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まだまださまよえる喫茶店(上演の報告と上映会&配信のお知らせ)

前回の記事でお知らせした「さまよえる喫茶店」、無事終了しました。


年末年始はほぼ休みなくこちらの準備をしていたのだけど、それでもギリギリまで技術的にうまくいかなかったり、演技やタイミングがしっくりこなかったりで、ドキドキしながらの本番。

個人的には、VRを使うシーンでいつもwifiが切れちゃったりうまくログインできなかったりするトラブルが発生するので、そこが一番緊張するシーン。ちょうどりえちゃんとさほさんがチェスvs将棋の真剣勝負のシーンをやっているところなので、二人にそのシーンを引っ張ってもらいながら、なんとか本番は乗り切りました。

一番安心してできたのはベケットの「言葉なき行為」を劇中で演じるシーン。本来はト書きだけが書いてある男性一人の無言劇で、繰り返し倒れたり起き上がったり、水差しを取ろうとして取れなかったり、みたいなお芝居なのだけど、今回は3人の女性が代わるがわるそのト書きを読んで、男性がそれに従って動かされる、という演出に。

これは実際にベケットが書いたしっかりとした台本があって、それを舞台上で朗読すればあとは書いてある通りにみんなで動けば良いので、とても安心してできるのだ。前回の記事にも書いたけど、そもそもベケットをこの現代にそのまま上演して面白いのかどうか、というところから始まったような作品でもあるのだけど、こういう形で劇中劇として上演するのはとても面白かった、という実験結果でした。さすがベケット。でも無言劇として本当にそのまま上演するのはやっぱりどうなんだろう?劇中の会話でもちらっと言っていたけど、それってちょっと考えるのを省略して、脳に楽をさせているという部分もあるんじゃないだろうか?これはベケットのお芝居です、と言っちゃえば、観る方もそうかそうか、とそれだけで納得しちゃう部分もあったり。それではもはやベケットが本来求めていたものとは違うものになっちゃっているんじゃないだろうか。

最初のシーンで私が遅れて入ってくるお客さんの役をやるんだけど、会場のenneのオーナーの土屋さんが本当に遅れてきたんだと思って外まで出迎えにきてくれたり。真野くんが携帯の電源をを切り忘れて本番中に携帯電話が鳴っちゃうという演出があるのだけど、一番前にお客さんとして座っていた谷さんの携帯も本番中に鳴っちゃうというハプニングがあったり。観ている方も演じている方も、本当にどこまでが演技でどこまでが本当のハプニングなのかわからなくなってしまいそうな感じ(笑)。観にきていた方は、もしかしたらそれも全部演出だと思ったかも!?

写真と文章だけでは一体どんなお芝居だったのかよくわからないかもしれないけれど、見逃した方のために、今回の舞台の映像配信&上映会をやることになりました!

日時:2022年1月30日(日)17:00〜
場所:喫茶ぱんとまいむ 名古屋市東区徳川町2501マルカネビル1F
(JR中央線・名鉄瀬戸線・地下鉄名城線「大曽根駅」より南へ徒歩5分)
※お店に1オーダーをお願いします

配信は、kinomalaboのホームページから。

上映会場の「喫茶ぱんとまいむ」は真野くんのお父さんがやっている喫茶店で、350円のコーヒーを頼むとパンとスープとお惣菜たっぷりのモーニングがついてくる個性的な喫茶店。本番当日には愛情たっぷりのケータリングの差し入れもいただいて、本当に感謝感激です!

意外と口下手で人見知りな私はちゃんと面と向かって感謝の気持ちやお礼を伝えるのが苦手なとこともあるのだけど、一緒に作ってきたメンバーはもちろん、演奏してくれたレーコさん(アコーディオンすごく素敵でした!)、場所を貸していただいた土屋さん、撮影してくれた啓さんや受付を手伝ってくれた三好さん、照明機材を貸してくれた土井さん、諸事情により寒い中こっそり外から観ていただいたマスターフゴ先生、そしてこんな状況の中でも観にきていただいた方や差し入れをしてくれた方々、そのほかいろんな形で関わってくださった皆さんに本当に感謝しています!

そしてこの作品、今後もいろんなところで上演してみたいなあと思っているので、ここでやってみたらいいんじゃない?とか、うちで上演してみる?とか、ちょっとピンときたきた方はぜひご連絡下さい。終わってからもまた新たなアイデアも出てきたりしているので、まだまだ懲りずにさまよい続けたいと思います。


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