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子どもらしく過ごす時間ってなんなんだろうねって話(ヤングケアラー支援について)

ヤングケアラーに関する記事でこんなの見つけました。

「ヤングケアラーが
子どもらしく過ごせるキャンプなどのイベントを企画」


大人の介護者が、
被介護者から少し離れて息抜きする、
こういうイベントがあるのは知ってる。

限られた予算のなかで
なにかをやることは
なにもやらなかったり
無関心であることよりずっといい。

「1日もないより、1日だけでも
子どもらしい時間を過ごしてほしい」
という意図?があったのかもしれない。

でも、
ヤングケアラーって子どもだ。
大人の介護者とは違う。


そもそも、
大人からケアを受けるべき子どもが
大人のケアをせざるを得ない状況にあるのが
問題なので


「少し息抜きしたら、またお家のこと頑張っていただいて」

みたいなイベントに
毎日の勉強や介護や家事で忙しい子が
参加したいと、思うんだろうか。
思う子もいるのか。わからない。


息抜きとか遊ぶ時間がない、というのも
そりゃあ問題の一部ではあるけど

子どもが大人の役割を、
継続的に担わざるをえない環境で生きていること

しかもそこから抜けられないくらいの責任を背負って
本来ケアを受けるべき大人からケアを得られないままに
そうなっていること。

そういう意味で「子どもらしさ」を奪われているということが
問題なんじゃないのかな。


子どもらしさを奪われている=遊ぶ時間を奪われている、
じゃない。


もしわたしであれば
また元の生活に戻るのがわかっていながら
ひと時の単発イベントに参加したいとは思えないかもしれない。
日常とイベントとの落差に心がもたなそうだから。

それよりは
誰か大人に家に介入してもらえるほうが

そして本来大人がやる役割をその大人にやってもらえるほうが
継続的に、日常的に、
大人の役割から数%でも降ろしてもらえたほうが
少しだけでも「子ども」として安心して生きられるんじゃないかと思う。


ヤングケアラーの存在が
広く認知されはじめたのはいいことだし
始めたばかりの施策は
試行錯誤しながらよくなっていくだろうことも
人的経済的資源も限りがあるのもわかる。


それでも。

イベントなどで遊ぶ時間だけが
子どもらしい時間じゃないってことも
もっとよくわかるよ。


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