やさしいすいとん


お米がない朝。

かといってパスタの気分ではない。

うーん……

すいとんを作ろう。

すいとんは何度か挑戦してはいるが「これだ!!」
というものを未だ作れていない。小麦粉と水の割合が難しいのだ。

帰省した時にすいとんの名人である祖母にコツを聞いてみた。

すると「生地はホットケーキの生地くらいにトローっとするくらいでいいのよ」
とのことだった。

確かにどのレシピにも「耳たぶくらい」と記載されてあり
それで作った結果「これじゃない!!」となった。

そもそも私の耳たぶは薄く感触がよくわからない。

だれかすいとんのレシピに適した耳たぶを貸してはくれないだろうか。

ホットケーキの生地くらいか……

このくらい……?
様子を伺いながら小麦粉と水を混ぜる。

よくわからないまま出汁と具材が入った鍋に投入。
(今回具材はしいたけと長ネギのみ。シンプル。)

鍋を動かさずことことと煮込む。
え、どんくらい煮込めばいいんですか。

わからないことだらけだなぁすいとん。

3分くらい経過した頃
「そろそろいいかな」とどんぶりに移す。
せっかちなので待てないのである。

……とけとりますがな、すいとん。
水を入れすぎたのか祖母のすいとんとは様子が違い、かなり柔らかい。
もちもちというよりふわふわに近い。

あ〜〜!
やさしすぎる〜〜!
やさしさの中にも芯がある子じゃないと人生やっていけないよ〜〜!

まぁそうさせたのは自分なので、すいとんに非はないのだけれど。

うーん、これはこれでいいけどこれじゃないんだよなぁ。
祖母が言う「ホットケーキの生地くらい」も
レシピの「耳たぶくらい」と同等に抽象的で難しい。

このままではすいとん検定3級も合格できない。
精進しなくては……

すいとんの謎は日々深まるばかりである。

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