、時間がきたらさっさと帰ってしまうとかそのビジネスライクな仕組みに対して批判的な発言がテレビなどで散見していたが、ハリウッドはそれで結果を出し続けてきたじゃん?とつっこんでやりたい。
 某たけし氏は向こうはカーチェイスもそれ専門の会社がやってるからパターンがきまっちゃってるんだとかいってたが、カーチェイスでの既視感が作品の感動を損なったことなんてあるだろうか?寅さんなんて既視感しかないけどファンはいちいち喜んでいたハズだ。
 それにかの国ではお気楽なポプコーンムービーばかりを作ってたわけぢゃない。きわめつけはネットフリックスだ。サブスクというシステムは売れ線で儲けを出せば、あまり金にはにらないがエッジの効いた重いテーマの作品も作ることができるというクリエイティブな共産主義を実現している。(日本も出版社はこの構図だがネット通販や雑誌不況で先は明るくはない)

そうアメリカに見習うべきはマネタイズだ。

 アメリカさんがスポーツ先進国たりえたのはマネタイズ先進国だったからともいえる。信じられないようなマイナースポーツ&ローカルチームが商売になっていたりする。
 友人がアメリカ旅行をしたときのハナシ。なにやらスポーツアリーナに行列ができていたのでアメフトかバスケの試合なのだろうと並んでみると、なんとそれはインドアサッカーなる競技の試合だった。室内でアイスホッケーのように壁の跳ね返りも使って繰り広げられる変則的なサッカー。地元民曰く
「ここじゃアメフトより人気があるんだぜ」とな。
 アメリカは広すぎるのでメジャースポーツだけでは「おらが町のチーム感」は味わえないのでうまくプロデュースすればマイナースポーツも商売になる。カレッジスポーツが商業的にも大成功しているのもそうした流れ。日本でもわけもわからずアメリカの大学ロゴのアパレル着せられちゃってるやついるでしょ?あ、おれだ(笑)

↑体育協会ドリンクって何だよw。これぢゃ外国人の漢字タトゥーのことは笑えないよね。
 70年代に流行ったNFLロゴブームなんてその極み。マイアミドルフィンズだのニューオリンズセインツだのアメフトチームのロゴの入った文房具やアパレルが売れまくった。26穴式のファイルノートやグルービーケースなんてアメフトロゴのおかげて普及したのかもしれない。ブックバンドなんていうほとんど実用性のないようなものまで流行ったのだから。でも、ほとんどの人はアメフトの試合も見たこともなけりゃルールもわからなかった。これぞマーチャンダイズマジック、マネタイズマジックだ。
 へんな日本語のタトゥー入れてる外国人がいるとか笑う人がいるけど、そーいうところにも商売のヒントがあるはず。わけもわからずアメリカ人が買ってくれる日本のものもあるかもしれない。Superdry(極度乾燥しなさい)のTシャツなんて英国人にしてやられちゃったよね。

 Lost in Translatoionなんていうけど、その逆もあるってことだ。デイブ・スペクターがB級タレント呼ばわりされた時、アメリカじゃ日本では通用しないような日本人寿司職人が活躍できてると開き直ったことがあったが、つまりはそういうことだろう。日本料理屋を経営するのが中国人とか韓国人だったりするし、逆に日本でカレー屋をやってる外国人はインド人かと思いきやネパール人が多かったりするからね。
 そういう意味では民族ハッピー組がインドネシアを攻めたのは正しい戦略かもしれない(人口も多いし)。いっそイタリアにも行ってみたらいいのに。その昔、新宿音楽祭で金賞をとると、サンレモ音楽祭に派遣されるという謎のシステムがあったから日本人を受け入れる土壌はあるかもしれない。

よく超マイナーなものでも3000人集まれば商売になるといわれている。先述のラバーバンドなんて500人確実に買ってくれるひとがいればそれ自体が商売になる。いうたらクラウドファンディングも、そーいうことでしょ?
 プロデューサー氏はFinancieという名のクラウド型パトロンシステムを導入しているようだ。継続的なクラウドファンディングとでもいおうか、投資参加型のファンクラブとでもいおうか。これが上手く転がっているのかについては不明だが。

かつての一発屋芸人が営業でガッポガッポかせいでるなんてのもマネタイズの方法論と解釈できる。テレビなら1回の放送でおわってしまうものも、紙芝居屋なら全国をまわれる。競馬馬が生涯賞金を最大限にするためにあえて一着はとらないなどという作戦もあるというから何をもって「勝ち」とするかはそれぞれ。

一般的にいって芸能界で成功するかどうかはギャンブルだが、芸能事務所の経営自体がギャンブルになってしまわないのは、事務所の所属タレントが投資家のポートフォリオのようになっているからだ。玉石混淆、いや最初は玉玉のつもりなんだろうが皆が光るとはかぎらないので損切りをしながら全体の利益を維持していく。
 でも大石氏はアイドルグループそれ自体がひとつの事業でペイしていくのは可能だといっているように見える。

今年の2月18日にメンバー9人のうちの二人とプロデューサー氏がアウトデラックスに出演した時には、目標は年商2億で、すでに1億5千万を達成しているといっていた。
 その時右側にいた遠矢るいという子は月収70万円で満足しているといっていたが、のちのTUNE出演では声優もやっていることもあり、稼ぎ頭なのだといっていたから、全員が月収70万円ではないとみた。
 大石氏のインタビューではタレントの取り分は利益の70%といっていたが果たして計算はあうだろうか?見えてる部分だけで想像するに所属タレントは彼女たちだけのようだし、活動内容を見るに「経費」はほぼ人件費くらいに見えるが。アレンジャーは大学のお友達では?

雑誌「サイゾー」の今号にも載っていたのだが、「アウトデラックス」の出演をなぞるだけで、新情報は出てこない。まるでスポーツ新聞の新人グラビアモデル紹介のようなプレスリリースそのままコピペみたいな無気力な記事だった。「サイゾー」といえばそれこそエッジのきいた雑誌なので化学反応を期待したのに。
 実は同誌の今年6月号にはメンバーの望月琉叶さんの水着グラビアも掲載されたのだが、それには一切触れずって雑すぎるだろ!

 ただ、ここでひとつ気になったのは「全員水着グラビア」。グラビアというのは場合によっては「やりがい搾取」の文脈上にある。
 熊田さんのように好きでやってる人もいるかもしれないが、元アイドリングの遠藤舞さんが自著で明かしているように、「水着をやらないと売れない」と洗脳されたケースはアウトだと思う。北村匠海くんが子役時代に監督に騙されてキスをさせられたなんていうのも、インティマシー・コーディネーターなる職業が登場する現在では完全にアウトだ。

全員というのがね…。
全員が同じ距離感で納得してる?と勘ぐってしまうのだ。AKB48の「Everyday、カチューシャ」の水着が一人一人オーダーメイド(「ポストサブカル焼け跡派」)だと聞いて背筋が凍った。だってフツーに考えたら、ピンのグラビアアイドルが既製品ですましてるのに、あんなモブショットでオーダーメイドな必要性はないはず。つまりは「採寸」という儀式で圧をかけ脱落者が出ないようにしてるのでは?
と。
 水着グラビアやらないと売れないが大嘘なのはももクロちゃんが証明している。
あ、そうそう。
全力坂も見たよ。でも告知も何もないのね。

で、
奇しくも今日はシングル「天王寺ラバーガール」の発売日らしいので楽曲についても触れておこう。あ、悪いけど買ってないからPV視聴のみなのでCDとちがってたらアレね。

それにしてもCDより壺を売りたいアイドルなのに配信で済まさずにフィジカルで出すのね。ま、世界屈指の日本人の所有欲を考えるとむしろアイドルビジネスのキホンなのかも。
関西出身者がいないのに関西弁の寸劇が入ってるということを売りにしてたけど、「アウトデラックス」でとんでもない家庭に生まれたと吐露していた千代絢子さんは大阪出身では?と思ったら脱退してたんかーい! 
 それで思い出したのだがアウトデラックスの時は、ツイキャスのアカウントをハッキングされて元の「演歌女子ルピナス組」から勝手に書き換えられてしまったグループ名をプロデューサー氏が気に入りそのまま商標登録して採用してしまったのが現在の「民族ハッピー組」だと説明したときに
ハッカーにお礼を言いたいと千代絢子さんは言っていたが、TUNEでは今度は遠矢さんは前の名前に思い入れがあったのにと悔しがっていた。まさかそれが脱退の原因?

さて、寸劇はPV本編での画づくりの中心にいる「まぼろし博覧会」の文脈なのか、約2名くらいが丸尾末広的昭和世界観に寄せているようにも見えたが、あれは単に大阪のおばちゃんなだけなのか?

サビは悪くないが他がな~んか手抜きっぽい。あるいは楽曲の質は主戦場ではないということか?まあたしかに、テレビとかでたまに、アイドルが「おっ」と思うような曲を演ってたりするの見るけど、そのコたちが大ブレークするわけでもないので「アイドルごときでイタリア帰りの俺様がホンキ出せるか」ってことなのだろうか?

 ただ今回、あちこちググってたらまた線がピピっとつながってまた勝手な想像が膨らんでしまった。

彼女たちが最初に所属していたという
株式会社ミュージックバンカーという会社のボスは
元BEINGとな。
BEING軍団といえは小室ファミリーと並んで90年代のタイアップブームの双璧をなしていた会社だ。
なにしろBEINGの営業マンはサビだけが何百曲も入ったカセットテープを持ち歩き、クライアントが選んだ曲を1日でレコーディングしてしまうのだと豪語していた。
(ビーイングの場合、小室サウンドと違いサビ以外も割とちゃんとしてたw)
あのB'zについても関連する音楽学校に所属していたのを
ひきあわせたのだというビジネスライクな結成秘話を語っていた。
こういう「人工的」なやり口を非難する声もあったが、
偶然の要素を極力排して、持続可能を目指す姿勢は
民族プロデューサー氏に通じるのでは?

BEINGはZYYGとかBAADとかいった
今見ると少し気恥ずかしいが
特徴あるネーミングでもブランデングを実現していた。
こちらの方面はタイアップだけが目立って
アーチストの顔が見えないとも揶揄されたが
倉木麻衣、三枝夕夏、上原あずみ、北原愛子、竹井詩織里といったモデルのようなルックスの女性アーチストばかりがいたGizaレーベルなども有していたのでCMタイアップだけでなく、当時のポップカルチャーの一端をも担っていたともいえる存在だった

ただひとつ言えるのは
ビーイングはTVCMをガンガン打っていたこと
これは金がなけりゃマネできないが
先述の「顔が見えない問題」の裏には
コスパが悪いからライブはやらなかったということがある。
これは武道館なんて目指さない地下アイドルに通じるぢゃないか。

てなわけで、
天王寺鑑賞に戻ると…
まずイントロはピアノの高音部を使ったトイピアノ風の演出か?
いっそホンモノのトイピアノを使えばいいのに
って「ホンモノのトイピアノ」というのは「本物の練りワサビ」のごとき本末転倒な表現かw。
え?トイピアノのつもりやない?
画面がトイカメラ風の色調なのでてっきり呼応しあう構図かと。
ノスタルジックな表現といえばトイピアノかオルゴールでしょ?
ちがった?

さて、Aメロ(B?)とサビにはビートルズからの引用がうかがえる。
ただ編曲者と作曲者が別なのでそれは気のせいと言われたら
ああそうですかとしか言いようがないが、面白いのでこのまま続けることにする。

Aメロ(B?)のバッキングは「ストロベリーフィールズ」のごときメロトロン風

メロトロン風という表現もさっきのホンモノトイピアノのような矛盾を含んだ言い方かもしれない。なぜならメロトロンもモノマネ楽器だからだ。
メロトロンはサンプラーの始祖みたいな楽器で、鍵盤1つ1つに録音テープの再生装置がついている。理屈では色んな楽器が再現されるはずだが、そこはアナログテープなので古い映画の劣化したサウンドトラックみたいにも聞こえる。だからレッドツェッペリンライブの「レインソング」でこの楽器のストリングス音を聞いたときは「ゴジラ」を連想してしまった。

つまりはこれもある意味ノスタルジックサウンド。
とはいえ、文章で構造を説明しただけでも当時としてはさぞや高価な楽器だったのであろうという想像がつくと思う
そう、英国のロックの歴史の多くの部分は、階級社会の上の方が担って来たのだ
Queenもしかり…

Queenといえばブライアン・メイが新型コロナ肺炎に感染したらしい
命に関わる病なので、ザマミロとは言わないが
クラプトンに対するあの態度はいただけなかったぢゃないか
いけすかない上流階級。
映画「ボヘミアンラプソディ」フレディの欠席裁判ぢゃね?
と思ったのは私だけだろうか。

さて、いまひとつの引用元は
「アクロスザユニバース」だ。
こじつけ?
だって仕方ないじゃないか
口ずさんでると
「今さらやけどrain into a paper cup」
とかつながっちゃうんだから。

ちなみに
しかたないじゃないか

しことのいじょのいこ

「o」の母音にして撥音するとえなりかずきに似るらしいw

というわけで
大石氏のビジネスモデルの全貌は解明できなかったけど
今後もあともう少しだけ観察してみようと思った
だからといってグッズを買ってみたりはしないが…

よくいう「事務所のせいで売れない」
タレントの我がままセリフの代表だが
実はコレ半分くらいは正しい言い分かもしれない
だってプロの目利きとしてピンときて
「お、きみ芸能界にキョーミある?」と誘ったんだったら
もっと工夫してみろやってハナシにもなる。
ビジネスの世界では敏腕営業マンについての表現で
「砂漠で砂を売る」なんてフレーズがあるくらいだ。

プロモーションの分野も
コーチングの分野も
まだまだ進化する余地はありそうだ。
京都のパイセン、野村克也監督
「ノムラ再生工場」なんて言葉を流行らせた。
その手があったか、はまだまだあるはず。

ところで大石氏率いるハップレコーズの業務内容に

1.芸能タレント、音楽家、スポーツ選手、インストラクター及び映像技術者等の養成並びにマネージメント

ってあったけど、
スポーツ選手はさすがにマネージメントだけで「養成」はしないよな(笑)
いやマネージメントだけでも胡散臭さがにじむが…。
でも社名にハップ(happ)と謳ってるとこみると
やっぱあのハッキング事件は狂言だったんだな、とわかる。


さてさてさて
「ビートルズ」と「引用」というキーワードが出てきたので、ビートルズに関する引用を紹介しておわろう

 50年代、60年代のポップスは、音楽としての完成度という点では頂点を極めていたように思うのだが、それは逆に聴く側に欲求不満を与えていたのではなかったか。ビートルズはそれをうまくとらえたわけだし、それは、ロックの歴史で常に繰り返されてきたことだ。音楽的に、技術的に完成度が上がってくると、それは力を失ってしまう。ミュージシャン個人や、バンドの問題ではない。プレスリーも、ビートルズも、セックス・ピストルズもその未成熟さ、異物感によって、オーディエンスの必要とするものを、提供していたのだ。

『ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた』鏡明著

なんと
大石氏が言っていた
不完全さや成長過程も商売になるという
アイドルビジネスとの相似が
ビートルズにもあったとは!

今度はあのニューヨークタイムスで11週間1位を記録したベストセラー
「Outlier」
から

まずはほぼ冒頭の55ぺーじから
But what truly distinguishes their histories is not their extraordinary talent but their extraordinary opportunities. The Beatles, for the most random of reasons, got invited to go to Hamburg. Without Hamburg, the Beatles might well have taken a different path. "I was very lucky," Bill Gates said at the beginning of our interview. That doesn't mean he isn't brilliant or an extraordinary entrepreneur. It just means that he understands what incredible good fortune it was to be at Lakeside in 1968.
(ざつな意訳)
しかし、彼らのキャリアを際立たせているのは、彼らの類まれなる才能ではなく、彼らが得た類まれなるチャンスなのだ。ビートルズはほとんど偶然にハンブルグに招かれたがそれがなければ違った道を歩んでいたかもしれないのである。「ボクはほんとラッキーだったんだよ」あのビル・ゲイツさえもインタビューの冒頭でまずそう言ったのだ。これは彼がたいした人物でなかったといっているのではなく、彼が自分の並外れた幸運について自覚してたということだ。

『Outlier』Malcolm Gladwell著

けっこう終盤の267ページから
Nor is success simply the sum of the decisions and efforts we make on our own behalf. It is, rather, a gift. Outliers are those who have been given opportunities-and who have had the strength and presence of mind to seize them. For hockey and soccer players born in January, it's a better shot at making the all-star team. For the Beatles, it was Hamburg. For Bill Gates, the lucky break was being born at the right time and getting the gift of a computer terminal in junior high.
(ざつな意訳)
成功と言うのは単に個人の努力や正しい決断の結果得られたわけではないのだ。それらはむしろ「ギフト」つまり天運の要素がデカい。ただレベチな人たちというのはそのチャンスをものにするための強い意識を持ち合わせた人らのことなのだ。「天運」というのはホッケーやサッカーの代表クラスの人々にとっては「1月生まれ」ということであり、ビートルズにとっては「ハンブルグ行き」ということであり、ビル・ゲイツにとってはタイミングよくいい時代に生まれることができて中学時代にコンピューターと出会えたことだ。

『Outlier』Malcolm Gladwell著

「ギフト」というのは英語では才能のことを言うので一見まぎらわしいが
人知や努力の及ばない領域という点ではおなじことだろう。
アメリカンドリームの国でこうした本が流行ることが興味深い。
これはキリスト教の宗教観なども影響しているのだろう。
その結果が、ビル・ゲイツの財団設立だったりするわけで。

さて、とりあえず今後も
大石氏に限らず
「やりがい搾取」ということばはウォッチしていきたい。


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