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「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂1 ➤支出しないと生活できない… 前章の「働いて自立する」から、第4章では「支出」と「生活」にテーマを移していきます。「労働による経済的自立」を前提にすれば、そもそも私たちの行動は「働いて収入を得、その収入の一部を生活用品の購入にあて生活をする」というものです。現代社会ではどう転んでもお金なしに生きていくのは難しいでしょう。お金を使って雨風を防ぎ、お金を使って食料を得ます。つまりこの章のタイトルである「支出して
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂27 まとめ(3) 「支出して生活する」と題して記載してきた第4章も終わりに近づきました。実際の選択行動は個々のコンテクストによってさまざまであり、これを集約したような結論は正直あまりピンとこないところがあります。ただそうした様々な判断に至る前段階で整理しておくべきポイントもあるように思い、意思決定プロセスや支出効果において私たちが知らずに勘違いしがちな部分にスポットを当てて記載してきました。 住宅の選択や子
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂27 まとめ(2) 前回は本章の前半部分を振り返りました。支出判断時にヒューリスティックスが引き起こす認知エラーや報酬系回路によって生じる衝動と自制の葛藤などは、「単なる感情だけの問題ではなく、人間の認知装置の設計に起因する」と考える必要性があるようです。 こうした私たちの脳のはたらきや心の動きを前提にして、日常生活における支出の対象を「地位財」と「非地位財」に分類したのは「幸せとお金の経済学」の著者、ロバー
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂27 まとめ(1) 第4章は「支出して生活する」というタイトルで記載してきましたが、その内容は支出そのものより、その前段階にある支出の為の意思決定プロセスやそこで陥りがちな人間のシステムエラーの特徴などに焦点を当ててきました。 上記は、第1章🅂1で紹介したカーネマンの「ファスト&スロー」の引用ですが、以前の私の認識はちょうど「70年代までの社会科学的人間観」そのものでした。しかし現実問題として、これでは説明
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂26 リスクにかけるお金 前回はリスクと保険について記載しました。今回もその続きです。 私は会社員時代に第3分野の保険の募集資格を取得したことがあります。まだ入社間もない頃でしたが業務上必要になるということから、提携の損保会社の講習に参加しました。思えばこれが金融について勉強した初めの体験だったと思います。最近の金融機関では、内定が決まると数々の資格取得や金融リテラシーの学習を義務付けられているようですが、私の
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂25 リスクにかけるお金 前回は教育費の関連から子供の成長環境におけるリスクの重要性について記載しました。特に子供の成長環境の中で最初に記載した内容である「物理的精神的安全性(事故やケガ、犯罪などへの対策がしっかりと講じられおり物理的に安全であり精神的に安心できる環境)」については、最も基本であり重要なポイントになると考えられます。というのも、当たり前のことかもしれませんが大人になってもこうした環境は維持してい
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂24 教育にかけるお金 前回はより良い教育環境を提供するには、資金力のある有名私立が優位である可能性に触れましたが、それが結論という訳ではありません。むしろ私自身の個人的な考えとしては、小学校から中学校の義務教育のあいだは近所の公立学校に通学するという選択が賢明だと思っています。もちろん個々の諸事情を踏まえて私立を選択する方が良い場合もありますので、ここで記載するのはそうした特段の事情がない場合とお断りしておき
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂23 教育にかけるお金 前回から教育費の考え方について記載しています。 ➤パーソナル・ファイナンスと教育費 さて記載した通り「新米の親」として、その未熟さを踏まえた上で、パーソナルファイナンスにおける教育費について考えてみたいと思います。 「教育費」というテーマになるとよく耳にする「公立vs私立」という対比がありますが、これもまた🅂16「相対性の罠」で記載したように、多くの人にとってはほぼ不要なフレーミン
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂22 教育にかけるお金 住宅にかけるお金は何らかの形で一生涯負担するものですが、教育資金は期間限定的なものです。そもそも子育てそのものが人生のオプションと考えるなら用意する必要がない場合もあります。しかし仮に子育てを熱望していなかったとしても、実際に子育てをしてみると、その魅力にすっかり憑りつかれてしまうようなことが起こります。 私は二人の子供がいますが、生まれた時から愛情溢れんばかりに振る舞う母親の気持ちは
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂21 住まいにかけるお金 🅂19~🅂20と私たちの重要な選択な一つである「住まいににかけるお金」について記載しました。そして前項の最後に「シンプルな生活を実践する家計管理能力と一定の貯蓄能力、そして自分なりの住宅観がある程度定まってくると、その時々の判断には必然性が生まれてきます」と記載しました。しかしその「住宅観」は、短期間で簡単にでき上るものではありません。 私自身を振り返っても、18歳で東京での生活を始
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂20 住まいにかけるお金 前回から住まいについて記載していますが、私個人は「購入vs賃貸」といわれたら購入を前提に考えますし、また「マンションvs戸建て」というなら戸建てを選択します。それは、小さな平屋の家屋に芝生の庭作りたいと思っていたからです。ただ、若い時にこうした個人的な願望を持っても、これを実現しようとすると数々の困難が待ち受けています。バブル経済の最中、同僚たちが東京郊外に5~6千万円ほどの戸建て住宅
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂19 住まいにかけるお金 現代に生きる私たちが「生活する」ためには様々なものが必要です。一人暮らしを始める時を想像していただければわかりますが、まずは住む家、家具や電化製品、電気・水道・ガス、そして空っぽの冷蔵庫に電源が入り食料とビールを入れてやっと一息付ける?と思ったりします。その始まりは住むところであり、私たちはこれが決まらないと何とも落ち着きようがないことだけは確かなようです。 ➤借りるにしても買うにし
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂18 地位財と非地位財 私たちの支出行動を考えるために「ヒューリスティックスなどによる認知エラーの存在」や「衝動と自制の問題」、そしてさらには「相対的欠乏」から生じる「地位財の獲得競争」や「非地位財の重要性」について記載してきました。 ここまでの記載の中で、私たちが「ヒト」として持つ「系統的な判断リスク」をしっかりと認識したうえで、労働によって得た金融資産を「地位財・非地位財」にバランスよく投入していくことが
「A little dough」 第4章 支出して生活する 🅂17 地位財と非地位財 🅂15🅂16とロバート・H・フランクの著書「幸せとお金の経済学」から、「地位財と非地位財」「相対的欠乏」というテーマについて記載しました。私たちの支出行動を考える上でこの二つはとても大きな意味を持つと考えています。こののち、ライフデザインに沿ったファイナンシャルプランを実現していくためには、「ヒューリスティックスなどによる認知エラーの存在」や「衝動と自制の問題」と併せてこの二つのテーマと