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気持ちが両手に溢れ出る

拍手。

感動したとき、
嬉しさが溢れ出るとき、
人は、自ずと拍手をするらしい。


幼児教室に勤めて、約5年。


5、6歳の年長クラスで
助詞を考える取り組みを行った。

ホワイトボードに
「森」
「らいおん」
「女の子」
「ぞう」
「ぬいぐるみ」
「布団」
「寝る」
文字を並べて、間に数字を書く。

すぐ真下には、
「が」「の」「に」「を」「で」「と」
と助詞を書き、
何番にどの助詞が入るかを
皆に考えてもらった。


Aくん「1番に、で!」
Kくん「3番が、と!」


じっと考えていたかと思ったら、
勢いよく手をあげる。

全てが埋まったので、
読んでみた。


「はい。では、読んでみます。
森で、らいおんが、女の子とぞうに、
ぬいぐるみの布団を寝る。」


途中から、
既に笑顔の生徒たちは
とんちんかんな文章に
爆笑しながら大反論だ。


「なんか違う!」
「気持ち悪い!」


「はい。
では、何番にどれを入れますか?」


繰り返す。

3度目ならぬ、4度目だろうか。
ついに、その時がきた。


「はい。では、読みます。
森で、らいおんの女の子が、
ぞうのぬいぐるみと布団で寝る。」


どうかなぁ。
ちゃんと、あっている文章は
あっていると気が付けるかな?
と、案じていたが、
読み終えると同時に
「お~~~」と声があがり、
どこからともなく
拍手が沸き起こった。


「いいよ!」
「あってる!」


まさかの拍手は
予想外だったが、
手を叩いて
喜ぶ姿はなんとも可愛らしい。

当然ながら、
普段のレッスン中は
拍手する場面など、ない。


しかし、
他の年長クラスでも
この取り組みを行うと、
なぜだかやはり、
最後に正解した際は
自然と拍手喝采だった。


ここで、
2歳後半の生徒たちを思い出した。

友達と一体となって
拍手をすることはまだないが
自力で取組みが解けたとき、
目をキラキラと輝かせながら、
自然に、そのもみじのおててを
ぽちん、ぱちんと合わせて喜んでいた。


拍手。

もしかしたら、
誰かから教えてもらったり、
意識的にというよりも、
本能なのかもしれない。


高鳴る感動が表に溢れ出るとき、
人は、手を合わせて
音で表現するんだなぁと思った。


みなさんは
最近、拍手を
したのはどんなときですか?


記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。