アイ/ 群馬 高崎 ジャズ喫茶「藏人」

群馬県高崎のジャズ喫茶「藏人」店主。ここは、あなたを嗤わない。営業日:毎週 土・日 時…

アイ/ 群馬 高崎 ジャズ喫茶「藏人」

群馬県高崎のジャズ喫茶「藏人」店主。ここは、あなたを嗤わない。営業日:毎週 土・日 時間:13-20時 予約は受け付けておりません。お支払いは現金のみです。ご連絡はTwitterのDMまでお願いいたします。#ジャズ喫茶 #Jazzkissa #Jazz

マガジン

  • 適応障害で休職した38歳の私とジョン・コルトレーンまとめ

    適応障害で休職してから、私と私の家族との生活を、音楽で彩り、綴っていこうと思ったきっかけを、ジョン・コルトレーンの調べとともに、まとめています。

  • ふえますように。

    注目記事、 カテゴリのまとめに 選んでいただいたnoteや、 特にスキを集めた記事たちです。 読んでくださり、ありがとうございます。 これからも、ふえますように。

  • 受賞作品

    noteのコンテストで受賞した作品たちです。

最近の記事

  • 固定された記事

適応障害で休職した38歳の私と、ジョン・コルトレーン(1) 風に吹かれて

「(仕事を)休ませてください」  振り絞って、絞って、ようやく雑巾から出た一滴の雫のように、私は上司にそう告げていた。  喉にずっとつかえていて、あるいは、食道の真ん中、みぞおち辺りに溜まっていて、さらに言えば、胃の入口でとどまっている、重くて黒い塊のようなもの。  それをなんとか、口から吐いた。仕事を休む、ということは、私にとってそういうことだった。  とはいえ、一年間、心療内科に通い、毎日、抗不安薬、抗うつ薬を飲みながら、このまま仕事を続けていくのはもう限界だった

    • お知らせです。 ジャズ喫茶、やります。 年明けの開店を目指します。 諸々整い次第、店舗情報をお知らせいたします。 今週末より、開店までの経緯をつぶやきます。一緒に楽しんで頂けるととても嬉しいです。 確実にひとつ言えるのは、"最高の場所"だということです。 よろしくお願いします。

      • みそしる

        味噌が切れたので、妻に 「スーパーで買ってきて」と LINEしたところ、 「うちにあるよ」と 返ってきた。 私はすっかり忘れていた。 パントリーを探してみる。 すると、今年の2月に、 地域のイベントで 息子が仕込んだ味噌が、 その奥に、ちょこんと、 色を変えて、座っていた。 仕込んだときは 大豆と麹、そして塩が混じった 綺麗な乳白色だったものは、 およそ8ヶ月を過ぎて、 まるで赤土のように、 その姿を変えていた。 「うまく、できるかなぁ」 「みんな、食べてくれるかな

        有料
        300
        • You’ve Got to Have Freedom

          「まだジャズ集めてねえの?ダセェな」 そう言って、そいつはいたずらに笑った。 正直、めちゃくちゃ腹が立った。 だけど、なんとか引きつった笑いをつくって、 「そうだな、そろそろ買うわ」と、私は返した。 「ラビットハウス」というアパートの一室。 8畳くらいの1Kの部屋に、そいつは住んでいた。 押入れには畳んでない服が山積みになっていて、 ちょっとすっぱい臭いがした。 あろうことか、その臭さを消すために、 そいつは加えてチャンダンのお香を焚いていて、 部屋の中は安っぽい古着屋み

        • 固定された記事

        適応障害で休職した38歳の私と、ジョン・コルトレーン(1) 風に吹かれて

        マガジン

        • 適応障害で休職した38歳の私とジョン・コルトレーンまとめ
          1本
        • ふえますように。
          21本
        • 受賞作品
          2本

        記事

          すこしだけ、やさしく

          17年前、学生だった自分は実習で、 ある方を担当した。 若くして、脳梗塞で半身麻痺になったその方は ベッドの脇にCDプレーヤーを置いて、 いつも決まった時間に ある人のアルバムをかけるよう、 私に頼んできた。 「オーティス・レディングっていうんだ」 呂律の回らない声で、 彼は私にそう、教えてくれた。 「DJをやってるのに、 オーティスも知らないのか」 半ば呆れたように、 でもちょっと、得意げに、そう言った。 「"Try a little tenderness"

          炊く、ということ

          実家から帰る時に、小豆をもらってきた。 あんこにするためのものが、余っていたからだ。 還暦をとうに過ぎた母親は 「あら〜、砂糖を早く入れ過ぎちゃったわ〜、アハハ」 と言って、あんこにできない、 大量の小豆でできた、甘納豆もどきを作っていた。 あんこは炊き加減が命だ。 炊き加減が不十分なうちに、 砂糖を入れてしまうと、 小豆はかたくなってしまい、 それ以上、やわらかくはならない。 特に粒あんを作るときは、 小豆がちょうど良く炊けている頃合いを見計って、 砂糖を入れなければ

          DAY 100:「家族」 Blue Note 1600 presents "THE 3 SOUNDS"

          「きょうの学校は12じはんまでだよ、 給食ないもん」 「れんらくちょう見てよ、書いてあるから」 と言いながら、 妻と、終業式の登校準備をする息子。 娘は我関せずといった顔で、 パンをほおばっている。 「この作文は、もう、 うちに置いておいていいの?」 と、妻が息子に聞く。 本人の許しを得た作文の束が、 机の上に無造作に置かれる。 私はそれを、 何気なくひょいと手にとって、目を通した。 いくつかのテーマに沿って、 息子は文章を書いたようだ。 「ぼくがうれしかったことは〜

          DAY 100:「家族」 Blue Note 1600 presents "THE 3 SOUNDS"

          DAY 99:「その瞳に、映るものは」"soul stirrin'" Bennie Green blue note 1599

          こないだの平日は休みだった。 休みの日は基本調子がいい。 朝食の準備もして、 新しい登校班になった、息子を見送る。 もう1年が経つんだなあ。 妙に感慨深くなった。 息子の世界は確実に広がっている。 学校生活や友達との交流。 もう1年が経つのは、息子だけではなく、 私もだった。 適応障害で休職してから、もうすぐ1年。 早いか遅いかで問われれば、早かった。 世界が変わったかと言われれば、 変わった気もするし、 変わってない気もする。 不思議なものだ。 ただ、ひとつ大き

          DAY 99:「その瞳に、映るものは」"soul stirrin'" Bennie Green blue note 1599

          DAY 98:「ゆれる」"TIME WAITS" THE AMAZING BUD POWELL BLUE NOTE 1598

          いつものように、音楽を聴く、とはいっても、 ここ最近は 「いつものように」音楽を聴くことも減った。 息子は面白いテレビ番組を観ることを覚えたし、 妻はできるだけニュースや、 好きな番組を観たがる(というか、観る。) 加えて、妻の資格試験の勉強時間確保のため、 子どもたちの寝かしつけを、 私がすることが多くなったからだ。 子どもたちとの寝かしつけの時間は、 とてもしあわせ。 …なんだけれど、 最近は、そのまま心地よく いっしょに眠ってしまうことがほとんどだ。 だいたい2

          DAY 98:「ゆれる」"TIME WAITS" THE AMAZING BUD POWELL BLUE NOTE 1598

          DAY 97:「日記」"BLUE LIGHTS" KENNY BURRELL Blue Note 1597 Volume 2

          こないだの休みは、 ここちよい疲れが残る1日だった。 ベッドで普段よりも長く寝て、 いつもより、だいぶ遅めの朝食を摂る。 すでに他の家族は起きていて、 妻は家事を、息子はテレビを、 娘は本にシールを貼るという、 思いおもいの時間を、それぞれ過ごしている。 私といえば、 昨晩にした筋トレの疲労感が抜けずに、 ぼうっとした目で、それら人々の動きを見つめ、 すでに熱を失って、少し冷たくなった、 コーヒーをすすった。 外はいい天気。 優しく差し込む陽の光。 時間が進むのも、 な

          DAY 97:「日記」"BLUE LIGHTS" KENNY BURRELL Blue Note 1597 Volume 2

          DAY 96:「目を見つめて」 "BLUE LIGHTS" KENNY BURRELL Blue Note 1596 Volume 1

          「おとうさんは、携帯ばっかり見ている」 と、妻にも、息子にも言われた。 そう言われて、考える。 携帯ばっかり見ている、と言われても、 そこにある世界は、魅力的だ。 自分の興味のあることや、 好きなことにてっとり早く没頭する (あるいは「逃避する」)のには、 手のひらサイズに収まる画面を、 親指で操作すればいい。 とても簡単で、心地いい世界へ没入できる。 それは世界中と繋がっていて、 自分の操作ひとつで、 自分にとって気持ちの良い情報、 空間を選び取ることができる。 ま

          DAY 96:「目を見つめて」 "BLUE LIGHTS" KENNY BURRELL Blue Note 1596 Volume 1

          ついに!Podcastを公開しました! よろしければ、聴いてみてください✨ みなさんのおかげで、 作ることができました。 ほんとうに、ありがとうございます。 私と、あなたと、音楽の話をしましょう。 "You and Music" https://open.spotify.com/episode/7JPUR20ammh62bbBbeQU8p

          ついに!Podcastを公開しました! よろしければ、聴いてみてください✨ みなさんのおかげで、 作ることができました。 ほんとうに、ありがとうございます。 私と、あなたと、音楽の話をしましょう。 "You and Music" https://open.spotify.com/episode/7JPUR20ammh62bbBbeQU8p

          DAY 95:「出会いの記憶」"SOMETHIN'ELSE" CANNONBALL ADDERLEY BLUE NOTE 1595

          ドラマチックな出会いなど、 そうそうあるもんじゃない。 私たちは皆、 なんとなく出会って、 なんとなく別れていく。 そういうものが、ほとんどじゃないだろうか。 それでも、 ふとしたことでまた出会ったり、 思い出したりする。 そんなとき、ちょっとだけ 人生はおもしろいなぁと、 思ったりする。 あの日も、東北には雪が降っていて 寒い夜だった。 ◇ 子どもはいたずらの天才だ。 やってはいけない、 と言われたものこそ、やりたくなる。 ましてやそれが、 ファミコンとかだっ

          DAY 95:「出会いの記憶」"SOMETHIN'ELSE" CANNONBALL ADDERLEY BLUE NOTE 1595

          DAY 94:「豆を数える」 "SMITHVILLE" LOUIS SMITH BLUE NOTE 1594

          私が鬼に扮した節分では 息子に豆を思い切りぶつけられ、 娘には思いっきり泣かれた。 おとうさん、というのは哀しい、 いきものですねえ。 ◇ 鬼のお面をかぶったぼくに、 笑いながら、思いっきり顔をめがけて 豆をぶつけてきたきみも、 もうすぐ小学2年生。 この一年、本当によく頑張った。 おとうさんは、毎朝寝ぼけ眼をこすって、 起きたくない、 着替えたくない、 朝ごはん食べたくない、 歯磨きの仕上げやってくれ、 今日の支度したくない、 学校に行きたくない、 そう言いながら、

          DAY 94:「豆を数える」 "SMITHVILLE" LOUIS SMITH BLUE NOTE 1594

          DAY 93:「このままでいい」 "BLUES WALK" LOU DONALDSON BLUE NOTE 1593

          2月になり、手帳の新しいページをめくる。 …2月になってからめくる、というのも、 少し違和感がある。 だいたいは、そう、1月の半ばあたりには、 早ければ、去年のうちにはそのページを開いて、 何らかの予定を、書き込んでいたはずだ。 だけど今は…やることがない、というよりも、 ほぼやることは決まっていて、 〆切に追われる仕事や、 誰かと会うアポイントメントは入っていない。 だから手帳は、まっさらだ。 月替わりで開いても、何にも違和感がない。 休職に入る前の手帳を見返し

          DAY 93:「このままでいい」 "BLUES WALK" LOU DONALDSON BLUE NOTE 1593

          DAY 92:「今年の抱負」SONNY CLARK BLUE NOTE "1592"

          皆さんは、今年の目標は決めましたか? もうそれに向かって邁進されている方も、 たくさんいらっしゃることと思います。 私はと言えば、 毎年、目標は変わらずあるのですが、 なかなかそれを実行できていない、 または継続できていないことが多いです…。 頭の中で「今年こそは!」と 一年の目標を考えるのですが、 年の瀬になると反省ばかりになります。 これではいけません。 そこで今年は、noteにそれを記すことで いつもとは違う強い決意を ここに記したいと思います。 宣言するこ

          DAY 92:「今年の抱負」SONNY CLARK BLUE NOTE "1592"