見出し画像

『引き算』で書いてみる <小説の書き方>

あなたは『足し算』で書いていますか? それとも『引き算』ですか?

『足し算』すると、ストーリーが複雑になるばかり

やりがちなことです(と言うか私はいつもこれでした)

・ボリュームを担保したくてシーンを増やす
・キャラの過去や性格を表すエピソードを増やす
・キャラの行動の事情や動機を深くする
・複数のキャラの行動に関連を持たせようとする

その結果、何が描きたいのか、何を読者に伝えたいのかが
わかりにくくなり、伝わらなくなってしまう。
(具体的には、回想やセリフの説明が増えていきます)

そこで『引き算』をしてみる

上記の逆です。シーンやエピソードを減らし、事情や動機をシンプルにし、キャラの行動にあれこれ理由をつけない

これをしてみると、ストーリーのもっとも大事な骨組みが見えてきます。
今回、私はそれを試してみて、自分の書いた小説が『スッキリ』したことに
驚き、とても嬉しくなりました。

何より構成が楽になります。足し算で様々な要素を加えていくと、それだけ矛盾が発生してつじつま合わせに追われて、その結果、理由付けや言い訳や説明が増えていくのです。

「無理をしていた」ということが、よくわかりました。

『引く』ものがないと『引き算』はできない

ところで当たり前ですが、最初のプロットやストーリーの内容がスカスカだったりすると何も引けないので、この『引き算』で書くことはできません。
プロットに時間をかけ、あれこれ考えてストーリーを組み立てていくタイプの書き方をする方にオススメします。

改稿の覚悟が必要

ただし、いったん盛り盛りにしたストーリーから、要素を『引き算』すると当然ですが改稿する部分が多くなります。
引いた要素が重要なもの(たとえば犯人の犯行動機に関わるもの)だったりすると、全面的な改稿になることを覚悟しないとなりません。

実はそれが今の私なので、ヒイヒイ言いながら直しているのですが、『引き算』していくことで、あらためてプロットや構成が整理されていくのを目の当たりにすると、やり甲斐も生まれます。
『引き算』を試して、その効果に気づいて良かったと思います。

とにかく

自分の小説が良くなっていくことほど、嬉しいものはありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?