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越後湯沢へ移住記録(リスク検討編)

関連記事:建物計画編

誰に向けた記事?

この記事は「東京で働きつつ,半田舎で暮らす」といういいとこ取りの生活をしたいと思っている人に向けたものです.例えば,私の場合には,人混みに行くとすぐに頭が痛くなる,いわゆる「人酔い」があり,東京にいてもとにかく人の少ないところを探してお出かけするような感じで東京が肌にあいませんでした.また,喘息などがあり,タバコの煙や排気ガスの影響を受けやすいです.一方で,仕事については大変に満足しており,将来的に転職することはあっても,勤務先は東京で良いかな,と思っています.(全般的に私が東京苦手感がにじみ出てしまっています...東京大好きな人は申し訳ないです)

また,この記事は子供がいる人向けの記事でして,仮に40歳で移住,65歳定年,子供は2人の4人ぐらしを想定した計算をしています.独り身で移住すると多分出会いがない上に,周りから浮く可能性もあるかなと思います.大人二人で東京に済んでいるなら,経済的にも余裕があるでしょうし,東京の方がおしゃれなお店とか色々楽しめると思います.

最後に,丈夫でランニングコストが少ない戸建てを建てられるなら,それが一番気楽だ,という人向けの記事です.ローコスト住宅はお得ではない,とか,都内の戸建ては信用できない,というのが私の結論です.光熱費ばかり加算で10年しか持たない家には住みたくないし,そもそも家の質は金銭的コストだけでなく,これは生命のコストにも繋がります.東京で耐震等級3の戸建てを手に入れるのはちょっと高すぎるし,かといって新築マンションも怖いと感じています.そもそも都内に住む選択肢は南海地震などの大規模災害などで,人口が多すぎて救助の手が届かない状況になりそうで怖いです.東京はコロナに関係なく,日常時でも救急車の到着にかかる時間ワースト1位だったりします.これが災害時になったら本当に大丈夫なんでしょうか...正直「赤信号,みんなで渡れば怖くない」みたいになっている気がします.でも,世の中そんな都合が良いものですかね...(不安を煽りすぎかもしれないが...)

なお,この移住を計画したのは実はコロナが始まる直前,2019年の9月頃です.まだリモートワークが社会に浸透していなかったので,最悪毎日新幹線で通勤するつもりで計画・決断しました.なので,この記事は必ずしもリモートワーカーに向けたものではなく,大宮・上野・東京で乗り換えて15分圏内くらいに職場があるのであれば通勤もできるのではないかな?と思っています.東京や大都市が住みにくいと感じている人は,移住を検討する価値,十分にあると思います.

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もう一つ,前置きしておくと,この記事はいわゆるリゾマンへの移住の方法ではありません.よく,リゾマンは負債という記事がありますが,通勤・通学などの利便性が良いファミリーで入れるようなリゾマンは,ほぼ埋まっており,良い物件はなかなか見つかりません.なので,選択肢としては中古住宅を買ってリノベーションor建て替えしたり,新築したり,というものがメインになるのではないかと思っています.もちろん,良い物件があればリゾマンもおすすめです.なんか子供が毎日同級生と一緒に大浴場で遊べたり,色々と子育てが楽になりそうな要素があるみたい.短期移住とかで数ヶ月単位(ただし前払い)で借りれたりするらしいので興味がある人はYouTuberの人がレポートあげていたりするので,そちらも調べてみると良いと思います.

誰が,何の目的で書いているの?

私は都内で務めるIT系のエンジニアです.現職の前は京都におり,東京には2018年に引っ越してきました.

前述の通り,コロナが始まる前の2019年秋に計画を始め,色々あって2021年の11月にようやく引っ越しできそうな状況になってきたので,ここまでの過程で検討した様々なことを忘れる前に一旦まとめておこうと思い,この記事を書き始めました.

もう一つの動機は,似たような境遇の人が湯沢町に移住しやすくしたい,という気持ちからです.これは世のため人のためというよりは自分のため,つまり,「仲間」が多い方が子供の遊び相手が増えたり,バーベキューとかキャンプとかを一緒に行く友達ができやすいなーという自分の都合です.なので,ゆるい動機ではありますが,ある種のポジショントークになってしまっているかもしれません.大事なのは自分で考えて決めることだと思うので,この記事はあくまで参考程度として,これをたたき台に色々と検討を進めてもらえれば幸いです.

移住の動機,何を捨てて何を取ろうとしたか

いよいよ本題,東京から越後湯沢に移住すると何が変わりそうか?ということについて(実際の移住はまだですが)検討したことを書き出します.ここで自分なりに大事だと思っているのは「移住のメリット・デメリット」と同じくらい「現状維持のメリット・デメリット」を検討するようにしたことです.

生活費:東京は家賃/土地代が高いです.一方,湯沢から通勤すると新幹線代が月17万ほどとなります.会社の補助の制度にも依存しますが,仮に住宅補助がなく,通勤費が月5万円くらいつく条件で,25年くらい通勤する(40歳で移住する)場合,プラマイゼロくらいになると思っています(詳しくは後述).一方,車がないと生活できない,というところはあるので,車の維持費(税金,車検費用,減価償却をあわせて年間20万程度?)は湯沢の方が上がる可能性があると思います(ガソリン代は東京在住の場合の電車代やカーシェア代とざっくり相殺して考えています).

子供の教育:バリバリ数学とか物理とかコンピュータとかができるスーパーな子供を育てたいのであれば,あるいは,前衛的な芸術が理解できるバリバリハイセンスな子供を育てたいのであれば,これは東京に軍配があがります.特に,東京の方が本物に触れられる機会が多いので,子供が中学生くらいになってくると東京の方が学びの機会が増えると思います(参考記事).一方で,たまに本物に触れるだけなら,越後湯沢から新幹線で往復1万2千円で東京にいけます.なので,本気で「バリバリすごい子」を育てようと思っている教育熱心な方にはおすすめできませんが,「普通に独り立ちしてくれれば良い」と思っている人なら越後湯沢は十分ではないでしょうか?ちなみに偏差値の高い高校は浦佐(新幹線で一駅新潟側)にある「新潟県立国際情報高等学校」というところで,スーパーグローバルハイスクールを獲っていたり,高校のレベルとしては全く問題がなさそうです.通学には1時間くらいかかりますが,子供が一番体力ある時期ですし,3年程度なんで,それくらいは苦労してもらって良いかなと思っています.もちろん,それより下のレベルの高校もちらほらありますし,長岡まで範囲を広げればかなりの選択肢があります.大学は遠隔地に一人暮らしになると思いますが,一人暮らしを経験するのは大学くらいからが良いのではないかとも思っていますし,結局,東京にいたって関西の大学とか北海道の大学とか海外の大学に進学したりといったことはありえると思うので,自分は余り気にしませんでした.
なお,湯沢周辺の高校は全て公立なので,東京で私立の小中高校に進学させるのに比べて,圧倒的にコストがかからないでしょう.たまに大都市出身でご存知ない方がおられますが,地方だと公立の方が偏差値が高いのは割と普通です.(逆に自分は都内の私立・公立の差がよくわかっていません...この記事を書くにあたって改めてググっていたら実態は8割は公立の中学校へ進学などいうデータも書いてありますね).

仮に東京で子供を2人育て,幼稚園から高校まで私立に通わせる場合,学費や教材費,通学費用などにかかるコストの差を年平均50万と見積もった場合,11年x2人x50万=1100万くらい東京の方がコスト高です.以下,幼稚園から高校までの私立の学校の学費(教材費・通学費は含まない)です.高すぎ...
- 都内の私立幼稚園費用: 補助内容が区によって違うが,概ね補助金で払える
- 都内の私立小学校費用: 平均 768,383円 (寄付金除く) 
- 都内の私立中学校費用: 平均 770,463円 (寄付金除く)
- 都内の私立高校費用: 平均 740,515円 (寄付金除く)←世帯年収910万円以下の場合はほぼ補助金で払える(リンク先参照).それ以上の場合,こどもが3人以上いる場合に限って6万円弱の補助がある.いびつ...

※上記の平均額だと高校が補助金で払えたとして年平均63万円,払えない場合は年平均83万円かかります.ただ,この平均額は学費が高い一部の有名私立に引っ張られていて大部分の私立学校は平均以下の費用しかかからないようです.また公立の学校にも若干の授業料負担があるため,差額としてはざっくり平均50万で算出しました.
※ 東京でも小中高を公立の学校に通わせるなら上記はかかりません.一番教育費がかからないのは多分,大学まで全部都内の国公立にいかせることでしょう.一方,今後,人と違う経験や知識が大事になっていくとすれば,18年間東京育ちな子供が将来仕事につくとき不利にならないかの方を個人的に心配していて,簡単に差をつけるなら東京と田舎の両方を知っている人になってもらうべく湯沢,という選択肢かなと思っています.

ちなみに,湯沢町では保育園から中学校までの学校を全て一箇所に集約したゆざわ学園という町立の学校に通うことになります.

レジャー:アウトドア派な人にとっては圧倒的に湯沢に軍配があがると思っています.自分が札幌出身でスキーが得意,というのもあります(越後湯沢はスキー場の方がスーパーの数より多い,町民割引で各スキー場共通シーズンパスが激安).でも,夏も川遊び場やキャンプ場が周辺にたくさんあり,秋の紅葉ももちろん綺麗です.毎年,花火大会もあるみたいで,楽しみにしています.レジャープールまであるんです(町民割引だと親子のシーズンパスが6000円とかです).駅から車で30分くらいのところにある苗場ではフジロックもあります.登山するにもコース選びに事欠きません.一方,東京で同じような遊びをしようと思うと,車で高速を2時間は走る必要があり,帰りは渋滞で3時間くらいかかります.5時間の移動時間が,湯沢出発だと1時間以下になり,毎週末レジャーにいっても疲れ果てることは無いかなーと期待しています.なお,海だけは多分2時間くらい車を走らせないといけないです(これは東京も似たりよったり?).
反対に,映画とかテレビ局のイベントとかライブとかコンサートとか遊園地とか,そういったものは東京の方が圧倒的に便利ですね.特に映画館は湯沢から最寄りのものが長岡市か高崎市になってしまうようです.また遊園地は正直,大きなものはないですよね...まぁ,そっちはディズニーランドに連れて行けば良い,と思っています.

グルメ:湯沢は観光の町だけあって,普通の地方の町とは違って飲食店が多い印象です.中には観光客しかいかないようなお店もあるでしょうが,米どころ・酒どころなので美味しいお店も多そうです(まだ住んでいないので希望的観測).東京の場合,美味しくないお店でも経営が成り立つからか,予約無しで並ばずにふらっと入れるお店はびっくりするほど美味しくないことがあります.逆に,美味しいものを食べようとおもったら,かなり前から予約をしたり,長蛇の列にならぶ必要があります.湯沢ならその日の気分で美味しいお店にふらっといってごちそうを食べる,なんてことができそうです(というか,東京・大阪・京都・福岡以外ならどこでもできると思いますが...).

通勤時間:東京で今住んでいる家から職場までは歩いて50分,バスで40分,電車でも40分かかります.なお,バスや電車内では仕事はできません.歩いているときはかろうじて色々考えながら歩くことが可能です.自転車は危なすぎてちょっと自分には考えられません(坂も多いし...).
越後湯沢から職場に行く場合,70-80分くらいが新幹線で,15分が地下鉄などとなります.また,湯沢始発の新幹線もあり,そうでなくても,席には座れるようです.私は新幹線の中では非常に集中できる性格なので,この時間はずっと作業ができると考えれば,実質通勤時間が15分くらいに短縮されるような気持ちでいます.ちなみに,上越新幹線は湯沢を出てしばらくトンネルですが,トンネル内でもJRが提供するWiFiだけでなく,各社の携帯回線が問題なく使えます

リモートワーク:越後湯沢には最近,コワーキングスペースが増えてきています(こことかこことか).もちろん,家の広さに余裕があれば書斎を持つことも可能です(私は家に書斎を用意しました).なお,現状で光回線はNTTのみで,KDDIの光回線や最大容量2GのNURO光,あるいは地方のケーブルテレビ局が独自に運用する光回線なども無いようです.一方,東京だとマンション住まいが多くなると思いますが,マンションだと建物内で回線容量の取り合いが生じるので,総じて戸建ての方が通信速度は速いようです.少なくとも,今の私の住居では平日夕方などに急にZoomでもミーティングが難しくなるときがありますし,子供に外で遊んでいてもらうわけにもいかないので,劣悪なリモートワーク環境となっています.

健康:私は命に関わる深刻さはないもののアレルギー体質の喘息持ちです.これらのメカニズムについては,情報が錯綜していて何が正しいのか専門家ではない自分にはわからないのですが,喘息やアレルギーはアレルゲンと車の排気ガスなどの化学物質が同時に存在する場合などに引き起こされやすいという情報があるようです.この点では田舎の方が自分には良さそうです.SARS(2002),MERS(2012),Covid-19(2019)は10年毎にやってきています.また,その間にはエボラ出血熱のパンデミック(2014)もありました.そう考えると,今後も類似の疫病による被害が起きる可能性は高く,Covid-19が終わっても,今回と同様の事態になるリスクは高いと予想しています.そうでなくても,子供が何らかの感染症(風邪やインフルエンザなど)をもらってくるリスクは東京の方が高いかなと思います.バリバリ仕事をしたいなら,むしろ田舎やろ,と思っています.

気候:湯沢町の移住担当の方は「湯沢も暑いんですよ」とおっしゃっていましたが,過去の天気のデータ(リンク先のグラフ,実線が湯沢町,点線が東京)をみると,越後湯沢の方が東京より3度くらい低そうです.天気予報で発表される気温は基準となる観測地点の環境にもよるので,体感的にはさらに差があるのではないかと期待しています.なお,越後湯沢は曇りの日も多いようですし,山あいの町なので日が落ちるのも早そうです.東京で日当たりのいい家にすむ方が気持ちが良い,ということもあるかもしれません(...が,東京にいるとそういう家の家賃が...)なお,当然ながら越後湯沢には積雪があります.ただ,降雪を感知して井戸水を組み上げ,敷地内の雪を溶かす設備があれば戸建てでも雪かきの心配はほぼなさそうです.あとはスタッドレスタイヤが必要なところでしょうか.タイヤの交換は北海道に住んでいた小学生のころに親の手伝いでやっていましたが,一箇所毎にジャッキアップしてボルト外して付け替えるだけなんで自分でできると思います(ただし,その後で空気圧の調整などはガソリンスタンドなどでやってもらう方が安心).

生活:まだ実際に生活していないので,ネットでわかる情報だけになりますが,スーパーはスキー場ほどたくさんはありません(-_-;)町内に4件くらい?ただ,ほとんど一通りの必要なものは揃いそうです.なければ車で25分くらいの六日町まで行けば,何でも揃いそうです.
実は湯沢町には都市ガスが来ていません.ガスを使うならプロパンガスということになります.また,新築住宅やリフォーム住宅ならオール電化一択となります.
なお,町内の道は結構細い路地まで,水が噴水みたいにでて雪を消してくれる消雪パイプが設置されてます.雪があまりに多い時は車での移動も難しい日があるかもしれませんが,北海道のようにツルッツルのブラックアイスバーンでブレーキ踏んだら即ABS作動!みたいになったりすることは少ないのでしょう.

天災・戦争リスク:湯沢町は地盤が強固です.六日町断層の南部が湯沢町の方へ伸びていますが,次の活動期は4000年後くらいと評価されているようで,大型地震のリスクは非常に小さいようです.また,河川の上流にあたるため,降雨による水害の危険も全くないようです.ただし,山あいの町なので,土砂災害には気をつける必要があるようです.これはハザードマップを参考に,沢の下など一部の危険な地域を避ければ良さそうです.なお,周辺の活火山のうち,影響がありそうな西側の活火山は妙高山と新潟焼山があるようです.それぞれ62Kmと68Km離れていて,リスクは低いかなと思っています.雪については例年のことなので,高気密で高断熱な住宅やエコキュートなどによるお湯の確保さえしておけば問題ないと考えています.

一方,東京の災害リスクは南海地震や洪水(特に江戸川区などのあたり),富士山の噴火による降灰などがありそうです.また,戦争などの有事の際にも,攻撃目標になることはなくても物資の不足によって食料確保が困難になるなどの危険があるかなと思います.その点,農村地帯に住むことはリスク回避になるかなと思っています.また2015年にビル・ゲイツが訴えた疫病のリスクは今回の件で終わったわけではなく,台風や地震と同じように繰り返されると思うと,これも東京に住むことのリスクといえそうです.

自治体の財政状況:公共サービスの継続性や充実度も重要な指標です.プールがあったり町民割引が充実しているからといって,財政状況が悪いと京都のようにサービスの継続が難しくなる危険があります.湯沢町は現状,歳入が歳出を上回っており,財政は健全に見えます.長年,地方交付税を受けずに黒字財政でしたが,財政力がやや低下し,2012年度から34年ぶりに交付金を受け取っているとのことです.ちなみに交付金を受け取っていない地方自治体は昨年度で75市町村なので,交付金を受け取っていないからといって,財政状況がまずいというわけではまったくないです.むしろ原発も大企業もなく,長年ここに名を連ねていたのが凄いな,と思います.現状でも98%以上は自前の収入で成り立っているように見えます.

これに対して,東京はコロナ対策等で貯金がほとんどなくなってしまったようです.今後もリモートワークの普及や,第2,第3の疫病や大規模災害が起こってしまう可能性を考えれば楽観視はできず,大都市の優位性は多少損なわれているかもしれません.

将来性:湯沢で住宅を手に入れたとして,資産価値が将来的に上がることはないと思っておいた方が堅実的でしょう.そもそも,住宅ローンを組む場合の資産評価がネット銀行などだと土地によってはマイナス査定となり,ローンが組みにくい場合もあるようです(うちがそうです...).将来的に他人に売る家を建てるつもりの人には湯沢は全くおすすめできません.ただ,老後までここに住む!と決めているなら,子供を育てる段階で移住した方が,お友達が作りやすくて孤独な老後になりにくいと考えています.もし家を売るタイミングが自分たちが死んだ後となるなら,家を継いだ子供が売却しやすい物件にしておくことが大事かなと思います.あるいは自分か配偶者が最後に老人ホームなどに入る時の費用がまかなえる程度,と考えています.
ちなみに,湯沢の土地価格の推移を見る限り下げ止まりの様相となっており,おそらくここからさらに下がるリスクはほぼないかなーと思っています.
反対に,東京で子育て用の住居を購入する場合,子供が独り立ちした後はより安い家に引っ越すため,購入した家を売却するタイミングは例えば今40歳なら25年後くらいになります.人口動態の将来予測(リンク先のP.24 図1-3)をみると65歳以上の高齢者の人数はまだ全く減っていません(それどこから地域別の分析資料を見ると大都市圏では大幅に増加と予測されている).逆にいうと,我々が定年退職する頃には老年世帯が住みたい家の需要は高騰していると思われます.逆に働き手世代は25年後に5/7くらいに現象します.従って,25年後は子育て世帯向けの物件の需要が72%くらいまで下がっているでしょう(人口動態は今の出産適齢期人口と出生率から予測可能で,未来予測というよりは現時点で観測済みの数値です).従って,東京近辺では30年後のファミリー向け物件の価格は下がる可能性が高いと見ています.今,40歳くらいの世代は,常に上が詰まっていて,上と同じことをすると周回遅れすぎて不利となる,というのが自分の考えです.上の世代がまだ手を出していないフロンティアを上手く見つけるのが,幸せに生きるこつかなーと思っていて,湯沢は一周回って,いまフロンティアなのでは?と思っています(あるいは資産力でゴリ押ししたり,耐震性が怪しい中古住宅で上の世代が抑えているいいところに割り込むか...).

老後の妄想:子供が成人した場合,家をでていくことになる可能性は高いと思います.一方で,リモートワークが増えていけば,子育て期間だけ一時的に実家で生活,といった選択も増えると思われます.湯沢は子供を全力で遊ばせられそうなスポットがいくつもあり,子供が子育てをするころに良い二次拠点にしやすいと感じています.都内でも,子供世帯が近くにいる状態になる保証はどこにもありませんし,宿泊していってもらうことも難しいと思います.また,人の多い駅での乗り換えが何度もあると子連れの移動は大変です.そうすると,むしろ,近くて遠い距離感になる可能性もあります.そういった意味で,子供が将来独り立ちした後に,地元とか実家といったリフレッシュがてら長期休暇できる場所を用意できるのは利点かなと思っています.

まとめ:移住するよりは都内にいる方が,子供の教育費が嵩みそうです.し,そもそも学校ごとに子供の親の収入(←学歴と相関あり)に偏りがある状況が健全

💰💰💰 お金について 💰💰💰

金銭的な計画を建てるにはファイナンシャルプランナーに相談するのが良いと思います.ただ,銀行や建築業者と繋がっているファイナンシャルプランナーには常に不安がつきまといます.なので,自分でもある程度検討を進める必要があります.以下では,住む場所に依らない固定費は除いて,移住する/しないで変化しそうな項目を比較することで意思決定を行った記録です.

土地+建物:
東京23区内の戸建て建売住宅は正直ありえないと思っています.
また,新築住宅やマンションも結構リスクがあるなーと思っています.
地震や災害で潰れず,かつ,快適な住居を23区内で確保するには,どんなに安くても税抜5000万はかかると見ています.東京で働き続けるなら,同じくらいの額をかけられる可能性があります.そうすると,前述の消雪井戸の費用300万を引いて4700万くらいが住居にかけられる費用となります.大体,戸建てを建てるのに必要な土地は湯沢なら800万くらいからありそうなので,建物には3900万くらいかけられるかなと思います.なお,中古物件を購入して建て替える場合,古い住宅の撤去費用が200万くらいかかるかもしれません.そうすると,都内と同じレベルの費用を書ける場合,ざっくり3,700万円くらいを建物にかけられることになります.

なお,例えば六日町にある工務店であるユーホームズさんが最近発表した規格住宅f(エフ)なら税込2,300万円とのことなので,仮にこちらで住まいを建てた場合には湯沢に移住する場合の方が1,400万円お得ということになります(我が家はしっかりした書斎が必要であったために,もう少し大きい自由設計の住宅でこれより高い金額になっています...).これはガレージ(orカーポート)などが別なので,外構その他でさらに300万円くらいはかかるのでは?と思います.それでも,3,700-2,600=1,100万円くらいはお得になりそうです.

なお,家を建てる場合,いくつかの補助金があります.東京からの移住で100万円程度,環境に良い高性能住宅を建てる場合,さらに100万円程度の補助が受けられる可能性があります(後に執筆予定の「越後湯沢へ移住記録(建物計画編)」で詳しく書きます)

教育費:
上にも記述しましたが,高校まで,東京で私立に通わせる場合と湯沢で公立に通わせる場合でざっくり1100万円くらいの差がでると思います.ただし,子供が東京の大学に通う場合,東京に家を持っている場合に比べて1100万くらい余分に費用がかかります(子供の住居費等を月10万円として2人x4年で960万くらいかかります.この場合,湯沢に移住しても140万程度の差額になります.私立に通う費用をかなりざっくり計算していることを考えれば,移住をして,かつ,子供が東京の大学に進学する場合は教育費には差がでないと思われます.

電気代・暖房費:
高気密・高断熱住宅に住む場合,東京の戸建てよりは遥かに安い冷暖房費になると思います.ただし,消雪のためのポンプの稼働でそれなりに電気代がかかるため,トータルは大きく変わらないと予想しています.我が家ではこのあたりを考えたサイズの太陽光パネルを工務店におまかせで選んでもらって設置しているので,追加費用300万円くらい?でゼロエネ住宅となっています.仮に15年稼働してくれたら光熱費が年額20万くらいですね.今の東京の住まいでも電気代が2万円を超える月はちょこちょこあるので,かなり面積が変わりますが,電気代は大きく変わらない(15年で壊れなかえれば黒字化する)と見込んでいます.

交通費:
都内の通勤定期を仮に月4万円くらいと仮定します.湯沢町は新幹線通勤の補助が15年間は支給されます.これが月5万円ほど.東京までの定期は15万円なので,差額の12万円を会社からの通勤補助と自腹を組み合わせ払う形になります.仮に補助が5万円でるとすると月5万円が自腹(15年目からは月10万円が自腹)になります.これを仮に25年続けた場合,2100万円かかります.一方でリモートワークで週1出勤の場合は正規運賃でも月5.2万円ほどで,会社で支給される交通費でまかなえる=自腹は0円で,この費用はかかりません).まとめると,移住する場合でかつ,リモートワークをしないなら2,100万円の追加費用がかかります.なお,夫婦共働きで両方新幹線通勤だと,これが倍になるので,流石にその場合の移住はないかなーというのが個人的な意見です...

まとめ:
お金という観点でみると,ケースごとにどちらが得かはかわりそうです.
仮に湯沢に移住すると仮定すると,

1. 子供が東京以外の大学に進学する場合 +1,100万円お得
2. 建物の予算を3,700万円とする場合 ±0円お得
3. 定年退職まで新幹線通勤を続ける場合(会社からは交通費が月5万円程度しか支給されない想定) -2,100万円お得 (=2,100万円の損)

となります.やはりリモートワーカーが金銭的には有利といえそうです.逆に毎日新幹線通勤する場合,東京で7100万円台の物件を買う場合と同じくらいの金銭的負担で移住が可能といえるかもしれません.もちろん,未来のことはわかりませんが,それは東京に住む場合でも一緒.現状維持のための負担(=東京に住み続ける場合の負担)を誤ってゼロで見積もることなく考えてみるのが大事かなーと思っています.

余談・企業の人事の方へのメッセージ):企業がリモートワークをOKとするだけで社員に上記の値段の価値を提供している,とみることもできるかもしれません!リモートワーク進めましょう!

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