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明るい夜に出かけて 感想

私が1番大好きなアイドル7 MEN 侍の今野大輝さんの初主演舞台「明るい夜に出かけて」が大千穐楽を迎えたので感想を書きます。
思ったことバーって書いてるから支離滅裂だな。でも心に残ることがそれくらい多かったんだよね。

まずこの舞台を見終わって、感想を書こうと思った時に、初主演舞台が情報解禁したときのことを思い出した。
こんぴはもともと個人仕事全然多くなかったし、それが嫌だとかもっと頑張れなんて思ったことはなかったけどでも他のメンバーや他グルのメンバーが個人仕事が決まるたびにいいな〜って思ったり、こんぴにはこういう仕事をしてほしいってオタクの欲望をぶつけたりして待っていたから、初主演舞台が決まった時死ぬほど嬉しかったことを覚えている。
しかも原作は山本周五郎賞を獲っているし、演出家は岸田國士戯曲賞獲ってる人だし、会場は演劇の聖地本多劇場だしこんな良作に恵まれる!?とめちゃくちゃ嬉しかったな。
うれしすぎてありとあらゆる友人(オタクじゃない)に初主演決まったってことを連絡をして反応に困らせたりした。他にもめちゃくちゃ色んな人に先行チケットの協力をしてもらったり、職場の人に事前に舞台なんで3月消えますって言って休み取ったりして本当に楽しみにしていたし、確実に年明けからこれまでの期間の頑張れた理由がこの舞台だった。
大好きな人の初主演舞台がこの「明るい夜に出かけて」でよかったと心の底から思う。

以下あらすじ

富山は、あるトラブルがきっかけで、心を閉ざし、大学を休学。海の側の街でコンビ二バイトをしながら一人暮らしを始めた。人に言えない葛藤、臆病な自分……。相変わらず人間関係は苦手なまま。深夜ラジオのリスナーであることも変わらない。
だが、コンビニでバイトをするうち、バイトリーダーでネットの「歌い手」の鹿沢、同じラジオ番組のヘビーリスナーの風変りな女子高生佐古田、ワケありの旧友永川と交流を通し、世界が鮮やかな色を取り戻していく。
実在した深夜ラジオ番組『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』を織り込み、世の中で彷徨う若者たちの孤独と繋がりを暖かく描いた青春の物語。

https://event.1242.com/events/akaruiyoruni/

舞台が決まってすぐに原作を読んだ。山本周五郎賞取ってるし佐藤多佳子さんだし面白くないわけがなかったけど内容がかなり自分にブッ刺さる作品だった。
人生において何をしたくて何を頑張りたいのかわからない、人と関わりたくないけど関わりたい、評価されたいされたくないみたいな相反する気持ちを抱えながらずっと生きているこじらせ人間だし、自分の好きなものを通して他人と交流したり、自己を見つめ直したりするというのは自分にもかなり当てはまるところがあって原作を読んだ段階からこれは私の好きな話だ、それに好きな人が出るんだって嬉しくなった。

原作を読んでみんなわりと富山はこんぴにぴったりと言っていたけど私は原作を読んだ時あんまりそうは思わなくて原作の富山はかなり幼稚(色々冷めたふりしようとしてるけどまだ大人になりきれてないところとかプライドが無駄に高いところとか本当に大学2回生って感じがする。)だなと思ったし、逃げ癖あるし、他人を拒絶しているし、ラジオにネタ書いたりしないだろうしこんぴとは真逆だな〜と思っていて、むしろ当てはまるのは「一見クール系無表情男子だけど、顔が正直だよね」くらいだなと思ってた。だしこんながっつり演技する今野さんを見ることがこれまでなかったからどんな姿を見せてくれるのだろうと8割のウキウキと2割の不安があって初日を観劇した。
でも2割の不安なんて杞憂でしかなくて初日の幕が開けた瞬間本当に富山がそこにいてめちゃくちゃ誇らしい気持ちになった。
ちゃんと今野大輝が演じる富山一志がそこにいた。

ミミさん突き飛ばして戸惑ってるのも、触れられたくないこと触れられてイライラしてるのも、アルピーの話をして目をキラキラさせてるのも、佐古田や鹿沢、永川にうろたえたり、悲しんだり、怒ったり、喜んだりしてる姿は本当に富山そのものだった。
こんぴが大声出して怒鳴ったりとか、イライラしたりとかそういう喜怒哀楽をはっきり表現してるところって見たことなかったけどめちゃくちゃよかった。
あと佐古田の演劇を見る前の語りの部分がめちゃくちゃ好きでアルピーの二人と3人でいるみたいに錯覚するっていう時本当にラジオが好きなんだなってのが伝わってきてあそこもう一回見たいなあ。
最後、アルピーのラジオの存続が決まって自分の夢を見つけるシーンもめっちゃ大好きだった。
大千穐楽の時こんぴの目にうっすら涙が浮かんでて光が沢山入ってて、石井ディレクターを羨ましく眩しい、俺もあっち側へ行きたいって言ってる姿が尊くて愛しくてたまらない気持ちになった。
またこんな夜があるといいという台詞。終わらないでほしいと思いながらも終わってしまう切なさはあるけどそこには希望もあっていつもいつもじーんと心に残っていくのがたまらなく好きだったなあ。

共演のキャスト陣の方も本当に素晴らしかった。
キャストのみなさん全員が本当に素晴らしかったけど特に伊東蒼ちゃんが本当にすごくて、私が小説を読んでいた時に想像していた通りの佐古田でびっくりした。声までそのままだったもん。
回を追うごとにアドリブをいれたりとかしているのを見るとこれが本当に初舞台なの?と思わされたし、その演技力は本当にすごくて(すごいと言うのも烏滸がましいけど)生で見れてよかったなって思った。
伊東蒼ちゃんが賞とった映画「さがす」早く見よう。
こんぴ手紙の時の三浦透子だったりめちゃくちゃ演技上手い女優さんと共演してくれるからそんな人たちの演技を生で浴びることが出来て感謝しかない。
こんなに演技が上手いのに千秋楽でわんわん泣いてる姿は等身大の17歳で大好きになってしまった。

富山が佐古田の存在で自分を見つめ直したり、救われたりしたように伊東蒼ちゃんが演じる佐古田に胸を掴まれることが何度も何度もあった。
「好きなもの、好きな人ぶち壊したくないでしょうや」
この台詞今後の私の人生の座右の銘にしようかと思う。繰り返し2回言わせたのこの演劇の中でも大きな意味を持つ台詞なんだろうなと思った。
これはアルピーに対して佐古田が言った台詞だったけど、その台詞のあと富山と元カノとの回想に繋がっていく。好きなもの、好きな人ならぶち壊したくないはずなのに富山と元カノはお互いをそれぞれの行動で傷つけてしまった。
原作でも富山は彼女のどこが好きだったんだろう、彼女も俺のどこを好きだったんだろうと言っていたし、本当の自分をお互い知ろうとしてなかったし、知れなかったから富山は彼女に触れられなかったんだと私は思ってて。
富山は人から受けた傷というよりも、人に触れられないことって別に本来謝るようなことじゃないはずのことなのにそれで他人を傷つけてしまってることに傷ついたんじゃないかって。
佐古田が文化祭の後勢いで富山に触れてしまった時、佐古田は嫌がることをしてごめんって富山に謝った。誰も富山のことを責めなかった。
今まで触れられることを拒否することは相手を傷つけることで富山も自分が悪いと思ってただろうけど、でも富山は触れられることで富山自身も傷ついてたわけで、それをわかってくれる人がいるのってめっちゃ救われるよなあって原作を読んでも感じたけど文化祭のあのシーンはより一層それを感じた。
佐古田は好きな人をぶち壊したくないって思ってるから、富山に触れて突き飛ばされたときに傷ついたんじゃなくて富山を傷つけたって思ってごめんって言葉が出たとおもってるんだけど、それってやっぱり富山にとってはかなりおっきなことだったんじゃないかなって。

人生において恋愛でも友情でもオタ活でもなんでもさ、好きなのに好きだから傷つけたりとか自分の思い通りにならなくて怒ったりとか期待して裏切られた気持ちになったりして相手を責めたりとかそういうのめっちゃあると思う。少なくとも私はある。
でもさやっぱり好きなもの、好きな人、傷つけたくないでしょうや。って思うし思いたいし相手のことを大切にしたいなしようって思えて優しくてこの台詞大好きだったな。

あとラジオの職人なんて本来は顔も本名も知るはずないけど、正直自分の作ったものや自分の思ったことを形として表現したものを知られる方がよほど相手に自分をわかってもらうことだと思うし勇気がいることのように思う。
富山はずっと本当の自分を現実世界では隠してたけど文化祭のあと富山が彼女のこと、過去のラジオネーム、今のラジオネームも曝け出した。
自分のことをみんなに話せたことも佐古田の演劇を見た後に鹿沢が曲を書いて富山が歌詞を書けたのも鹿沢が45分の葛藤の後に歌い出したあとどうしようもなく走り抜けたのもみんなみんな自分の大事な大事な部分を曝け出したからだ。
あの4人はめちゃくちゃ仲良しこよしってわけでもないし、慣れあったりとかそういうのでもないし、全然お互い知らないことの方が多いだろうけどそれでも大事な部分で繋がれてる人がいるってすごいことだ。
1番触れられたくないけどでも触れて欲しい部分を見せれる人がいるって、そういう場所があるっていいなと思った。

原作は富山の語りがほとんどだからどうやって表現するんだろうと思ってたけど、キャストの人が変わるがわる富山の気持ちを代弁していく演出はインサイド・ヘッドみたいでわかりやすくてコミカルですごくよかった。
場面転換はコンビニの商品棚を動かしてしてたんだけど終わった後こんなにバミりがあって大変だったっていうようにめちゃくちゃ動く。
でもそれが演劇全然見ないけど演劇って感じがしてすごくよかった。
小道具もめっちゃ凝ってて色んな商品とかあってそれも見てて飽きなかった。
歌が出てくるのもすごく凄くよかった。
歌があるから2時間20分集中して見れたところもあって原作の割と好きな表現が歌詞にされてたりして、ここを歌にするんだって思ったり。
舞台中の演劇「明るい夜に出かけて」も読んでる時はそこまで想像ができなかったんだけど、実際舞台で見るとテーマは深いのにちょっと突拍子もないところは佐古田が演出した演劇だって思えた。
劇中歌の「明るい夜に出かけて」も本当にいい歌だったな。キャストのみんなで歌ってる時なんて涙ポロポロ止まらんかったし。
というかこの舞台音楽が本当に本当によすぎてもう聞けないのかと思うと本当に寂しい。
音源出して欲しいよ。

こんぴが大千穐楽の挨拶でみんな本当に優しくて、いつも自分が出る舞台はみんなが優しくしてくれるから自分は運が良くてついてるなって思ってます。って挨拶した時あー本当に私はこの人のことが本当に本当に好きだなって気持ちが爆発しそうだった。
本当に本当に共演者の方も優しくてこんちゃんこんちゃんって呼んでくれて、大千穐楽で毎日一緒にいたのに会えなくなるの寂しいって泣いてくれて、家族みたいに思うってそんなふうに言ってくれるカンパニーで初主演できてよかったねって確かにそれは運がいいのもあるかもしれないけど、でもやっぱりこんぴの謙虚な姿勢とかあんまり多くは語らないけどちゃんと相手の目を見て話を聞くところとか、お礼をちゃんと言えるところとか、そういうもっとたくさんのこんぴのよさがあるからみんな優しい気持ちになれるんじゃないかなって思えたし、そういう人を好きになれてよかったな。私もこんぴのことを大事にしたいなって思えました。

つらつら書いたけど総じてとてもとてもあったかい気持ちになる舞台でした。
これがこんぴの初主演舞台で嬉しかったし本当にこんないい舞台を見せてくれてありがとう。
22公演お疲れ様でした。
また、こんな夜があるといい
そんなふうに思える舞台でした。


以下メロメロになったシーンなどのメモ
・初日も大千穐楽も上手く着こなせないコンビニのバイト服
・なかなか強めにミミさんをぶん殴るところ
・「知らないよ」の自暴自棄な言い方と表情
・手持ち無沙汰な時の右手の位置がいつも通りポッケなくても腰に手を当てる癖が垣間見えたこと
・永川が家に来る前の今なら寝れる〜の寝顔(4/2の大阪公演からはじまったらしい)これまじでよかった今後もお金払わないとこの顔見れないようにしてね
・永川との部屋での会話のは?とかお前が言うか!?とか感情をむき出しにするところ
・ネトストの言い方
・富山の1日の時の板橋さんに支えられて寝るこんぴ
・まじで疲れてるの言い方と顔
・佐古田に話しかけられて蒼ちゃんのアドリブにも微動だにせず無視決め込んでたところ
・本屋で佐古田に会ったときいつもと違うねと言われて髪切ったからなってスカしてたのに、全然わからんって言われて切ったよってムキになるときの顔
・美容室を待ってる時に腕組んで指トントンしてるところ
・佐古田が変顔をしたときの笑った顔(高崎昼公演でふと笑いながら観客席を見てきて軽率に死んだ)
・店長から金曜シフト入れないか聞かれた時のボコボコになんてしてないですよのボコボコの言い方が道がボコボコしてるの発音なのめっちゃかわいい
・こんぴの口から発せられるコロス
・床に散らばった紙をちゃんと手でよけるとこと
・お辞儀やカテコの時の帝国立ち

ありすぎて困るからやっぱりダイジェストでいいからまた見れるようにしてほしいよ!!!!!!


おわり

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