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【2020年8月8日のこと】緑陰、社会彫刻家、家族大作戦!


1. 緑陰のミミミ文学。


2. 田舎の母から宅急便が届いた。荷物を取り出して段ボールを解体しようと思ったら強力な粘着力のあるガムテープで段ボールをぐるぐる巻きにされているため、なかなかテープが剥がせない。


3. 力を入れないとガムテープは剥がれず、再利用をしようと思っていた段ボールはぼろぼろになるしでイライラマックス。これ、会社ならお局様にこっぴどく叱られるパターンだぞ、と怒りまくる。


4. そんなわけで、母から宅急便でiPadが送られてきた。とあるメルマガに登録したいのだけど出来ないからやって、とのこと。自力ではお手上げらしい。やれやれ。


5. 母は、必ず宅急便の段ボールの底に新聞紙を敷いてくる。段ボール解体で取り出したときに、朝日新聞の天声人語のコラムを読んだ。


6. 「緑陰」について書かれていた。緑陰って言葉は、ノークーラー生活の今のわたしにはより響く。


7. 木陰の気持ちよさやありがたさを感じるためには、カンカン照りの暑さの中にいないとわからない。これは、数年前、真夏の奈良公園を旅しているときに悟ったことだ。まるで人生訓のメタファーのようでもある。


8. 今日も暑くてへこたれそうになったけど、暑い中にいるからこそ、風が見える。風の温度や風の吹き抜ける道、匂い、湿度、すべて五感でキャッチできる。これって凄くない?


9. 見えない風を捉えて、耳を涼やかにする為に生まれた「風鈴」は、日本人のかなりの叡知の結晶だと思う。でもクーラー所有者も増えた温暖化の令和時代の都心にとって、風鈴はただうるさいだけになってしまった。


10. 以前、旅先で出逢ったひとから「緑陰子ども会」の思い出話を聞いた。夏、木陰に集まって読書会をしたり歌ったりして楽しかったと。


11. 昭和30年から45年ぐらいまで全国的に「緑陰子ども会」はあったようで、子どもたちの青空サロン的な感じだったのだろう。


12. 三密を避けたい今こそ、野外の緑陰子ども会リバイバルもよさそうだけど熱中症が危険だし、今の時代なら誰も言い出さない企画なんだろうな。


13. 甘党のわたしでも夏はあまり甘いものは食べたくなくなるけど、新作の和菓子はいつも気になってしまう。とくに季節の和菓子のデザインをウォッチングするのが好き。


14. 「緑陰」という名前の季節の和菓子もあるのかな、と思って調べたらたくさん出てきて楽しくなる。作り手によって全く違うから比較すると面白い。目からも涼を考じる。


15. ムムム、シンプルな氷水がうまい。アムリタ!


16. Twitterのタイムラインに「市民の表現」と「職業作家の表現」を区別して話している方がいてざわざわしてしまった。作家だろうがなかろうがみんな市民だし、表現活動は特別なひとのみがすることではないし、表現には常に責任は伴う。


17. もっと言えば、プロの芸術家とアマチュアの芸術家の分け方もわたしは前近代的だ!と尖って言いたくなる。とくにマウント系の口調で芸術を語り、誰かを見下して語り出してしまったりするひとを見ると噛みつきたくなるわたしは野良犬。


18. 社会的評価とお金をもらったひとが「プロの芸術家」なら、ゴッホはアマチュア芸術家だ。わたしは「一般市民」だが、社会彫刻家として生きていたいから、自分のすべてには常に覚悟を持っているつもり、と暑いから頭に血が上りやすくプンプンしている。


19. 明日、田舎の両親が車で東京にやってくる。コインパーキングに駐車して窓ガラス越しに15分だけ対面する。フェイスシールドとマスク、手袋をして、窓越しに話す。


20. 両親は東京の地には足を下ろさない。東京の空気は吸わない。移動シェルターである自家用車を運転して顔を観にくる。まるでディストピア小説みたいだが、これが、リアルな令和の市井のお話し。県またぎ自粛が求められている中の家族大作戦。はたして、うまくいくのかな。

とっぴんぱらりのぷぅ。 

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