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イハ似かもしれない


  スマパンのギタリストだったジェームス・イハの『Let It Come Down』が発売されたのは1998年の事らしい。私がこのアルバムを聞いたのはもう少し後の事で、Charaのアルバム『マドリガル』にジェームス・イハが楽曲提供していたのを機に初めて聴いて、そういえばスマパンを一時期よく聞いていたなと思いだして、当時スマパンだとかを一緒に聞いてた人は4つばかり年上で、色々と一緒に聞いたりしたのは、音楽だけじゃなくて、この人の書く話いつも同じパターンなんだと言いながら、ねじまき鳥クロニクルを渡してきたりするような、文学系サブカル男子で、私はと言えば、Zipperとか読みながら古着屋さん巡りをするのが好きで、90年代のオリーブが埃を被って積んであったのを去年実家の押入れで発見し、ユアン・マクレガーや金城武が好きだったくらいにはサブカル系女子であったと思うので、つまりサブカル男子とサブカル女子がサブカル好きの読みそうな本を読んで、音楽を聞いて、映画を見て、身も心も捧げますと合間にせっせと交わって、分かちがたく結ばれていると思ってたわりには、この世の終わりかと思えた傷心を経た後にジェームス・イハにどことなく似ている男の子にイハのCDをあげる頃には一緒にスマパン聞いてたあの人のことなんて思い出しもせずにチクリとも傷まない胸は世の常、この世の理。CDのジャケット用にとチャコールペンでオリジナルの絵を書いて渡してあげたらとても喜んでくれた時の瞳の柔らかい感じが、アルバムに漂う、温かさと柔らかさに似ている気がしたのは、島人の血が流れてるせいなのかどうか知らないけど、いちいちベースの音に着目するようなややこしい注文付けたりしないその子といるとても居心地がよいなと思ったその子は、今でも一緒にいるけど、やっぱり何だかイハ似なのは島人だからなのかな。

知らんけど。




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