salamander

これまで出会ったおもしろい、愛おしい人達のことを覚えておきたくて書くことにしました。 …

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これまで出会ったおもしろい、愛おしい人達のことを覚えておきたくて書くことにしました。 イギリス・スコットランドの事を考えると細胞が落ち着き、オオサンショウウオと古代生物エリオプス が好きです。猫はインフラ。幸せとはすなわち冷凍したビスコ。

最近の記事

ソフト王子

私はアイスよりもソフトクリームが好きで、あのなんというか むにむにむに〜っと出てくる形がまたいいですよね。 コーンかカップかっていったら絶対コーンで、しかも ワッフル地じゃなくて、もなかみたいな、時間が経つと ふにゃとなるコーンであって欲しい派なんですけども。 この前、久しぶりにちょっと遠くまでふらふら散歩しに いった道すがらにあったソフトクリームのおいしいコンビニに 入ったら、外国人の男性が対応してくれたんですよ。 名札を見たけどお名前は忘れてしまったし、恐らくムスリムの

    • ひとびと

      タクシーのりばにて 駅前でタクシーを待っていたら、先に待っていた2人組の 女性が、やってきたタクシーに乗り込もうとしている。 50代くらいの女性と、もう1人は6~70代くらいだろうか、 いわゆる手押し車のようなものを押していて足が少し 弱っておられるようだ。 手押し車の女性が先に乗り込んで、もう1人の女性(娘さんか つきそいの方か)が、その手押し車をあちこちぐいぐい 押したり引いたりしてみるが、どうやらたたむことが できない模様。そのままでは、かさばって座席には 持ち込め

      • NO----------(訳:なぁんてね〜)

        最近、私はある言葉に取り憑かれている。すきあらば真似をして なんども声に出して言う。その言葉を発している人物が、その瞬間は なんならちょっと自分に乗り移っている気すらしている。 それが、タイトルの「NO----------」である。英語で書くとうまく ニュアンスが伝えきれないのだけれど、音にすると「ヌォォォォォウゥ」 みたいな感じだ。時々は、「イェェス?」と言ったりもする。 一体なんのバカ騒ぎなのかというと、すべてはゴールデンウィーク 中に観たある映画のせいなのである。 

        • 生活, しいたけの天ぷらの ④

          【アホアホなお話4回目】 俺の肩(しいたけにも肩はある)にほんの少し触れた かぼちゃの天ぷらのあったかさに思考がやや飛びそうになる。 しかも温かい空気に乗ってほんわりと甘い香りもやってきた。 「友達になりたいんだけど」 このだいだい色のかぼちゃってやつは確かにそう言った。 「ぬ」俺は予想外のことすぎて、何かよからぬ思惑が あるんじゃなかろうか、こいつと身構えた。 「ねぇ、聞こえてるんでしょ」 またしてもかぼちゃの声が聞こえる。やはり俺に向かって 話しかけているのは間

        ソフト王子

          雲出ずる国への道 その参-②

          ホテルは、なんというか「えーと昔カラオケボックスだったですか」 というか、もっとなんというかえーとあの言葉を選ばずに言えば、 元はビジネスとか旅行で使うんじゃない方のホテルだったんじゃ? みたいな色味なんですけど(だって部屋のドアが真っ赤で 他のところは黒が多いのだ。廊下は灯火管制?ていう程に暗い) 友は特に何も感じていないようなので口をつぐんでおくことにする。 働いている方々はみなさんとても感じがいいしね。不思議感覚。 ただ、働いている方々の親切さとかとは一切関係なく、 私

          雲出ずる国への道 その参-②

          雲出ずる国への道 その参-①

          〜かみさまも困惑〜さて、敏腕◯◯さんの素晴らしきアドバイスにより、無事 飛行機も寝台列車も両方体験できることになった我らの旅。 ニヤニヤしながらいざ、雲出ずる国へ上陸するのであります。 我が友は、(中学の時はそんなに気にしたことなかったのだが) よくよく考えると、結構マイペースな人だと思う。おもしろい! て思うことがあったら突進していくし、美味しいものには目が ないし。一人っ子だからなのか、見ていておもしろいなぁと思うのが 「自分で決めたこと」がはたから見ていると、ちょっと

          雲出ずる国への道 その参-①

          私もずっとそっと他人でありたい

          仕事でうへぇとなった日の帰り道、スーパーのレジのおばちゃんが ちょうど¥888になったディスプレイを見て「あら、なんていい数! ぴったり!」って言ってくれたこと。これから抗争か討ち入りですか みたいなぶっといチェーンを首に巻いた見るからにいかついお兄さんが、 杖ついたばあちゃんとその伴侶らしきじいちゃんが電車に乗ってきた瞬間、 「おい」と隣に座っていた恋人らしき女性に目配せして、一緒になって スッと立ち上がったのを見たこと。銀行のATMで順番を待っていたら後ろに並んだお姉さん

          私もずっとそっと他人でありたい

          雲出ずる国への道 その弐

          前回【その壱】を書いてからすでに9か月が過ぎてしまいました。しかし、皆さんご承知の通り、それはコロナさんの「前」であり、今になると何だか懐かしさすら感じるあれこれを振り返ることにもなりました。 期せずして。怠惰もたまにはいいことあるな。 〜旅行会社にGO。そこにいるのに離れてる〜さて、我々二人は旅行会社に乗り込むのです。鼻息も荒く。順番待ちの番号を「ちーーーー」と自分で発券して深めの黒い革張りのソファにすっぽりと はまって待ちます。腰が痛い。制服のお姉さんが芸術的な角度で近

          雲出ずる国への道 その弐

          This is Bradford ⑤

          <イギリス人にすらもあまり馴染みのないらしい、英国の小さな町の大学で、留学生として過ごした3年間の日々を、思い出しながらぽつぽつと 綴ります。> さて、いよいよ2週間のpre-sessional courseが始まった。これは、大学の 本授業が始まる前に、英語を母国語としない留学生を対象に英語の授業を 事前に行うコースのことで、8月中の一般の学生がいない夏休み期間中に 行われるのだ。恐らく管理が大変なのと、人数が限られているからだろう、 大学が持っているいくつかあるうち、最

          This is Bradford ⑤

          生活, しいたけの天ぷらの ③

          【アホアホなお話 3回目】 「ちょっと!スナップえんどうもいいけど、天ぷらも熱いうちに食べてよ」 たえさんが、少々ピリッとした声で子供たち+泰之に訴えかける。 彼女は(まあ、料理が好きだったり得意だったりする人は誰でもそうかも しれないが)熱いものは熱いうちに、冷たいものはその温度で食べるのが サイコーと信じているので、揚げたての俺たちが皿の上で、無残な油を 吸ったベシャッとした衣に成り果てていくのが許せないのだ。 「あ、うん、そうだね。天ぷら天ぷら〜」泰之はすでにちょっ

          生活, しいたけの天ぷらの ③

          生活, しいたけの天ぷらの ②

          【アホアホなお話の2回目】 さて、本日も外側はさっくりと、内側はしっとりと、揚げあがった。 この家は少し変わっていて、天ぷらが食卓にあがる時に、塩・天つゆ と共にウスターソースが並ぶ。なんでも、夫の泰之が会社員なるものに なりたての頃、課長とかいう人に連れられていったお店でソースが一緒に 出されたらしい。その味に衝撃をうけて以来、泰之は天ぷらを食べる際に 必ずソースをセットし、家庭を持ってからもその伝統(?)は引き継がれたのであった。 それにしても、【課長】というものは

          生活, しいたけの天ぷらの ②

          歌う えーあい

          AI美空ひばりさんの歌っている姿をテレビで見ました。 私のごく限られた範囲で接した情報によると、なかなかの 賛否両論が起こっているらしく、非常に興味深いことだと 思いました。 以前、noteにも少し書きましたが私は美空ひばりさんの 愛燦燦という曲が非常に好きで、それは彼女の歌そのものもそうですが 歌詞にキュンとなってしまう部分があるからです。本物をいいな〜と 思っている人間なのにそれを認めていいのか、と言われるかもしれない ですが、私はあの映像(番組)を見て、涙がこぼれまし

          歌う えーあい

          生活,しいたけの天ぷらの ①

          【こんな時期だからこそ、アホアホなお話を書くことにしました】 オレこと、しいたけの天ぷらはその日(も、というべきか)憂鬱だった。 だって、きっと今日もせっかくのかっこいいイガイガの衣は 外されちゃうだろうし「においがくさいからイヤ」と顔を しかめられるに決まっているからだ。この家の長女は、14歳。 春から中学3年生だ。まだ14年しか生きていないよいうな感じも するが、女子という生き物は3歳くらいからもう「女子」であり 女子というものが対外的にどのような存在であるかということ

          生活,しいたけの天ぷらの ①

          やわらかいうさぎはおどるのか

          先日観た映画「ジョジョ・ラビット」のことを綴ります。ジョジョ! (もしこれからご覧になる予定がある方は少々ご注意ください) ジョジョ・ラビットは強烈に私のことを呼んでいた。 変な誤解を招きたくないのだが書くと、私は昔からヒトラーやらナチズム というものに関する映画・本・コラムなどなどに遭遇すると、 「なんでこんなことになってしまうのだ」とか「人間の心理って……」と 思ってしまい、どうしても見ないで通り過ぎることができない。 怖いもの見たさ、というのともちょっと違う。不気

          やわらかいうさぎはおどるのか

          見る ことと 見える こと②

          Dialogue in the Darkを体験したことを①で書きました。そのつづき。 そこから思い出したイギリスでの経験を書いておこうと思います。 イギリスで勉強していた時に、People with special needs という言葉の持つ フラットさに気づくことがたくさんあったのです。 まず、入学して早々のオリエンテーションのようなところで、説明を担当 する教授が「この中でDyslexiaの人〜?」と聞きました。「なんじゃ そりゃ?」と思っていたら、ちらほらと手を挙

          見る ことと 見える こと②

          見る ことと 見える こと ①

          Dialogue in the Darkに参加したこと・思い出すイギリスでのこと (書き終わらないまま2020年に突入しちゃいましたので、文中、ちょっと あれ?なところもありますがお許しを) 無事に2019年の仕事を納め、「ふひ〜やれやれ」と安堵した私は、 そのままゴロゴロ生活に突入!というのがこれまでの年末の一連の流れで ありましたが、今年はちょっと毛色が違ったのであった。仕事納めの次の日にも「年末年始の片付け・準備」以外のことで外に出る、という快挙すぎる 行動に出たので

          見る ことと 見える こと ①