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初めての松剪定

松のお手入れをすることになった経緯

現在の家に移り住んでから、庭のお手入れは定期的に行ってきました。
基本的に自然の力にお任せして、自分はその補助をするくらいのスタンスです。

黒松のお手入れは、素人考えで特に必要であるとは思っていなかったのですが、大家さんから剪定のご依頼をいただきました。

以前住まわれていた家主の方が、庭いじりが大好きでマメに手入れされていたことが伝わってくるお庭なのですが、空き家になってから8年もの間に、年に数度の庭師さんの手入れになり、一回ずつの剪定代が高額になってしまい、現在の大家さんも剪定を頼める人がいなくなって困っていたそうです。

素人の作業で良ければという断りを入れて、受けさせていただくことにしました。 自分なりに調べたポイントを備忘録として記しておきたいと思います。

松(黒松)の剪定

・切り旬(冬のお手入れ):11〜2月
・枝を切る順番:上 → 下、中央 → 外
・最初に大きく出た新しい枝を優先的に切っていく
・切る位置は、新芽の手前、枝分かれの手前で、中途半端な長さの枝が残らないようにきれいに落とす
・ポッカリと穴が空いたような部分ができないように、下に枝があるかどうか確認しながら切っていく
・3方への枝分かれは、基本的に真ん中を切る
・残した枝の葉は手でむしり取る(葉もみ)
・自然に落ちる枝などは落としてあげる
・ごちゃっとしている部分は、(葉もみしながら)枝を間引く
・枝同士がぶつかっている場合は、良い方を残して片方カットする
・木の健康を考えて、切り過ぎには注意する
・強すぎる枝は、下の方から切って良い
・下の枝は残し目にする

わかったこと

剪定を終えてみてわかったこととして、とにかく枝の間に陽の光と風が通るようになって、松自身も快適そうに見えることがあげられます。

剪定前に伸び切った枝たちはお互いに衝突しあい、日光が当たらなくなってしまった部分は枯れて、脆い状態になっていました。

これはこれで野生のしくみ(自然淘汰)なのかもしれませんが、ここに人の手が加わることで、松との掛け合いが始まるところに剪定の面白味があるのかなと思わされます。

幼少期に母方の爺ちゃんが剪定作業をよくやっていたのを思いだしたのですが、手入れによって枝ぶりや風情を表現する楽しみがあるのかもしれません。

お互いに生きとし生けるものの一部であることを考えると、子育てのような、ペットと飼い主との関係のような状態がお手入れによって発生して、野生化して少し荒れた状態から佇まいが変化するところに嬉しさを感じます。

また機会があれば挑戦したいと思います。

設計、左官、古民家改修等、日々の活動から得た考えや気づきを共有させていただけたらと考えています。