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東京で船免許取得(1) 新中川をゆく

何目的で船舶免許を取りに来たの?
お仕事?あ、趣味?
今は取得目的が半々くらいの割合ですよ。
若干お仕事目的の人の方が多いかな。

ぼくたち、単身赴任で教官やってるんですよ。
だから家は福岡で、たまたま僕の家が海に近かったからという理由だけで船と関わってます。子どもが3人いて、東京から帰ったら突然歩いたり、喋ったりしていてびっくりするんですよ。

あ、でも、そういう『たまたま』の人もいるけど、『好きが高じて』の人もいますよ。
釣りが趣味の彼とか、14キロのイナダが釣れたそうです。

あ、船免許とったら沢山乗った方がいいですよ!
やっぱり乗るための免許ですからね
取って満足しちゃう人もいるから。

レンタルもいいですけど、釣りするなら朝早くに行かないとでしょ?
レンタルボート屋さんは9時頃からしかやってないんだよ。
出遅れちゃうから、釣りするなら自分のボートが欲しくなっちゃうよねぇ。
あとね、見える世界が変わるよ。

船舶免許の教師さんとの雑談


ということで、船免許が欲しくなったから取りに来たよ。
私の目的は、趣味だろうか?
『きっと世界が広がって人生がより楽しくなりそうだから』取得したいな。
船用眼鏡をゲットできるのもアツい。レンズを通して何がみえるだろうか。


初日は実技練習!
あいにくの小雨だけど、ウキウキ

新品2000万円、中古800万円の
こちらのボートを操縦します。

まずエンジンオイルと不凍液の残量確認をしてから乗り込む。

同乗者は教官ともう一人、若い男の子だ。
「不動産の仕事をしています。
会社所有の船を操縦できるように社長に命じられて取りにきました。
パーティー船で、何十人も乗れるような大きさの船なんですよ。
まあ、接待の時に使うんですけどね…」

教官「それだとエンジン3つくらいついていて、燃料もかなりの量くいますよ。
値段も何億するんだろう?羨ましいなぁー」

不動産って水上接待するのかぁ!!超楽しそうじゃん!!私も接待されたい...!!!

かっこいい。

さて、いよいよ実技だ。

教官「この船は200Lくらい燃料が入るよ。
燃料計をみると半分くらいだから、走るには大丈夫だね。
雨で薄暗いから、ライトとワイパーは付けておこうか。」

まずこの寒い冬場にやらないといけないことは、水温計をみながらエンジンを温めること。
これをしないと突然動かなくなる。
そうなったら海の真ん中で助けを呼ぶしかない。やばいね。

水温計は、冷却系の温度状態を把握するのに必要な計器です。
水温を計測することで、インペラの損傷や吸水口のゴミの付着、ベルトの滑りを感知することもできます。 通常は、70-90度付近を指します。
100度を超えた場合、エンジンが十分に冷却されていないことを示します。

教習船は60度くらいでいいらしい。

「船にも個性があるからね。
この船は操縦しにくくもないし、しやすくもない船だよ。

"7"って書いてあるのが回転数。
速度じゃないんだ。
今はN(ニュートラル)にギアが入ってるから、前進も後進もしないよ。

じゃあ係留してある左右3本ずつ、計6本のロープを取るね。
左右どっちから取ったらいいと思う?」

どっちからとるでしょう?

私「えっと、、この船の右側は空いていて、左側にはほかの船が停まってるから…

うーん...右側を解いたら左の船にぶつかる可能性が高いのではないですか?だから左から解きます」


教官「おしい。これはね、風向きをみるんだ。

風はこのように吹いていた。

教官「隣にボートがあるかどうかではないんだよ。風向きを考えないと事故になっちゃうんだ。
だから左(青)から解けばいいね。風が逆から吹いていたら、右(赤)から解くよ」

なるほど。

さて出発だ!

舞浜まで運転しよう

荒川と江戸川に挟まれたこの川は、新中川という。
新中川の両端には漁船や屋形船が係留されているんだ。

波を立ててしまうと作業の邪魔になるので、徐行運転をするよ。回転数を7から14にあげようか。
これでも船の後ろから出してしまう波は少し大きいから周りの状況をみて速度を落としてね。

今日は誰もいないからこのまま行こうか。

目の前に見えてきたのが東京で唯一の自然島、妙見島だよ。

東京のモンサンミッシェルには工場しかない。

こんな島があったんだなぁ。

このルートを通る。ディズニーシーまで行くよ。

船は右側通行で、周りや相手の船の様子をみながら運航することが大切だということを学んだ。

深さ

教官「ここは右側が浅いから左に寄ろう。
この橋をくぐる時は、橋桁の1番右は浅いから2番目にしよう。

周りを見て、竹が刺さってるよね。その向こう側には行ったらダメだよ。

あっち側で乗り上げちゃったら、ただの砂場じゃないんだ。牡蠣があるから、船体がボロボロになるよ。

赤いブイと緑のブイがあるね。その間なら通れる。」

私「そういえば、ここの場所が浅い!みたいな情報はどこで取得するのですか?」

教官「海図だよ。それはまた学科で説明するね」

海図かぁ!!

ブイってそんな意味があったんだなぁ。


教官「黄色いブイが浮かんでいる。
工事してるから近寄らないようにしよう。


この辺は大潮の時アサリが取れたけど、今はハマグリだね。ホンビノス貝なんかもいる。
わざと陸に乗り上げて、潮がみちる頃に帰るって手もあるよ。」


私「え、ホントですか?潮干狩り気になるなぁ。でも陸に乗り上げて動けなくなるのがこわすぎる」

教官「じゃあ、ジェットスキーとか水上バイクで来たら?」

ほぉー...!そんな風につかえるんだなぁ。。
でも免許タイプが違うから、特殊船舶免許がなければ乗れない。
ちょっと欲しくなる。

浦安

この海に船で来るのは2度目だ。
学生時代に年間パスポートで通ったディズニーを、こんな形で外側からみるのも感慨深い。

若いころに夢中になった想像で創造された豊かさを、若くない年齢になって自然の創造した海側からみる。
それもまた、格別にいい。


教官「ここでいったん撮影休憩していいよ。
そのあとは人命救助講習を海でします。」

そういって、黄色いブイが放流された。

教官「風向きをみるんだ。船を先回りさせて回転する動力を止める。
人が船に巻き込まれたら最悪だからね。

近くまでブイが船に流れ着いたら、棒で手繰り寄せたり、勝手に人は泳いで来てくれる。
だから、自分から突っ込んでいかないように。」

なるほど。

そういえば昔、川に亡くなる目的で飛び込んだ人が上がってこないみたいな話を聞いたことがある。
その後にズタボロの肉片になってる、みたいな都市伝説はきっと有り得るんだろうな。

ニュートラルにレバーをいれるの、ホント大事!



着岸

「さて、船の実技の最後は着岸練習です。
入射角を30~50度で、最徐行。
近づいたらニュートラルにして横向きにする。
バックに少しだけ入れることで停めるんだよ。」

船の操縦はそこまで難しくはなかった。

それはきっと車と船の交通量の違いでもあるし、交差点があるか?とか、障害物はあるか?の違いだろう。
更に今日は小雨の1月だ。
こんな日にわざわざ船を出す人はかなり少ないから快適に運転できて嬉しかったな。


やっぱりこの寒い日でも鳥が沢山飛んでいて、きっと魚や貝は海の中に沢山いて、風は吹いていて、地球はいいなぁ。と思った。

つづき↓

おまけ

舞浜の海に初めて行ったときの思いが書いてある。
わたしは海と魚がすきだなぁ。


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