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第3章 働いて自立する~未来に繋ぐ

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「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい… もっと読む
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🅂1 働いて自立する

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂1  第2章では、ライフ・デザインやファイナンシャル・プランについて検討ししてきましたが、第3章では「働いて自立する」というテーマを考えていきます。第2章で検討した私たちのライフデザインにおいて、とても重要な部分です。なぜなら「働く」という部分に、「私たちの人生の大半の時間を使う」という現実があるからです。 ➤成年となり、社会人となり、一人前の大人になる  未成年が成年になると、契約の締結などの民法上の権利を本

🅂12 働いて未来に繋ぐ(完)

「A little dough」 第3章 働いて自立する(完) 🅂12 ➤チャップリンの言葉の意味  「働いて自立する」と題したこの章の最後に、もう一度チャップリンの「ライムライト」の言葉の意味を考えてみます。  「A little dough」という言葉は、もともとの意味は「一切れのパン」という意味だそうです。それが転じて「some money」という意味になったわけです。働いて収入を得ることは、例えば「お腹が空いたのでパンを食べたい」という身体的な欲求を満たす為に行わ

🅂11 青い鳥を探す旅…

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂11   ➤「やりがいがあり、楽しめる仕事をしたい」  私は週末、近くのテニススクールでテニスを楽しんでいますが、以前そのスクールの学生コーチたちとよく就活の話をしました。特に、人事部の課長をしていた頃は、なにかと学生たちの質問を受けました。中には僕の勤務先に面接を試みた方もいたので、なるべく丁寧に話したつもりでしたが、なかなかこちらの意図は伝わりにくいものです。  彼らがほぼ口を揃えるのは、「やりがいがあり、楽し

🅂10 自分を活かす⇔他人を活かす

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂10 働く力を強化する(3)  🅂8~🅂9の中で 「3つの知能」によって行われるプロセスについて記載しました。①「学習する」②「抽象化する」③「適応する」といった知能が相互に関係するプロセスの中には、私たちの能力を高める基本的な思考スキル(具体化⇔抽象化)があると考えられます。私はこの思考スキルを意識的に使い鍛えることで「働く力」は格段に高くなっていくと考えています。ただ経験から学習することには自ずと限界があること

🅂9 抽象化⇔具体化

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂9  私たちの日常生活の多くは、思考・判断・行動の繰り返しによって成立しています。前回はその中で 認知心理学の「3つの知能」によって行われるプロセスについて記載しました。もともと①「学習する」②「抽象化する」③「適応する」といった知能は独立して働くと考えられますが、これらが相互に関係する基本的なプロセスの中で、私たちは新たな能力を身に着けているというものです。 ➤まず学習量を増やす(①学習)  私たちは経験から多

🅂8 働く力を強化する「3つの知能」

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂8  前回まで「働いて自立する」という枠組みの中で、「自己管理能力」とその応用形である「経済的自立」、更にはその延長上にある「FIRE」について考えてきました。今回からは「働く力を強化する方法」を考えていきます。具体的には、第1章で記載した認知心理学における「3つの知能」の活用法ということになります。 ➤「3つの知能」の基本的な働き  さて自己管理能力という基礎能力を磨きながら、一方では本業で働く力を伸ばしていく

🅂7 自由を求める先のFIREとは

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂7  前回、本田静六氏の著作からブレンタノ博士の言葉を引用しましたが、その中に「金の為に自由を制せられる」という件がありました。今回はその自由という言葉から出発して、最近よく紹介されている「FIRE」について考えてみたいと思います。 ➤労働と自由との関係  まず労働と自由(拘束)の関係についてですが、経済的な自立とは実質的な意味での個人の自由を担保するもの、といっていいと思っています。もちろん国民としての義務やコ

🅂6 ストックで強化する

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂6 経済的な自立(3)  🅂4~🅂5を通して経済的な自立について考えてきました。前回は、働くことによる経済的自立について記載しましたが、特に🅂2~🅂3で記載した自己管理能力がある程度身についていないと、継続することが難しいということになります。 ➤生活防衛資金をつくる  さて🅂4では経済的自立のもう一つの形として「ストックによる経済的自立」についてふれました。私たちの実際の収入は、働くこととストックによるものの両

🅂5 経済的な自立とは(2)

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂5 経済的な自立(2)  前回は経済的自立の二つのパターン、「労働による経済的自立」と「ストックによる経済的自立」について記載しましたが、いずれも自己管理能力がこれを支えるという点では共通しています。今回は「労働による経済的自立」の中身について検討し、自己管理能力とこれによってコントロールされるリスクについて考えたいと思います。 ➤労働による経済的自立  働いて収入を得ることは、それ自体で大きな満足感が得ることが

🅂4 経済的な自立とは(1)

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂4 経済的な自立(1)  🅂2🅂3では、社会人(=大人)に求められる能力として「自己管理能力」について考えてきました。働くために必要な自己管理能力とはいえ、最初から十分に備わっている人はいません。小さな失敗を重ねることで成長できればいい、と今でも私は思っています。ただ大きなダメージを受けるリスクは慎重に回避しなければなりません。そのためには、何時も「事の本質から目を背けない」という姿勢は一貫すべきです。 さて、今回

🅂3 自己管理能力(2)

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂3 (自己管理能力2)  前回、社会人(=大人)に求められる能力として、「自己管理能力」をあげ、そのうち心身の健康について記載しました。今回は2番目(コンプライアンス)以降について記載します。また、(3)については前回説明の通り、🅂4以降で記載します。 ➤(2)コンプライアンス(法令や社会規範の遵守)  成年であり且つ社会人であることを以って、大人として認められるといったことを前項で記載しました。しかし社会には生

🅂2 自己管理能力(1)

「A little dough」 第3章 働いて自立する 🅂2 (自己管理能力1)  さて、前回は働くことには、①衣食住を満たし社会の一員としての「生活基盤を支える労働」と、②それ以上の「+αの労働」がある、という考え方を記載しました。しかしどちらにしても、まずは仕事にありついて、生計を立てなければそんな区分は何の意味もない、といわれてしまいそうです。尤もな話なので、まずは働くために必要な「自己管理能力」について考えるところから始めてみたいと思います。 ➤社会人としての基