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就活生の親御さんへの3つのメッセージ

これから就活生となる親御さんから、様々なお話を伺う中で、
この記事を書きたいと思うようになりました。

筆者

安心安全デザイン研究室では、就活は最優先です。それは、就職活動というものが、単に「決まればいい」というものではなく、就活そのものが学生にとっての大切な学びの場であり、成長の場であると信じるからです。

ここでは、学生の就職活動を見守る立場として、また学生教育の視点から、親御さんへのメッセージを3つだけ述べたいと思います。

1.就職活動=社会人としての準備期間

就職活動は難儀も多く、誰もが早く終わらせたいと願っているのではないでしょうか。もちろんそうなのですが、苦労が多い分、学生は実に多くのことを学びます。就活を通して、一回りも二回りも大きく成長する学生の姿を、何度も目の当たりにしてきました。

教室での学びの多くは答えのある問題ですが、就職活動には答えがありません。社会人になって直面する問題のほとんどは、①答えがなく、②誰かの助けを必要とし、③行動力も必要です。就活では、その3要素をフルに活かして真剣に臨むわけですから、重要な学びにもなるのです。

様々な業界や企業を知ることができるのも、この時期の特徴です。できるだけ長い目で見守りましょう。

就活生を見守る私たちの心構え①
就活での時間と苦労は、決して無駄にはならない。

2.問われるのはマッチング。人格ではない。

大手の名のある企業ばかりを受けようとする学生は心配です。大切なのは、「その学生にとっての優良企業を見つけること」ですので、必ずしもそれが社会的な知名度と一致することはないでしょう。

もし、就活期間が短く、大手企業の内定をすぐにもらい、就活を終えてしまったとしたならば、もちろん嬉しいですが、内定がゴールなのではありません。就職後、充実した社会的生活を送ることができるかどうかは、企業と学生とのマッチングにかかっていると言えるでしょう。

大切なのは、「面接で自分らしいアピールができたかどうか」です。面接をする方も真剣です。会社や業界の生き残りをかけて、大変な時間と労力を割いています。

面接で自分らしいアピールをして、それで落とされたのであれば、それは本当によかったんです。その会社には行かない方がいいことを真剣に判断いただいたということです。

ですから、面接で落とされるというのは、本人はもちろんショックですが、それを支える私たちまで、何も落ち込むことはないのです。

就活生を見守る私たちの心構え②
ダメだとわかることも、成果の1つ。

※人格は評価の対象とならないことは、西田哲学の論理構造からも言えることですが、そのことはまたの機会に述べさせていただきます。

3.休息も大事です。

就活は、緊張する場面も多く、また自分のペースで活動することもできません。時には、いつ大事な電話があるかもわからないこともあります。そのような非日常が連続することにより、疲労するのは当然です。

そこで、「気分転換をさせよう」とか、「おいしいものを食べに連れて行ってあげよう」など、思うこともあるかもしれません。ただ、疲労の原因が外発的なものに突き動かされている日々であることを考えれば、ご本人の自発性を大切にすべきと言えます。

ですから、今は就活だからといって、それを支える側まで過敏に何かをしようと思わなくても、いつものように思いやり、安心して休息できる場を育むだけでも、それで十分、力にもなれるのです。

就活生を見守る私たちの心構え③
いつも通りでいいんです。

おわりに

自己と他者とは、体も、意識も、精神も、個々別々でありながら、あたかも自分のことのように、時には相手以上に悩むことがあります。また、喜びというのも不思議なもので、誰かとそれを分かち合うことで、一層深いものになります。

人間同士のつながりは、そのように物理や意識や精神を超えた「何か」でつながっていますが、西田哲学によりその論理構造を知ることができます。

われわれは、物理的、意識的、精神的存在ではない、
場所的存在である。

改)西田幾多郎

大切なのは、人と人との「あいだ」、いま・ここのプロセスです。結果も大事ですが、それは無機的でもあります。人と人との生きた「あいだ」を善くすることは、自他ともに豊かにする営みであり、深い喜びが伴います。

結果よりも、かけがえのない今を大切にしてほしいとの願いを込めて、この記事を認めました。

小川雅

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